リハーサルなんて、いらない(仮) 人生リハーサル/テレ東ドラマシナリオ案/#100文字ドラマ

あらすじ

毎日が2回ある主人公、半田聖人(26)はリハーサル金曜日(1日目)を使って、恋人の上村美夜(26)にプロポーズをするも、惨敗。 諦めきれない半田は、美夜を問い詰める。 「何故、断ったのか?」という半田の質問に、美夜は「わたし、土曜に結婚式挙げる」という衝撃の答え。 その答えに動揺を隠しきれない半田は、わざと失敗プロポーズをした後、本番金曜日(2日目)に美夜を尾行する。 尾行時に美夜が会っていた武富和之(40)を尾行していくと、武富がゲイバーに入店していくのをみて、半田も入店。 のちに武富がゲイだという衝撃の事実に気付く。 美夜が「ゲイに騙されている!」と思った半田は、リハーサル土曜日(1日目)に、美夜に真実を伝えるべく、美夜と武富の結婚式へと潜り込む。


登場人物

半田聖人(26)

上村美夜(26)

武富和之(40)

赤井公美(30)

子供

母親

ゲイA

ゲイ(複数人)


シナリオ

◯レストラン・内(夜) 
   タイトル「リハーサル金曜日」
   高級な雰囲気。半田聖人(26)が上村美夜(26)にプロポーズ中。
半田「美夜ちゃん、結婚してください!」
美夜「えっ?」
  半田、結婚指輪が入った箱を開ける。
美夜「……ゴメン」
半田「えっ?」
美夜「結婚はできない」
半田「な、なんで?」
美夜「わたしさ、土曜に結婚式挙げるんだよね」
半田「へっ?」
美夜「そういうことだから」
半田(心の声)「えーっ!!!」

  ※上記の出来事がもう一度早送りで繰り返される。

◯繁華街(新宿二丁目をイメージ)・(夜)
  タイトル「本番金曜日」
  美夜が歩く後ろを、変装した半田が怪しく尾行している。
半田N「というわけで僕、2回プロポーズ大失敗男となったわけですが。 今、絶賛恋人尾行中であります! いや、果たして本当に恋人だったのかはさておき。」 
  美夜に手を振る武富和之(40)。 
  美夜が武富に近づいていく。
半田(心の声)「おっと、あの男でしょうか?」
  美夜と武富が肩を抱き合って、店に入っていく。
半田(心の声)「アイツが、僕の美夜ちゃんを……」
  (時間経過)
  美夜と別れた武富を尾行する半田。
半田(心の声)「こちら半田。 今、例の男を追っかけています。」
  武富、ゲイバーへと入っていく。
半田(心の声)「ここは……」
半田、恐る恐る中へと入っていく。
ゲイたち「いらっしゃーい♡」
  半田、苦笑い。
  ゲイたちが半田の身体をベタベタ触る。 苦笑いの半田。
  目先に女装した武富がいることに気付く。
半田(心の声)「ん? あれは……」
半田「げ、げ、げ、げ、げ、ゲイ!?!?」
ゲイA「そうよ~、今まで綺麗なお姉さんだと思ってた? いやだぁもう♡」
   半田、急いで携帯を取り出し、武富の姿をカメラで撮影する。

◯結婚式場・内(夜)
  タイトル「リハーサル土曜日」
  スタッフが準備している。
  そこへスーツ姿の半田があたりを警戒していながら入っていく。
  その姿を赤井公美(30)がみて、
公美「あの」
半田「あ、はい」
公美「業者の方でしたっけ?」
半田「えっと」
公美「人違いでした?」
半田「あ、いや! 私、新婦の関係者でして」
公美「あー、それは失礼いたしました」
公美、半田に謝る。
半田「ああいえ!」
  半田、額に汗をかいている。

◯同・内(朝)
  スタッフが丸テーブルに皿やスプーン、フォークを順番に置いていく。

◯同・後方テーブル下(朝)
  半田が潜んでいる。

◯同・控室内(朝)
  美夜がウエディングドレス姿で鏡の前に座っている。
  そこへ公美が来る。
公美「そろそろ式場のほう向かいましょうか」
美夜「はい」
美夜、ウエディングドレスを少し持ち上げながら立つ。

◯結婚式場・内(朝)
  フォーマルな格好をした複数の人が着席している。

◯同・外(朝)
  タキシード姿の武富が蝶ネクタイを直している。

◯同・内(朝)
  後方から美夜と武富が並んで歩いてくる。
  その姿を複数の人が拍手をしながら迎える。
  
◯同・後方テーブル下(朝)
  半田、汗をかいている。

◯同・内(朝)
  美夜と武富を含めた複数の人が集合写真撮影。近くには公美が立つ。
  その横で子供が床にミニカーを滑らして遊んでいる。

◯同・後方テーブル下(朝)
  半田、汗をハンカチで拭いている。
  そこへミニカーが走ってくる。
  と、子供がミニカーを取ろうと覗く。
子供「あれ?」
  子供、半田に気づき、
子供「何でここにいるの?」
  半田、子供にジェスチャーで静かにするよう伝える。
子供「なんで?」
半田「(小声で)理由があるんだ」
子供「りゆう?」
半田「(小声で)そう」
子供「なんで?」
半田「(小声で)だから」
  と、女性の足が見える。
母親「何してるの?」
  母親、子供に声をかける。
子供「おじさんがいるの」
母親「おじさん?」
子供「ほら、ここ」
  半田、子供にジェスチャーで×と伝える。
  母親、覗いて半田を見つけ、
母親「ちょっと! 何してるんですか!」
  
◯同・内(朝)
  母親の声に複数の人が目を向ける。
  母親、テーブル下から半田を引っ張り出し、
母親「不審者がいます!」
半田「ち、違います!」
母親「じゃあ何でここにいるのよ」
半田「そ、それは……」
  そこへ公美がくる。
  公美、半田の顔をみて、
公美「あれ、貴方は確か」
半田「あ、あの」
公美「新婦様の関係者の方でしたっけ?」
半田「あ、まぁ」
  遅れて美夜がくる。
美夜「何してんの?」
半田「あ、いや」
  半田、汗を拭く。
公美「お知り合いの方で間違いないですか?」
美夜「ええまぁ、元彼ですけど」
公美「な、なるほど」
美夜「で、何?」
半田「美夜はオレの彼女で結婚相手だと思ってるよ」
美夜「ここ何処だと思ってる? わたし結婚するんだよ?」
半田「こんな年上のわけわかんねぇのと、オレは結婚してほしくない」
美夜「武富さんは貴方みたいにね、ちっこくない大人な人なの」  
半田「美夜、騙されてるよ」
美夜「えっ?」
半田「そいつ、ゲイだよ」
美夜「何言ってるの?」
半田「見たんだ、俺」
美夜「証拠は?」
半田「あるよ」
  半田、ポケットから携帯を取り出す。
美夜「冗談でしょ?」
  半田、携帯を美夜に見せる。
  画面は武富が女装している姿が映っている。
半田「ゲイバーの奴に聞いたから間違いない」
美夜「だからってこんな」
半田「なぁ武富?」
  半田、美夜、複数の人が武富のほうをみる。
美夜「武富さん、ほんと?」
  武富、美夜のほうへ歩いてくる。
武富「……そう、私はゲイよ」
半田「やっぱりな」
武富「でも私、どうしても結婚しなきゃいけないの」
半田「何で?」
武富「孫の顔が見たいって年老いた両親が言ってるのよ」
半田「そんなことのために美夜を利用しようと?」
武富「あんたにとってはそんなことかもしれない、でも私にとっては……」
美夜「私もそう」
半田「えっ?」
美夜「何となくそうじゃないかなって思ってた」
武富「美夜ちゃん、ごめん黙ってて」
美夜「いいよ、そのためにこの結婚式だもん」
半田「え、どういうこと?」
美夜「ここにいる人たち、みんな知らない人なの」
  半田、複数の人の顔を見渡し、
半田「はっ?」
武富「お互い結婚したいって気持ちがあって、それでね」
美夜「お互い両親にも言ってないし、籍も入れるつもりない」
半田「ちょっと意味がわかんない」
美夜「まさか武富さんもその界隈の人だったなんて」
武富「美夜ちゃんだって」
半田「え、美夜……」
美夜「私もレズ、でも男性も大丈夫、だから貴方とも付き合った」
半田「じゃあこの結婚式は?」
美夜「武富さんと私が挙げたいって気持ちが合致したから挙げたの」
半田「つまり、式挙げたいって思った2人が偽物の参列者集めてやると?」
武富「まぁそういうことになるわね」
美夜「うん」
半田「じゃ、じゃあ美夜は結婚しないってことだよな?」
美夜「そう」
半田「なんだ、じゃあここに隠れる必要なかったのか」
美夜「まぁ知ってたけどね」
半田「え?」
美夜「ねぇ公美さん?」
公美「はい」
半田「みんなグルだったのか」
美夜「じゃ、仕切り直してやりましょう!」
武富「ねぇ公美ちゃん、後でウエディングドレス着てみてもいい?」
公美「ご自由に」
武富「ありがとう」
美夜「そうね、ちょっと衣装交代してみようか」
  武富、手を叩き、
武富「さ、そういうことで仕切り直すわよ」
美夜「聖くんもせっかく来たんだから、楽しんでいってよね」
半田「あっ、そういう感じ?」
半田(心の声)「僕にはもう、リハーサル要らないかもです……」 ー終ー

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