「外国人と付き合うとその人が話す言語が上達する」は半分ウソ
「○○語が話せるようになりたいなら、〇〇語を話す恋人を作れば上達する」
これは、語学を上達させる方法の一つとして、よく挙げられる方法だ。
結論から言って、個人的にこれは半分ホントで半分ウソだと思っている。
これまでの自分自身の体験から考えてみる。
結局語学が得意なほうにウエイトが偏る
台湾人と結婚して6年になるが、夫との会話は95%中国語だ。
夫は「ただいま」、「いってきます」、「いただきます」、「ありがとう」など、基本的な日本語は身につけている。
しかしそこから先へは一向に進む気配がない。
私たちの出会いは、日本語教師だった私が、夫が勤める会社に日本語を教えるために派遣されたことに始まる。
つまり夫は一定期間日本語を勉強していたわけだが、恥ずかしながらレベルは上記の通りだ。
というのも、夫はとにかく語学が苦手である。
出会った当初、コミュニケーションを取ろうにも、英語はダメ、日本語は勉強し始めたばかり、私も出会った当時は今ほど中国語ができなかった。
そんなわけで、私のわずかな中国語の知識と漢字を頼りに最初はほぼ筆談だった。
語学が苦手な夫に対し、私は語学オタク。
中学で英語を勉強し始めてから語学愛が一気に開花し、ラジオフランス語講座を聴くなどしていたし、進路も迷いなく外国語学部を選んだほどだ。
彼(現夫)と付き合い始めてからは、「これからしばらく台湾に住むんだし、快適に生活するためにもある程度話せるようにならないと」と、独学で中国語の勉強を始めた。
(基礎的な部分は大学時代に1年勉強していた)
最初は筆談中心にコミュニケーションを取っていたが、勉強していくうちに中国語にも慣れ、筆談用ノートもいつしか不要になった。
結局は努力や興味、好きだという気持ち
「外国人と付き合うとその人が話す言語が上達する」も、私の立場からすればホントだといえるが、夫の立場からすればほぼウソということになる。
語学が上達するかどうかは、結局は努力に尽きるのだ。
相手と話すときに、コミュニケーションの道具として“言語”は欠かせない。
相手をもっと知りたいと思えば話す頻度も高まり(=その言語を練習する機会も増え)、自然と勉強する→上達するはずだ。
夫のように語学に苦手意識を持っていると勉強も億劫になり、なかなか上達しない。
その言語が好きかどうかというのも大きく関係してくると思う。
あと、「その言語が話される場所に住めば上達する」も絶対ではない。
極端な話、ある言語が話される場所に住んでいても、毎日引きこもって誰とも話さないとかでは当然上達しないだろう。
引きこもっている間にインプットしまくって上達……ということもあるかもしれないが、そういう人は多分一握り程度ではないだろうか。
いくらインプットしまくっても、アウトプットしないことには本当に話せるようにはならない。
(本や論文は読めるようになるかもしれないけど)
夫が日本語を話せなくて困ることをあえて挙げるとすれば、一緒に日本に帰ったときに私の両親や親戚とあまり話せないことだ。
でもなぜか、夫は母が話していることは割と理解できている。
知っている単語や雰囲気から推察しているんだろう。
それでもやっぱり、「もっと日本語頑張ってもらうんだったな」と思わずにはいられない……。
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