経験してみて初めてわかること
所謂「不妊」に悩んで6年目。
26歳で結婚して、「28歳までに」「30歳までに」と思っていたのが、来月には33歳を迎えてしまう。
多くの不妊に悩む人はそうだと思うが、「まさか自分が不妊に悩むなんて」、私もそう思っていた一人だった。
これっぽっちも想像していなかったから、実際に不妊で悩んでわかったことがたくさんある。
心無い言葉の多さ
「子ども考えてないの?」
「子どもの作り方教えてあげようか?」
実際に私が言われたわけではないが、世の中の不妊に悩む人たちの中には、こういった心無い言葉をかけられることがあるらしい。
私が住んでいる台湾は、日本以上に他人のプライベートにどんどん突っ込んでくる人(主に年配の人)も多く、結婚や子どものことについてもよく聞かれる。
(幸い私の周りにはあまりいないので(陰で何を言われてるかは知らないが)泣かされずに済んでいる)
結婚を祝う言葉に「早生貴子(早く子どもに恵まれますように)」というフレーズまであるくらいなので、「結婚したら子ども」という意識はもしかしたら日本以上なのかもしれない。
不妊6年目とはいえ、まだ30代前半のため、子どものことを聞かれることがごくたまにあるのだが、正直今の私には「子どもは?」の一言でも辛い。
相手は何の気なしにかけた一言だと思うが、子どもができず悩んでいる私にとってはナイフのように鋭い一言に感じるのである。
(きっと私のように感じる人もいるはず……!)
自分だって無知だった
今は傷つく側(勝手に傷ついているだけだが)にいるが、私だって昔から不妊の辛さを知っていたわけではない。
「そんな酷いことよく言えるな!怒」なんて、偉そうに言えた立場ではないのだ。
(心の中ではこっそり毒を吐いてるのだが。苦笑)
学生時代、バイト先にその当時30代半ばの主婦の人がいた。
明るくて感じが良くて、話しやすくて頼りにしている人だった。
その人もなかなか子どもができなくて悩んでいた。
私もそのときは学生だったし、そんなにいろいろ子どものことについて話した記憶はないが、当時の私がその人にどんな言葉をかけていたかはわからない。
もしかしたら、心無い言葉をかけてしまっていたかもしれない。
いつも明るい人だったけど、陰で悩んでいたのかなと思うと胸がチクンと痛む。
言葉の受け止め方は人それぞれ
結婚していたら当たり前のように聞かれる「子どもは?」の一言に怯えている私は、正直敏感すぎるのかもしれない。
プライベートに関する質問をされても、どんなに心無い言葉をかけられても、華麗にスルーして過ごしている人もいるだろう。
でも、言葉の受け止め方は人それぞれで、実際に言葉をかけられた人にしかわからない。
励まそうと思ってかけた一言が、逆にさらに落ち込ませてしまうということもある。
本当に言葉というものは難しい。
相手のことを100%理解して、「正解」な言葉をかけてあげるのは無理なのかもしれない。
不妊や育児、病気などなど、実際にその人の立場に立ってみないとわからないことだらけだからだ。
それでも私は、相手の立場を少しでも理解しようと最大限努めて、その上で言葉をかけてあげたい。
自分が不妊を経験していなかったら、私も「子どもは?」と当たり前に聞いてしまっていただろう。
相手の気持ちを少しでも想像してみようと思えるようになったのは、「不妊を経験してよかったこと」なのかもしれない。
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