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くさくなった漫画が好き。

近頃もっぱらKindle派になりましたが、それでも単行本で読み続けたい漫画があります。久しぶりに引っ張りだしてきた昔の漫画の、なんとも言えない匂い。ホコリっぽいのとも違う、古くなった安い紙の匂いが大好きなんです。

匂いの経年変化も含めて楽しみたい漫画家No.1は、うすた京介先生。
現実と妄想の隙間に入り込むような絶妙なセンスが大好きで、10代の頃から繰り返し読んでいる作家さんです。会話にネタを潜ませてくるうすたファンの友人が多いため、あのネタ何巻に載ってたっけ?!と単行本を開くことも少なくありません。そのたびに香る、あの独特の匂い。色褪せないネタと、古くなった紙の匂いには、不思議な安心感があると思います。

嗅覚は、五感の中でも最も原始的なシステムと言われているそうです。
視床を経て大脳に届く視覚・聴覚・味覚・触覚とは異なり、嗅覚はダイレクトに大脳に届くのだそう。懐かしい気持ちになったり、昔の情景を思い出したり、匂いが感覚に訴えてくるのはそのせいなんですね。昔と変わらない像を視覚でとらえ、経年変化を嗅覚で感じる。同時に感じる感覚に時差がある場合、二重の刺激で脳内ではどんな変化がおこっているのでしょうか。変わらない作品の良さと自分の成長を同時に感じているとか?話はもっと単純で、近所の友だちの家や母と通った美容院、小銭を握りしめていった古本屋…子どもの頃からすぐそばにあったあの匂いに、安心感を感じているだけなのかもしれません。考えてみたところでわからなかった。

古本に限らず、世の中には出版社によって匂いを嗅ぎ分ける強者が存在するそうです。そこまで本の匂いを愛せるのも、にわか匂いフェチとしてはちょっと羨ましい気もします。

書きながら考察するぞと意気込んでみたものの、2日目からこんな内容で大丈夫でしょうか。

また明日。

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