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美人になった気分

今日は新しいアイシャドウ使ったとか、新しくおろしたワンピースを着たとか、めずらしくヒール履いた、とか。そういうオシャレは無条件に気分をあげてくれます。昨日と比べて、キレイだね!なんて、誰も気にもとめてない。だけど、昨日よりわたしなんか良いわねと自分で思える。それが大切なのです。

化粧品もお洋服も靴も大好きですが、その作品に触れるだけで、自分がキレイになったような錯覚を味わわせてくれるものがあります。それが、伊集院静の小説。最近、やっと『なぎさホテル』が文庫化されましたね。ダメな自分を肯定できるので、彼の作品はよく読むのですが、なにが美人と錯覚させるかというと、小説のテーマや内容ではなく、漢字とひらがなの使い方がそうさせるのです。文章を目で追っているだけで、みるみるうちに自分が美人になっている錯覚をおこします。ことばがひとつひとつ際立っているのに主張しすぎず、漢字と漢字の間のひらがな量が絶妙で、よく手入れされた庭園を眺めている気分。ぶっちゃけ内容は、またこういうやつかぁと思うこともあるのですが、読むたびに、ほぉとため息がでます。今の季節だと『白秋』とか『冬のはなびら』あたりを読むと、より美人になった錯覚を味わえると思います。

最近その美人錯覚シリーズに新作が追加されました。宇多田ヒカルのNewアルバム「Fantome」。聴き始めるとあっという間に終わっちゃうもんだから、発売以来アホみたいに繰り返し聴いています。聴いていると『俺の彼女』の盛り上がってくるあたりから、あれ?わたしもしかして美人になったかな?という錯覚をおこします。宇多田ヒカルすごい。昔のアルバムと比べると、全然ちがいますよね。曲も、歌詞も、声も。ほんとよく手入れされた庭園。聴いていると自然と背筋が伸びるから、移動中もよく聴きます。

美人錯覚シリーズ、どんどんストックしていきたい。自分の気分をこうやって演出するのも大切ですよね。

また明日。

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