非公式だけど神奈川大学附属中・高等学校の正しい学校紹介をする

今回は、「非公式だけど正しい学校紹介」と題し、神奈川大学附属中・高等学校の学校紹介を部活の卒業生界隈目線で語っていきたいと思います。どうぞご覧ください。


おことわり

  • こちらは神奈川大学附属中・高等学校 (神大附属) 技術家庭科部卒業生の有志による独自取材に基づいて作成しております。本記事を根拠とした学校へのお問い合わせは固くお断りいたします。

  • 神奈川大学附属の略称について、学校上の公的文書に準じ「神大附属」とします。各種界隈によって登用される略称が異なります。また、報道によっては「附」の不使用の元「神奈川大学付属」と記載する例があります。

大前提

ある意味神大附属のアイデンティティになりつつある?

  • 神大附属は神奈川大学に内部進学するための附属学校ではありません。

 この話、多方面に言ってもその返事は「知らない」の一点。何度このくだりで辛酸を舐めたか!!もうこれが読めたならブラウザバックしてもいいです。
 実際、それを裏付けるように次のような特色の目標を定めています。

  • 開校以来の「のびのびとした校風」の堅持

  • 生徒の希望を確かに実現する「高い進学実績

  • 信頼感のある「地域で一番の中高一貫共学校

 まあ、神大附属のくだり自体は流石に以前より知っている人は増えたかもしれません。この神大附属の目標通り、今の神大附属は神奈川大学に進学するための学校では無くなってしまいました。また、神大附属は神奈川大学とは大きく異なる独自の文化が誕生し、それも神大附属内部で醸成されていった歴史を持ちます。

学校生活

始業と時間割について

 神大附属を知るにあたってまず覚えてほしいのがその立地とそこからの始業、時間割のあり方です。

  • 最寄り駅である中山駅 (横浜市) から正門までに15分を要する

  • 始業 (中学生) が8時20分である

  • 週6日36時間実施 (SHR (ショートホームルーム) 等除く)

  • 月・火曜日は7時限、水・木・金曜日は6時限、土曜日は4時限で編成

  • 非公式ながら「0時限」が7:30〜8:20に実装されている。現在は体育大会や合唱コンクールの朝練に使用される

「なぜ、ここまで過密に?」さあ、なんででしょう。一応、2024年度から高校の朝のSHRを廃止したり、高3は選択科目を多めに用意するなどの調整はされています。
 さて、最寄り駅である中山駅 (横浜市) から正門までは15分かかると書きましたが、この15分、常に上り坂です……。まずは、神大附属の文化祭たる「くすのき祭」にてチャレンジしてみましょう。あ、一応は鶴ケ峰駅から南門までバスが走っています。相鉄沿線やそこを経由地に出来そうな方、あわせてご検討を。

習熟度別授業とコースの設定について

 神大附属は文理を除いては長年全クラス共通の授業実施を原則としていましたが、近年は習熟度に追従する形の授業編成が主となっています。
 2022年度より中学1年生、中学2年生の英語・数学の授業を少人数制に移行すると同時に中学3年生、高校1年生の英語・数学を習熟度別かつ少人数制 (既存の2クラスを上位1クラスと標準2クラスに分割) の授業に移行しました。
 また、2023年度より高校2年生~高校3年生を対象に習熟度制のクラス編成 (Ⅰ類、Ⅱ類) に改定しました。
 このクラス編成が特殊であり、Ⅰ類 (東京一科、旧帝) クラスに入るためには過去の成績 (定期試験と模擬試験だった記憶。) を基に生徒の自己推薦によって決定されると言う制度になります。

校外学習の縮退

 コロナ禍以前は多くあった宿泊付きの校外学習ですが、旅行関連への規制が緩和された2023年以降でもそれらは回復しないまま今に至ります。代表的な物は中学2年生のスキー合宿 (全員参加)、ファームステイ (希望制) の廃止です。勿論、学生の宿泊費も削減できて教員のイレギュラー対応の減らせると言う利点があるのでしょうが、「根拠をもってそうするつもりなら根拠をしっかり言え」。これにつきます。

ちょっとネガキャンしすぎた?

 ここまでのネガキャン感がちょっとありましたが、在校生は組織としても個人としても高い能力を発揮している姿が見られます。短い活動時間ながらしっかり賞レースに勝っている姿は流石です。

2024年の主な学生活動実績

  • 国際情報オリンピック 史上最年少記録タイ更新、日本情報オリンピック銀賞受賞 (技家部員)

  • 高校生ICT Conference 2024、グローバルユース国連大使 日本代表選出

  • JSEC2024(第22回 高校生・高専生科学技術チャレンジ)2件入選 (理科部)

  • なぎなた部 団体試合と演技競技でベスト16入り、全国総体出場へ

受験情報

2024年末 (2025年1月) 現在の偏差値

 中学受験に片足を突っ込む以上、みんな大好きなのは偏差値でしょうか。ここでは2025年1月までに予想された最新の記録を使います。

N…日能研、Y…四谷大塚、S…SAPIX、M…首都圏模試
偏差値は編成上の都合により男子/女子表記です。

2025年1月予想偏差値一覧。
第1回 N59/59 Y57/58 S51/51 M70/70
第2回 N57/57 Y52/54 S? /? M68/68
第3回 N59/59 Y57/59 S50/50 M69/69

 偏差値にあーだこーだ言う前に言えることとして、どの模試においても受験難易度的には第2回が優しいことになっています。第一志望が譲れないそこのあなた、第2回へ。その要因は様々あると思われますが、問題難易度自体はどの回でも不変と言う印象です。

偏差値変遷……を見る前に。

 神大附属における偏差値の変化についてみていきましょう。ここでは過去の偏差値を長期で公開している首都圏模試のデータを見ると興味深いです。ただ、神大附属ではこの15年間で入試制度を何度も変更しているため、かならずしも各実施日が日程と回数で一致しているとは限らないことに注意してください。詳細は下記のまとめ書きまたは引用文を確認してください。

神奈川大学附属の入試内容の変更とその前後の情報について
平成17 (2005) 年……A日程 (2/2 4科120名募集)、B日程 (2/4 4科40名募集)、C日程 (2/6 国算の2科20名募集) の3日程制に。所謂2、4、6体制。
当時は全科100点満点であり、国算各50分、理社各40分で編成していた。
平成21 (2009) 年……首都圏模試が2024年12月現在で公開している最古の結果偏差値
平成26 (2014) 年……平成17年入試からの2、4、6体制最後の年。
平成27 (2015) 年……所謂2、3、5体制。
ここでC日程 (2/5) の入試科目が4科に。しかし、配点については理社各50点となり、試験時間も理社は60分の同時解答となる。また、算数に40点の足切り制度が導入された。
当時の神大附属はC日程の高倍率体制ついて問題意識があったようで、2/3実施分は公立中高一貫校 (中等教育学校) の入試と意図的にバッティングさせて倍率を少しでも下げようとしていたとされる。
令和2 (2020) 年……平成27年入試からの2、3、5体制最後の年。
令和3 (2021) 年……現在の所謂1、2、4体制へ。開校37年目にして最大規模の変更となる。

神奈川大附属(横浜市緑区)は、2015年度入試においてB日程・C日程の入試日を変更します。C日程が初めて行われた2005年から2月2・4・6日の試験が定着していましたが、後半の2回を1日前倒しします。

A日程 2月2日(月) 140名 4科目
B日程 2月3日(火)(←2/4) 45名 4科目
C日程 2月5日(木)(←2/6) 15名 4科目(←2科目)
 ※試験当日のインターネット発表あり

【2015共-02】神奈川大附属 入試日程変更 | 最新中学受験情報 | 啓明館 - 神奈川県・横浜市の中学受験専科塾

神奈川大学附属(横浜市緑区)は、2021年度入試で入試日程を変更します。
2月1日午後入試新設や帰国生入試の12月実施など大きな変更です。

第1回(新設) 2月1日(月)午後 40名 2科目
第2回 2月2日(火) 120名 4科目
第3回 2月4日(木)(←2/3) 40名(←45名) 4科目
帰国生入試 12月22日(火) 若干名 算数・英語

※試験名称を「A日程・B日程・C日程」から上記のように変更
※第1回は算数、国語とも50分・100点満点(合計200点)
※第2回・3回は算数、国語が50分・100点満点、
  理科、社会が40分・75点満点(合計350点)
※第1回の合格発表は2月1日(月)23:30(第2回・3回は試験当日22時)

【2021共-01】神奈川大学附属 入試日程変更 | 最新中学受験情報 | 啓明館 - 神奈川県・横浜市の中学受験専科塾


過去の神大附属の首都圏模試偏差値変遷とは。

67/69 64/65 65/67 (R3, 2021 結果)
65/66 65/67 67/67 (R2, 2020 結果)
62/62 64/64 64/64 (H27, 2015 結果)
61/62 62/62 64/64 (H26, 2014 結果)
58/58 60/61 61/61 (H21, 2009 結果)

 こうしてみると、平成20年代末期から突如始まったインフレが激しいことが見て取れます。これには神奈川県における中学受験人口の拡大のほか、コロナ禍によって醸成された郊外需要&地元志向が影響したと考えられます。後述の通りの立地の悪さに反しての偏差値の伸び方ですので、この傾向が急落することはないでしょう。

じゃあ、他校の偏差値変遷はどうなのよ。

 実際、模擬試験の偏差値なんて所詮その年限りです。なので、ここでは同じ共学の難関校、特に進学校かつ2/1から入試を行う学校に絞って比較しましょう。ここでは、神奈川県と入試期間を共有する東京都内の渋渋 (渋谷教育学園渋谷)、広尾 (広尾学園)、久我山 (國學院大學久我山)と2月4日にも入試を行う市川とも較してみましょう。

65/66→74/76 渋渋①
53/54→70/73 広尾(特別選抜一般①→①)
59/57→64/62 久我山①
66/66→75/76 市川②
いずれも2009年結果→2024年12月予想

 この中でも特に注目したいのが広尾となります。広尾は国内外問わず強力な進学実績向上へプッシュしたこともあってか、その知名度は進学実績と共に大きく上昇していきました。現に、note上の「#神奈川大学附属」の検索結果は僅か4件に対して「#広尾学園」の検索結果は52件となります (2025年2月現在)。しかし、その一方で強大な拘束力を以て学校生活を制限していたと言う一面も持ちます。
 こうして神大附属と広尾を比較して思うことですが、「犠牲を払って大ブーストをした広尾」、「大器晩成ながらもしっかり乗り越えるべき所は乗り越えた神大附属」と言う学校の方針の違いがお互いの風土からも、偏差値からも感じられます。

進路指導

進学実績のために行っていること

 進路関係の業務は「進路部」が実施しています。
 進路関係の話題について、これは神大附属あるあるだと思っているのですが、建前上は「大学附属」ながら普通に他大学の見学をしたり、他大学の教員を招いてその大学の説明会を実施していることが多くあります。説明会に来校する大学は横国大や都立大は勿論ですが、一橋大、東工大、早大の方が来校されているのが面白い所です。こうしたヒアリングや過去の先輩の結果からの分析結果は、毎年の進路部の調査結果は「進路の手引き」として全校に共有されています (一般配信はよ!) 。
 また、近年は模擬試験の委託事業者も多角化を実施しており、以前はベネッセの進研模試に完全委託だった状態から、河合塾の全統模試へ転換を進めています。
 これらの進路指導はもちろん授業編成も関わります。ただ、これについては学校全体で編成のうえ適用されております。

進学実績もいいけど、進学希望はどこなのよ。

 一部の場合を除き、基本的にこのランクのうちのどれかを第一志望に立てて勉強します。

  1. 東大

  2. 京一科 (工)

  3. 早慶、旧帝

  4. 上理、神筑横千

  5. MARCH、G

  6. …(壁)…

  7. 神奈川大学かそれ以下

この中でも1~4を第一志望にする者は、神奈川大学を受験校にしない (内部進学の推薦すら受けない) 場合が多く、受けるとしても神奈川大学が年末に個別で実施する給費生試験に受験する人が多いと言われています。

2024年度受験結果概況

箇条書きではありますが、このような実績情報をいただいております。

  • 国公立大学の推薦概況……東大(1名)、高知大医学部医学科(1名)。

  • 慶應義塾大学医学部合格者は東京大学理科II類とのダブル合格となり、東京大学に進学しました。

  • 2024年度入試の現役進学者は181名となり、卒業者206名と比して約87.9 %となりました。これは前年比で上昇となりましたが、2025年度より新課程の受験学年となり、共通テストの実施科目が再編されることに起因すると見られます。

  • 上記国公立大学進学率は約16.0 %、上記私立大学進学率は約50.8 %となりました。

他の情報が知りたい?

その他の神大附属の情報が見たいとき、実はWikipediaがおススメです。文章としての完成度と情報の網羅度が群を抜いています。ぜひ、Wikipdiaでディープな神大の世界へ……。

おわりに

今回は神奈川大学附属中・高等学校の非公式学校紹介をしてみました。当会では今後も面白い記事を皆さんに提供出来ればと思います。反響があれば、この学校紹介も増やしてみたいですね。
それでは、失礼します。
(了)

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