「追憶ーーUNIQLO plus J/+J とセンチメンタルグラフィティ 俺と異世界と洋服」
ーーいつも間にか俺は戦場に立っていた
「おいおい!? いったいどういうことだ!?」
「ふせろ!!! 死にたいのか!!」
そういわれて、急に腕を掴まれた。
俺は、塹壕らしき場所に引き落とされた。
そこには歴戦の兵士といった風貌の男がいた。
「いきなり現れて、死にたいのか!! だれだ、補充兵か!?」
「ま、まってくれ、俺はただ服を買いに・・・!?」
「服だと!? だったら洋服屋にでもいくんだったな」
「ここはUNIQLOじゃないのか!? NIKIのセットアップは!? ウールカシミアのストールに、約三万のバカ高い格安のコートは!?」
「ゆにくろう? なにわけのわからないことと言っているんだ、すくなくとも、残念ながらここは戦場だ! あるのは本物の軍服(ミリタリー)だけだ! スーピマも、貝ボタンもありゃしないぞ!!」
ーーーいったいどういうことだ!?
俺の頭は混乱する、俺はさきほどまでたしかにいたんだ。
日本の、UNIQLOにーーーそして、ようやく待ちに待ったプラスジェイを見ることができたんだ。
朝早くからブラック企業になんとか、仕事の休みを取り繕って、朝早くから並び、整理券をゲットし、ようやく、手にできるところまできたんだ。
「こちらです」
入場制限と時間制限のあるコレクション区画。
そこで目にした、瞬間ーーーなにかを思い出した。
はっーーーーと我に帰る。
「俺は、前もこの世界に来たことがある!?」
思いだす。
まだ学生だったころ、32ビット戦争といういまでは滑稽におもうほどの、
けれどもいまよりも、未来を感じていた過去。
10年以上前の出来事。
そのソフトは発表と同時に、多くのファンを産んだ。
圧倒的なキャラクターデザイン。美麗なイラスト。
そして、多くの設定。
圧倒的な実績を持つプロデューサーにより、企画された成功されたプロジェクト。
それは発売前に、ゲームだというのにゲームができる前から熱狂的なファンと熱気をうんだ。
しかし、発売が大幅にズレた。いや、ズレたかどうかはわからないが、発表から発売までが長すぎた。
それはゲームではおうおうとして、いい兆候ではない。
そして出来上がったモノを見た時ーーー多くの人は、思った。
「あれ? なんか違くね?」
俺もそう思った、1人だった。
あの繊細な、圧倒的なイラストビジュアルが、単なるドット絵、セル画になっているような。
大切ななにかが置き去りにされたような。
いや、もちろん、面白い部分もある。けれども、熱気と熱狂との落差が、
俺を混乱させーーー気づくと、俺は戦場にいた。
「あの時とおなじだ!!!!!!!」
俺は唐突に気づく。
わけがわからないが、あの時、センチメンタルグラフィティをプレイした時に感じた感情を、俺は感じたのだ。
そして、俺は、またあのセンチメンタルグラフィティの時と同じく、異世界に飛ばされたのだ。
なぜかはわからない。
けれども俺はプラスジェイに、センチメンタルグラフィティと同じ何かを感じたのだ。
早く帰らなければ。
あの時、世界を救って、すぐさま現実世界でセガサターンを起動させ、ゲームをプレイしたように、
また現実世界に戻って、プラスジェイを買ってーーコーデを撮らなければ!!!!
※この物語はフィクションで実在のUNIQLO、+J、センチメンタルグラフィティとは関係ありません。
最後まで読んでくれて thank you !です。感想つきでシェアをして頂けたら一番嬉しいです。Nazy