会社の勤怠管理の違法性を告発

出勤時は制服に着替えて連絡事項などを確認してから打刻する、退勤時は打刻してから着替える。
これらがこの会社のルールであると店長等から指導を受け、それに疑問も抱かずに従って勤務していたが、ある日このようなルールや指導は違法であることに気づく。
以後、違法な指導に従って損を続ける必要もないと判断し、この指導を無視するようになる。

2020年頃
店長A:なぜ出勤を打刻してから制服に着替えているんですか?あなたのようなリーダーとして手本となるべき立場の人がルールを守らないと周りに示しがつかないんで、そういうせこい不正で小銭を稼ごうとせずにしっかりルールを守ってください。
自分:法律上は制服に着替える時間は勤務時間に含まれる筈なので、その指導には従えません。
店長A:あなたもいい大人なのだから屁理屈を言わずに素直に指導に従ってください。着替えが勤務時間だと言うなら通勤も勤務時間だと言うんですか?そんなことを言い出したらキリがないでしょう。
自分:通勤は勤務時間に含まれませんよ。あなたが法律を知らないだけじゃないですか?人を犯罪者扱いするなら少しは調べてから物を言ってくださいね。
店長A:とにかくこれは会社のルールなので私に文句を言われても知りません。文句があるなら会社に直接言ってください。

このやりとりの後は、次に同様の指導を受けたらお望み通り会社を告発しようという意思のもとで、この指導を無視し続ける。
その後は自身に対して指導が行われることはなかったが、他の従業員に対しては自身が見ていない場面で違法な指導が継続されていた模様。
真面目な従業員たちが違法な指導に従って損をしていることを憂慮する気持ちと、自分も清廉潔白に勤務してきたわけでもないのでこんな細かいことで会社に喧嘩を売るのは憚られるという気持ちの狭間で、会社の指導が違法であることをやんわりと周知し始める。



数ヶ月後
店長Aが異動し、新たに店長Bが着任。
その後、店長Bも着替え時間について違法な指導を行っていることを、従業員の証言から確認。
(店長Aや店長Bはこの件以外にもなにかと従業員に対して高圧的な態度での指導を繰り返す)

店長の指導に真面目に従っている従業員や、店長の指導に対する不満を口にする従業員たちには、指導の内容が正当なものであれば多少厳しい物言いをされても従うべきだが、違法な指導や不条理な物言いにまで大人しく従う必要はない、と助言する。
それに対して多数の従業員は、店長に怒られるのが怖いから大人しく店長の指導に従う、という反応を見せる。

アルバイト時代は自身にとって最も信頼できる後輩の1人であった店長Bが、正社員として登用され店長となってからは会社本意的な物の考え方に染まり恐怖政治のようなやり方をするようになったことに、不信感とやすせなさを抱くようになる。



2021年5月
店長Bが連絡ボードに以下の内容の文書を掲示。
「出勤時にシフトで決められた時間の5分前や10分前に打刻している人がいますが、3分前に打刻するというルールを必ず遵守してください。こういった細かい不正行為が積み重なると、会社全体としては重大な損害となります。このような金銭に関わる不正は大小にかかわらず、発見次第厳重に処罰します。私としてもこのような形で従業員を失いたくないので、自身の今後の人生のためにも慎重な行動を心掛けてください。」

この文書を見て、店長に詰問。
自分:ちょっと確認したいことがあるんですけど、この会社の勤怠管理って何分単位ですか?
店長B:今は確か5分単位ですね。それがなにか問題ありますか?
自分:5分単位ということは、出勤時は3分前に打刻するというルールを遵守すれば、その3分間は切り捨てられてタダ働きになるわけですよね。たとえ数分であってもタダ働きを強要するような指導はおかしいんじゃないですかね。法律上は1分単位が原則のはずなので、5分単位で切り捨てしている時点で法的には不適切だと思いますが、その上で打刻のタイミングを従業員の判断に任せているならともかく、3分前に打刻というルールを強要するなら確実に違法になりますよ。
店長B:はあ。法律のことはよく分かりませんが、その3分間は手洗いとかうがいにかかる時間として設定されているわけなので、タダ働きにはならないんじゃないんですかね。
自分:それはつまり出勤前の手洗いやうがいは仕事ではないから賃金を支払う対象ではないと?
店長B:予定時刻通りに仕事を始められるように計算して準備しておくのは、働く上で当たり前の心掛けじゃないですか。
自分:労働というものは実際に作業している時間だけを指すものではないので、根本的な認識が間違っているんじゃないですかね。それと出退勤時の着替えるタイミングについてはどのように指導してますか?
店長B:それはもちろん会社のルール通りに、出勤の時は着替えてから打刻するように、退勤の時は打刻してから着替えるように指導してますけど。
自分:法律上は着替えも勤務時間に含まれるのでその指導も明らかに違法ですね。手洗いや着替えは仕事ではないから賃金を支払う必要がないと勝手に思い込んでるみたいですけど、なんとなくの常識に囚われて法的なリテラシーが欠如してるんじゃないですかね。従業員に対してルールを守れと言うなら、まずは会社側が法律に則したルールを作成すべきだと思いますけどね。まああなたでは判断できない話だと思うので、とりあえず会社に問い合わせてもらえますか?
店長B:勤怠管理については労務給与部の管轄なので私からはなんとも言えませんが、とりあえず一旦SVに相談してみます。

その後、店長から返答のないまま数ヶ月経過。

2021年9月頃
アルバイト従業員C:(他の従業員に対して)なんで着替えてから退勤を打刻してるん?退勤する時は打刻してから着替えるって教わってるやろ。ちゃんとルール守りや。
自分:別に構わんやろ。要らん指導すんなや。
従業員C:なにが別に構わんなん?細かいことかもしれへんけど、お金に関わることなんやからルールはちゃんと守らなあかんやろ。
自分:法律上は着替えは勤務時間に含まれることになってるから、金に関わることやからこそ違法な指導に従って損する必要ないわ。
従業員C:法律はそうなんかもしれんけど、今まで会社のルールとして教わってきてみんなそれを守って働いてるんやから、それを勝手に無視するんは違うやろ。
自分:会社のルールが法律に反してる場合は当然法律が優先されて会社のルールは無効になるから、そんなもん律儀に守る必要ないねん。だいたい先に打刻しようが後から打刻しようが5分単位で切り捨てられるんやから一緒やろ。
従業員C:でも確か法律では1分単位にしなあかんのちゃうん?うちが掛け持ちしてるもう一個の会社は1分単位やで?
自分:だから5分単位の時点で違法なんやから、尚更打刻するタイミングで文句言われる筋合いが無いやろ。それに就業規則にはどのタイミングで打刻するかなんて書いてないから、そもそもそんなルール自体が存在してへんねん。
従業員C:ええ?店長ほんまですか?
(横で話を聞いていた)店長B:いや、就業規則にはちゃんと記載されてると思いますけど。
自分:じゃあ今確認してみてくださいよ。
店長B:(就業規則を確認して)確かに書いてないですね。
従業員C:はあ?ほな店長たちはなにを根拠にそんな指導してるん?こないだSVなんかは、出勤を打刻してから着替えてた留学生たちに、ちゃんとルール守れや、お前らのやってること犯罪やぞって怒鳴りつけてたけど。
自分:そんなもんルールどうこう以前に論外やろ。留学生相手に怒鳴りつけてパワハラしてるとか気狂っとるやんけ。
店長B:以前は確かに書いてあったはずなんで、ルールとしては存在してる筈なんですけどね。
自分:ルールとして存在するならそれが違法だと言ってるんですよ。まあどっかのタイミングで会社が違法だと気づいてこっそり修正したんじゃないですかね。
従業員C:それがほんまやったらこの会社ふざけすぎやろ。会社のことを信じて周りにもうるさく言ってきたうちがあほみたいやん。
自分:俺も数年前までは今のお前と同じように会社に従って周りにも注意してきたわけやけど、会社を信じた結果として知らんうちに加害者側に組み込まれてるんは気分悪いやろ。無知のせいで自分が損してるだけならまだしも、他人にまで損害を与えてたら知らんかったでは済まへんし、俺らはバイトの立場やから責任を問われることはないかもしれへんけど、それでもいい歳してるんやから自分の頭で考えて物事を判断するべきなんちゃうけ。
従業員C:ほなこれからどうしたらいいん?
自分:まあとりあえずは店長が明確に指針を示すべきじゃないですかね。
店長B:じゃあ私が指針を示したらそれに従ってくれるんですか?
自分:もちろん適切な指針なら従いますが、従業員が不当に損害を被るような指針なら従わないし、周りの従業員にも従わなくていいと助言しますよ。
店長B:まあ勤務開始時間にちゃんと就業準備が完了していることが1番大事だと思うんで、細かい部分は各々の判断でいいんじゃないですか。

数日後
自分:この間話してた件ですけど、以前にも会社に問い合わせてくださいと依頼していたはずですが、回答をもらえていないままだったので、Cみたいに会社を信じて行動している人間のためにもこの際はっきりと白黒つけたいので、改めて会社に確認してもらえますか?
店長B:そもそもそれは本当に違法なんですか?解釈の問題なんじゃないですか?
自分:条文に明記されているわけではないので確かに解釈の問題とも言えますが、厚生労働省や社労士協会が出してるガイドラインにも違法なブラックバイトの事例として記載されているし、裁判所が違法だと認めた判例もあるみたいなんで、違法なのは間違いないと思いますよ。法の解釈を巡って専門家とか国の機関と争いたいなら好きにすればいいですけどね。
店長B:私には法律のことはよくわかりませんけど。
自分:法律を知らないことが免罪符になると思っているんですか?店長という労働者を管理する責任のある立場として、自分の仕事に関わる法律くらい最低限把握しておくべきですよね。ましてやこないだみたいなやり取りがあったら、普通は自主的に調べたり会社に問い合わせて確認したりしようと思いませんかね。法律を知らないこと自体より、これだけきっかけがあっても知ろうとしない姿勢が問題だと思いますよ。自分は会社に従っているだけだから関係ない、責任はないと開き直って、都合の悪い現実から目を背けているんじゃないですか?
店長B:じゃあ着替えも勤務時間だと言うなら、あなたは急いで着替えてるんですか?
自分:別に特別急いではいませんが、仕事の一部だと認識して普通に着替えてます。
店長B:まあそれならいいですけど。でもやっぱり中にはだらだらと着替える人間もいるんで、それを勤務時間に含めるのは無理があるでしょ。
自分:現状あなた方の指導に真面目に従っている人間は着替え時間に対して賃金は発生していないわけなので、早めに来てだらだら着替えてようが、ギリギリに来て急いで着替えようが個人の自由だし、今後は着替えも仕事の一部だと規定した上で手早く着替えるようにと指導すればいい話なんで、それが法律を無視する理由にはなりませんよね。
店長B:法律法律言いますけど、実際に運営していく上で細かい法律を守ることより大事なこともあると思いますけどね。
自分:私も法律が全てだとは思わないし、あなた方が法律を守っていないこと自体に文句を言っているわけではないですよ。ただ私は会社と従業員は対等であるべきだと考えているので、会社側に都合の良すぎる物の考え方が受け入れられない、それだけの話です。今回の件にしても、たかだか数分、金額にして数十円のことなんて正直どうでも良いんですが、その細かいことに拘って偉そうに指導してたのはあなた方ですよね。法律に反した指導をしている側が自分たちが正しいと勘違いして、従わない人間をまるで犯罪者扱いするような物言いをしていれば反感を買うのは当たり前じゃないですかね。自分たちから喧嘩を売っておいて、反論された途端にカスみたいな言い訳で逃げようとしても通用しませんよ。それにあなたは日頃から従業員に対しては、働く上で何より大事なのはルールやマニュアルを守ることだと、重ね重ね指導してますよね。会社からも、特にお金に関する不正は刑事民事を含めて厳重に対処すると常々発信してますよね。例えば衛生面に関わる部分とかで従業員に厳しくするのは当然だと思いますけど、お金に関わる部分に関しては会社側も平気で法律を無視している中で、店長たちはその不正に気づいていない、もしくは見て見ぬ振りをしている、そんな状況で従業員にばかり色々と偉そうなこと言われても説得力が無いんですよ。法律を遵守するのが現実的に難しいというなら、せめてもう少し謙虚に振る舞ったほうが身のためだと思いますけどね。実際に私自身も法律やルールを遵守して生きているとは言い難い部分はあるので、自分のことを棚上げしてなにを偉そうにと思われても構わないし、今回の私の抗議の結果として私個人や従業員側の行動が今まで以上に厳しく取り締まられることになったとしても当然それは覚悟の上ですよ。他人に厳しい人間には周りからも厳しい目が向けられる、そういう当たり前の覚悟があなた方には足りないんじゃないですかね。
店長B:まあ私も着替え時間に関してはグレーだと感じてたんで、指導を守ってない奴がいてもあんまりうるさく言わないようにはしてましたけどね。
自分:さっきまで法律なんて知らないと開き直っていたのに随分と都合の良い言い分ですね。私は会社全体の方針や姿勢に対して抗議しているわけなので、実際にSVみたいに怒鳴りつけてまで従わせようとしている人間がいる中で、あなた個人のそんなしょうもない弁明に何の意味もありませんけどね。それになんか見逃してあげてるみたいな言い方してますけど、指導を真面目に守っている従業員たちが損をしているのがおかしいと言ってるんですよ。その言いぐさでは損害を与えている自覚もないんでしょうけど。
店長B:私はあくまで中立の立場なので。
自分:なにが中立なのか知りませんが、私みたいな反抗的な人間はともかく、あなたや会社を信頼して真面目にやっている大多数の従業員たちを大事にしてあげてくださいよ。
店長B:あなたに言われるまでもなく真面目な従業員は私が守りますよ。まあ本当に会社のやり方が違法だとしても、それが会社にとって不利益になることはないと思いますけどね。
自分:会社が金を払うような展開にはならないと?
店長B:そういう意味ではなく、もともと払う必要があったお金を払うことになったとしても、それは当たり前のことなので会社にとって損害ではないという意味です。
自分:なるほど。まあざっくり計算しても会社全体で言えば数億円単位の金額の話なので、そんな大金を会社が素直に払うとは思えませんけどね。私としても別に金を払わせることが目的ではないので、あなた方がもう少し謙虚に振る舞ってくれればそれで済む話なんですが、あなた方が今後も態度を改めるつもりがないなら法的措置を取ってでも追及しますよ。
店長B:とりあえずこの件は私では判断できないので労務給与部に確認しておきます。
自分:最初からそう言ってくれればこんな不毛な議論しなくてもよかったんですけどね。別にあなた個人の責任を追求したいわけじゃないし、立場的に色々難しいことは理解しますが、従業員を守るというあなたの言葉を信じて一先ずお任せします。
店長B:とりあえず問い合わせたい内容を文章にまとめて、店長携帯にショートメッセージで送っといてもらっていいですか?
自分:わかりました。

その後
着替え時間を勤務時間に含まないように指導している件と、勤務時間を5分単位で切り捨てにしている件について、会社としてどのような法解釈や見解によってこのような勤怠管理を行なっているのか回答を求める、という内容を店長にメッセージで送付。

数日後
店長B:こないだの件について労務給与部からの回答です。電話で回答を聞いてメモしてなかったんでちょっとあやふやなんですが。
自分:こないだのやりとりの後で、なんでまだそんな適当な感覚でいられるんですかね。
店長B:いや、まあとりあえず会社の回答としては、問い合わせの内容について、2点とも会社として違法だとは認識していない。ただし今後については、着替え時間に関しては、速やかに着替えるのであれば出勤時は打刻してから着替えても、退勤時は着替えてから打刻しても構わない。5分以下切り捨てに関しては、切り捨てが発生しないようにキリのいい時間まで待ってから打刻するようにしてくれて構わない。みたいな感じでした。
自分:それはつまり今までのあなた方の指導は守らなくていいということですよね。そのやり方を許可するなら法的に問題はなくなると思いますが、構わないという言い回しには引っ掛かりますね。会社が本当に現状が違法だと認識していないのならそんな許可を出す必要がないし、その許可を出すこと自体が本当は会社も違法であることを認識している証拠だと思いますけどね。それにあなたやSVにしても会社を信じて従業員に厳しく指導してきたのに後ろからはしごを外されてるわけですよね。あなたはその回答を聞いておかしいと思わなかったんですか?
店長B:はあ。私は特になんとも。
自分:まあそれは置いておいて、今後そのやり方で良いと言うなら他の従業員に対してもしっかり周知してあげてくださいね。
店長B:この件に関して私から他の従業員に対して何かを言うことはないですね。
自分:はあ?それは何故ですか?私1人に許可を出すのは意味がわからんでしょ。今までの自分たちの指導が間違っていたと認めるのが怖いんですか?
店長B:そういうわけじゃありませんが、私はこれ以上関与できないので、まだ文句があるならあとは労務給与部と直接話してください。
自分:そうですか。まあ余計なことは言うなと会社から釘を刺されたんでしょうけど、あなたにはもうなにも期待しません。

後日
労務給与部に電話。(女性の声)
自分:店長から聞いた回答内容は間違いないですか?
労務給与部:間違いないです。
自分:就業規則には、出勤時は予定時刻の3分前に打刻すること、退勤時には予定時刻から3分以内に打刻すること、と記載されていますが、これらは無視してもいいということですか?
労務給与部:そうですね。その部分は無視して頂いて結構です。
自分:では出勤する時は、例えばシフトが9時入りの場合は8:50か8:55に打刻してから着替える。退勤の時は作業が終了したらまず先に着替えて、その後キリのいい時間まで待ってから打刻する。これで問題ないですか?
労務給与部:それで問題ありません。では失礼致します。
自分:ちょっと待ってください。勝手に話を終わらせないでください。
労務給与部:まだなにかあるんですか?そのやり方で良いと言っているのだからそれで良いんじゃないですか?
自分:私個人にそんな許可を頂いてもなんの意味もないので、この回答の内容を全従業員に対して周知した上で、就業規則も改訂して頂けますか?
労務給与部:それは私では判断しかねますので、上司に確認して後日に改めて連絡致します。

後日
労務給与部から電話。(男性の声)
労務給与部:先日お問い合わせ頂いた件についてですが、改めて私どもとしては現状が違法だとは認識しておりません。よって先日あなたに許可したやり方を他の従業員に周知したり、就業規則を改訂するといった義務も予定もございません。
自分:違法だと認識していないと言うなら、何故私に対してはそんな許可を出すんですか?文句を言ってきた人間にだけ特別にルールを免除するなんて、会社の対応としては支離滅裂にもほどがあると思いますが。
労務給与部:そもそも着替えについては大した時間もかからないはずなので、あえて詳しく規定していないんです。ズボンは家から着用してきても良いことになっているんで、あとは事務所で上着を着るだけですよね。
自分:あえての意味も分かりませんが、あえて詳しく規定していないと言うのなら、実際に現場の店長やSVたちが着替えを勤務時間に含まないように指導しているのはおかしいですよね。店長たちが高圧的な指導をしていなければ、私としてもわざわざこんな細かいことで騒ぎ立てませんよ。
労務給与部:それは誰ですか?
自分:基本的にはどの店長やSVも会社としてのルールだと認識して指導を行なっておられるようですが、私自身で言えば特に前店長のAさんから強い口調で指導を受けました。それと私が直接見たわけではありませんが、現SVのDさんが複数の従業員に対して恫喝するような口調で指導していたという話を聞きました。Dさんに関しては以前にもパワハラ的な言動で会社から注意を受けたとお聞きしていますが。
労務給与部:では該当の社員には注意しておきます。
自分:存在しないルールを押し付けて不利益を負わせたことに対して注意で済ませるんですか?たかだか数分のことでも積み重なれば大きな差異になると理解しているからこそ、店長やSVたちはルールを守れと厳しく指導されてきたわけですよね。彼らは従業員の不正を防ぐことによって会社の利益を守っているつもりだと思いますが、実際には賃金を少しずつちょろまかすことによって従業員に損害を与え、会社として不当な利益をあげることに加担してしまっている。それは彼ら自身の無知が原因でもありますが、根本的には会社の責任ですよね。会社が責任を持って適切なルールを明確に規定して従業員に周知した上で、店長たちに対する教育を徹底するべきじゃないですか?
労務給与部:そもそもが細かいことであって、たとえそのような指導が存在していても違法ではないと認識しているので、具体的な損害などは発生していないし、そのような対応を取る義務もございません。
自分:話になりませんね。では5分以下切り捨てについてはどうお考えですか?こちらについても明らかに違法ですよね。
労務給与部:5分以下切り捨てに関しても、労働基準監督署に問い合わせて違法性は無いと回答を得ているので問題はありません。
自分:本当に監督署がそう回答したんですか?
労務給与部:そうです。ある店舗で従業員が出勤時に手洗いに無駄に時間をかけてなかなか勤務を開始しないという事例が頻発していたので、その対策を監督署に相談したところ、5分単位で勤怠管理をすればいいと助言を受けました。
自分:ちょっと仰られている意味がよくわからないんですが。5分単位で管理することでその事例が解決するとは思えないし、手洗いに無駄に時間をかけるなと指導すればいい話じゃないですか?そもそも数年前までは15分単位で管理されてましたよね。いろいろと言い分が破綻していると思いますが。
労務給与部:とにかく監督署からはそれで問題ないと回答をもらっているので。
自分:監督署がそんな回答をするとは思えないので、私からも監督署に問い合わせて確認しますよ。
労務給与部:お好きにされればいいんじゃないですかね。

直後
労働基準監督署に電話で相談し、以下の回答をもらう。
・制服に着替える時間は労働時間として取り扱うのが原則、労働時間は1分単位で管理するのが原則であり、話を聞いた限りでは会社の勤怠管理や指導は明らかに違法であると見受けられる。
・大企業で労務管理をしている人間ならば労働法に精通しているはずなので、現状が違法であることも理解しているはずだが、それを認めると会社にとって多大な不利益になるので屁理屈を捏ねているだけであると推測される。
・会社が提示したやり方を従業員全体に周知すれば問題はなくなるが、それを特定の個人にのみ許可するというのは正直意味がわからない。
・会社が主張する手洗い云々の事例は適切な指導によって解決すべきものであり、違法な勤怠管理が正当化される理由にはなり得ない。
・会社が監督署から違法性は無いと回答を得たと主張しているのは、おそらく会社が監督署に問い合わせた際にわざと曖昧な聞き方をして、それに対して明確な回答がなかったことを都合よく解釈しているものだと思われる。会社が違法行為を正当化するためによく使う手口であるが、当然そのような言い分に意味はない。
・電話相談では一般的、客観的な見解に基づいた抽象的な助言しかできないので、より具体的な助言を求めたい場合は、勤務記録などの具体的な証拠となるものを持参して署まで来て欲しい。

監督署からの助言を受けて、再び会社に電話。
自分:会社で保存している私の過去の勤務記録を私宛に送付してください。
労務給与部:それは何に使うんですか?
自分:それはお答えしかねます。
労務給与部:では義務は無いので開示はできません。
自分:労働者本人に勤務記録を開示するのになにか不都合でもあるんですか?
労務給与部:監督署などからの開示命令がない限りは開示できないという規則になってますので。
自分:では結構です。

再び監督署に電話。
自分:会社に勤務記録の開示を要求したら拒否されたんですけどどうすればいいですかね。ちなみにコロナ関連の休業支援金を国に申請するための必要書類として、以前に会社から受け取った数ヶ月分の勤務記録なら手元にあるんですが。
監督署:会社の勤怠管理を確認するだけなので、数ヶ月分の勤務記録があれば充分だと思います。あとは雇用契約書や労働条件通知書、就業規則などの写しが用意できれば、それらも持参してください。

後日
労働基準監督署を訪問。
監督署:持参された資料を拝見させて頂いた上での助言として、まず着替え時間については、就業規則には具体的な記載がないので会社がどのような指導を行なっていたのか現段階では判断しかねますね。おそらく会社としては、違法な規定や指導は存在しないと主張することが推測されるので、この件について争うなら周りの証言を集めるなどして、店長たちが不適切な指導をしていた証拠を固める必要があると思います。
自分:周りの従業員は争いごとに巻き込まれるのを嫌がるんで、協力を呼びかけて証言を集めるというのは難しいかもしれませんね。とりあえずは今回の告発を通して不適切な指導をやめさせることができればそれでいいんですけど、今後も改善しないようなら周りの協力を呼びかけることを検討します。
監督署:それが賢明だと思います。一方で労働時間の切り捨てについては、持参して頂いた勤務記録からして会社が5分単位という違法な勤怠管理をしているのは明らかなので、証拠としては完璧ですね。会社側の言い分としては15分単位とか30分単位でやっているところに比べればマシな部類だと言いたいのでしょうが、違法であることに変わりはないです。
自分:では監督署の方から是正のために指導して頂けますか?
監督署:現段階で会社に指導を行うという約束はできないですね。あくまで情報提供として受け取る形になるので、署内で検討した上で監査や指導を行う可能性はありますが、たとえ実行したとしてもそれをあなたに報告することもできないです。私どもとしても会社に対してどこまで厳格に法令遵守を求めるかというのは、現実的にはなかなか難しい部分もあるので。車の制限速度を1キロでも超えれば違法ではあるけど、それをどこから取り締まるのかみたいな話ですね。まあそういうわけで現段階で具体的な約束はできませんが、5分単位の勤怠管理が違法であることは間違いない事実なので、ご自身で未払い賃金を請求しちゃってもいいと思いますよ。未払い賃金を請求することによって、会社に対して適切な勤怠管理に是正するよう圧力を掛けることにもなると思いますので。それで会社が支払いを拒否するようならば支払命令を出すことも視野に入れますので、改めてご相談頂ければと思います。
自分:わかりました。では請求する金額を算出するために、監督署から会社に勤務記録の開示命令を出してもらえませんか?
監督署:開示命令を出すこともできますが、勤務記録を開示させてわざわざご自身で算出しなくても、会社の方で1分単位で計算し直して差額を支払うように、という形で請求すれば良いと思いますよ。
自分:なるほど。ではその方向で会社に請求書を送ってみます。
監督署:また難航するようでしたらご相談ください。
自分:ありがとうございます。

後日
5分単位の勤怠管理によって発生した未払い賃金の算出と支払いを求める請求書を会社に送付。
着替え時間については、会社の指導が違法であることに気づき数年前から指導を無視していたので、自身に対する未払い賃金は時効成立以前のものしか存在しないと判断して、今回は請求せず。
(未払い賃金の請求には時効があり、時効が成立すると請求することができない。この当時の時効の期限は2年)

2021年11月
労務給与部のG氏と面談(SVのD氏も同席)
G氏:今回あなたから問い合わせを受けた内容についてですが、専門家とも協議した結果として、改めて会社として違法ではないという判断に至りました。確かに法律上では1分単位が原則かもしれませんが、よそだと15分単位とか30分単位でやっている会社も多い中で、うちの5分単位というのは誤差のようなものです。よそが1分単位に切り替えていくと言うのならうちもそれに合わせるかもしれないし、今後システムを改変する際の参考にはさせて頂きますが。
自分:監督署からは明確に違法であると回答を得ていますけど、一体どこの専門家が違法じゃないと言っているんですかね。
G氏:違法であるなら監督署から指導を受けるはずですよね。監督署の定期監査を受ける度に勤務記録なども確認されていますが、今までそのような指導は一度も受けてないんですよ。
自分:それは単に監督署の都合で見逃されていただけじゃないですかね。
G氏:それに1分単位でやれと言うのなら、勤務中にトイレに行く時間とか、注文の合間に手が空いた時間とか、そういった部分も休憩扱いにして1分単位で給料から差し引くことになりますよ。
自分:トイレに行ったりちょっと手が空いたからといって、それを休憩扱いに出来るわけがないし、それらが勤務時間に当たるかどうかと出退勤時の切り捨てとは別問題じゃないですか?
G氏:あなたが1分単位で管理しろと言うのなら、こちらとしてもそこまで管理しなくてはならない、そういう考え方もできるということです。
自分:法律を知っていればそんな考え方になるわけがありませんね。会社の指揮管理下にあるなら全て勤務時間として取り扱われる筈なので、明らかにサボっているならともかく、常識の範囲内でトイレに行ったり、業務上の都合でたまたま手が空いている時間を休憩扱いにして給料から差し引くと言うなら、また新たに不正を告発する事由が増えるだけですよ。
G氏:私は今日あなたと話し合いをするために来ているので、あなたがそんな感じではちょっと今日は話にならないと感じますね。
自分:はあ?じゃあ関係ない話は置いておいて、私の請求に対する答えをはっきりと聞かせてくださいよ。
G氏:いいですよ。1分単位でしょ?あなたからの問い合わせを受けて、過去3年分のあなたの賃金を1分単位で計算し直して、その数字を今日持ってきてます。出勤、退勤、休憩、深夜、時間外も全部計算に入れて、実際に支払った賃金との差額が31127円、これがあなたの問い合わせに対する答えです。機械で計算したあとに人手をかけて何重にもチェックしたんで数字としては間違ってないはずです。
自分:私が大体で計算して想定していたのもだいたいそれくらいだったので、数字に関しては信用させて頂きます。それでわざわざ数字を計算してきたということは、その数字が本来支払うべきであった賃金であると認識しているということですか?
G氏:とりあえずあなたの言う通りに計算したらこの数字になるということです。
自分:それでそのお金を支払うつもりはあるんですか?
G氏:それはあなたの出方次第です。
自分:あ?出方次第とはどういう意味ですか?
G氏:無用な混乱を避けるために他の人には口外しないと誓約して頂けるなら、問い合わせに対する解決金としてお支払いします。今後もし他の人に同じように払えと言われても払いませんけどね。それで良ければ誓約書に署名してください。
自分:(誓約書を確認して)わかりました。これで同意して署名します。まあ私とあなた方との間でどう誓約を交わそうが、他の人の請求権に対してはなんの効力もないですけどね。

その後、誓約書に署名。
後日、31127円が振り込まれる。
(過去には勤怠管理が15分単位であったこと、着替え時間に関する違法な指導に長年従っていたことなどを考慮すると、この会社で勤務した10数年でのトータルの未払い賃金は数十万円〜100万円前後にのぼることが推測されるが、その大半は時効によって請求権が消滅しているので、実際に取り返せたのは全体のほんの一部にしか過ぎない。ちなみにこのやりとりがあった当時の未払い賃金請求の消滅時効は2年だったので、会社が過去3年分の金額を提示してきたのも法的な知識不足だと思われる。)


2021年11月〜
店長たちの指導や会社の勤怠管理が違法であること、それらによって発生した未払い賃金を会社に請求する権利があることを、周りの従業員に広めていく活動を開始。
(会社の違法行為を周知する行為は公益通報者保護の対象であり、会社との守秘義務に関する合意に拘束される謂れはないと判断)

しかし会社からあからさまな嫌がらせを受け始めたので、周りにも被害が及ぶことを懸念して周知活動を一旦中止し、嫌がらせへの対処に全霊を注ぐことに。
(詳細は別記)

2022年12月
勤怠管理が5分単位から1分単位に変更されたことを確認。会社からの告知などは無く、給与明細の記載から判断。
(監督署から指導を受けた?)

11月までは出勤時間の合計が5分単位。
12月から1分単位に。


2023年4月
会社からの嫌がらせについて、約一年半にわたる係争の末に、労働局の仲裁のもとで会社との和解が成立。
解決金として10万円を受け取る代わりに自主退職。


以後
この記事を作成することによって周知活動を再開。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?