臍の緒

彼に彼女ができたらしい。
そしてその彼女は私と真逆の背が小さくて、髪が長くて、ちょっとギャルっぽい感じで、彼を君付けで呼ぶ可愛らしい子、らしい。  

あぁ、なんだ。彼は私の全てが嫌だったんだなって改めて思う。

私は新しい誰かと会うたびに、
彼の面影を探してしまっていた。
けど彼は私の要素が何ひとつない女の子を好きになった。

この3年間何だったんだろうと、ふと考えてしまってた。
この3年はいい時間だった。幸せだった。だから、この時間はきっといい未来につながってくって。
願わくば向こうにとっても。

けど、彼は私が本当に嫌だったんだな。
無意識だとしても何一つ私と一緒じゃない子を選んだということは、全く違う未来を進みたかったんだ。
きっと別れることを決めたずっと前から。

別れたんだから当たり前なんだけれど。

結婚していく友人たちが本当に羨ましい。
結婚に憧れる、というより、
築いた関係を時間を壊さずに済むことが忘れなくて済むことが、本当に羨ましい。

きっとまた強くなってく。
悲しいことがあっても上手く泣けずに、苦笑いすることが増えて、
しっかりしてるね。たくましいねって言われることがきっともっと増える。
弱くしてくれたのは彼だったけど、彼はきっと強く見える弱い子じゃなくて、
弱く見える強い子が良かったんだろう。

もしまた彼に会ってしまったら、弱いところは見せたくない。
強い自分でいよう。

けど、また誰かの前で弱くなりたい。
その人が弱ってたら、私は強くなりたい。

けど、今日はうんと泣こう。
ちゃんと今日は私が私を弱くしてあげる。

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