推しの裁判オフ会のため、レンタル女子大生とヒッチハイクをした話➀
今年の3月に大学を卒業し、4月から住み込みバイトを始めるはずだったが、色々な手違いが重なりしばらくの間住所不定無職になってしまった。
せっかくできた空白の時間を充実させるべく、ヒッチハイクで推しに会いに行ってきたので体験を記録したい。
アヤワスカ茶会裁判
2020年3月3日、青井硝子(あおいがらす)を名乗る男性が麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で逮捕された。
自作した幻覚剤入りのお茶をハーブティーと称して販売していた彼は、お茶には鬱の治療効果があり、自身の行為は苦しむ人々を救うための宗教行為であるとして無罪を主張した。
改造した軽トラで各地を放浪していた彼は、旅の途中、「雑草をタバコにして吸う」という遊びを発見する。
そこら辺に生えている雑草を乾燥させて吸い、便秘が治る草、肌が綺麗になる草、気分が高揚する草……など雑草の様々な薬効を発見し、それらをまとめた本を出版した。
雑草って吸えるの??酔えるの??
ていうか草で酔うのって合法なの???
この本を読み、自然の神秘にすっかり魅了されてしまった私は、作者である青井硝子さんを「推し」として追いかけるようになった。
公判の日程が決まってからというもの、とても楽しみにしていたのだが、住所不定無職であるためお金が無い。
京都までの夜行バス代を捻出できるかすら微妙なところだった。
もはやヒッチハイクしかないのかと思い、Twitterで呟いたところ、フォロワーのひとりから反応が来た。
彼女は趣味垢のフォロワーで、彼女の主催するバーで一度だけ会ったことがある人だ。
バーテンダーやコスプレイヤーやwebマーケターなどなど、色々なことをやっている多才で面白い人なのだが、そんな彼女が最近レンタルinfpというサービスを始めたらしい。
https://twitter.com/rentalinfp?s=20
初ヒッチハイクがひとりはさすがに不安だし、なにより「レンタル女子大生とヒッチハイク」って、めちゃくちゃ面白くない??
そう思った私は、彼女にヒッチハイクの同行を依頼をすることにした。
そんなこんなで異常にサクサク話が進み、この2日後にはふたりでヒッチハイクをすることになった。
ヒッチハイクスタート
ヒッチハイクのやり方が分からなかったので、とりあえず「ヒッチハイクの聖地」と呼ばれる用賀のマックへ向かう。
レンタルした彼女と待ち合わせし、マックで腹ごしらえしながらヒッチハイクのボードを書くことに。
なるべく太く行き先の地名を書き、マックから少し進んだローソンでボードを掲げること十数分。
あれ……誰も止まってくれないぞ……??
みんなちらちら見てはくれるものの、誰一人として止まってくれない。
やはりそう簡単には乗せてくれないのか……。
初めて経験するヒッチハイクの過酷さを感じていると、ローソンにいた女性に声をかけられた。
「あの~、下道で行くんだったら海老名は反対車線ですよ」
それもそのはずである。
私達は反対車線で必死にボードを掲げてたのだ。
場所を移動しようとした矢先に、コンビニに駐車していた男性に声をかけられた。
「さっきから見てたんですけど、海老名まで向かわれるんですか?」
「はい!」
「下道で良ければ乗せていきますよ」
こうして一人目のドライバーさんを見つけることに成功した。
車に乗せてもらい、一時間ほど揺られたのち海老名サービスエリアに到着。
思ったよりも順調な滑り出しにふたりでガッツポーズをする。
その後、海老名SAで屋台の間をボードを掲げながら練り歩いていると、30~40代くらいの男女二人組に声をかけられた。
「静岡サービスエリアまでは行かないけど、御殿場アウトレットまでなら乗せてくよ」
スナックのママとそのお客さんだというふたりに乗せてもらい、御殿場アウトレットへ。
アウトレットでひたすら看板を掲げるものの、日曜日の御殿場には家族連れorカップルしかおらず、誰も乗せてくれない。
何十人に無視され、さすがにメンタルに来るものがある。
カップルの行き交う通路をとぼとぼ歩いていると、なんとさっき乗せてくれた2人組と再会し、他に誰もいないならとさらに次の目的地まで同乗させてもらうことに。
ありがたい……!!
次のSAでまた別の方に乗せてもらい、御殿場アウトレット→牧之原SA→浜名湖SAへ。
この時点で時刻は19時。
なんとまだ静岡から出られていない。
しかも、夜が更けるにつれて車通りは減り、ボードの文字も見づらくなってくる。
この調子で今日中に京都まで辿り着けるのか??
少しでもペースを上げるため、サービスエリアに止まっている車に片っ端から声をかけることにした。
「すみません、名古屋まで行かれますか?」
「行きますけど……」
「私たちヒッチハイクで京都まで向かってて、もし良ければ乗せてくれませんか?」
「いやぁ、車汚いんでちょっと……」
「全然大丈夫です!!」
私たちがあまりにも必死だったためか、あるいは女ふたりだったのが良かったのか、2台に1台というかなり良いペースで乗せてもらうことに成功した。
刈谷インターチェンジを経て、ついに……
京都ナンバーの車を発見し、京都まで乗せてもらえることに!!
この時点でかなり終電ギリギリだったのだが、運のいいことに、泊まる宿と乗せてくれたお兄さんの家がかなり近所で、最寄りのコンビニまで送っていただくことになった。
ちなみにこのお兄さんがかなり面白い人で、鬱病と引きこもりを経験し、今は整体師をやりながら脳外科医を目指しているらしい。
精神の話や仏教の話など、興味深い話をたくさん聞かせていただいた。
そして、車に揺られること3時間近く……
合計12時間、車6台を乗り継ぐヒッチハイクを終え、無事京都に到着!!
人って、お金が無くても度胸と図々しさがあれば生きていけるんだ……と、かなり自分に自信がついた一日になった。
一緒にヒッチハイクをしてくれたマクラスキーさん、乗せてくれたみなさん、本当にありがとうございました!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?