私は生きている
眠れない夜にも、もう慣れた。
自ら死を選択する光景が、今でもよく頭に浮かぶ。
何百回と浮かんでは打ち消してきた結果、私が自死を選択することは一度もなかった。
生きている。
「死を選択しなかった」というのは、私にとって自信になるようだ。
朝日が見られるかと思って、おにぎりと緑茶を手にベランダへ出た。
空一面曇っていて太陽は見えなかったけれど、着実に明るくなっていくのを感じることが出来た。
大きなトラックが走っていて、ふたり並んでサイクリングしている人たちがいて、鳥がさえずっている。
思うままに歩いてみよう。