ダウンヒルMTBと話の聴き方の共通点
こんにちは&はじめまして ななるです。
冬場はスキー場になる場所で、マウンテンバイクでダウンヒルをしました。
雪に覆われたスキー場は、斜面30度をスラロームで降りてきます。
山の地肌がむき出しの夏場は、スラロームのように蛇行したルートを降りてきます。
標高差は約6-700メートルでしょうか。
時間にして約3時間。
砂利道と砂が交雑する道のりを、時速20-30キロでくだります。カーブは時に30度のヘアピンになるし、40度台は普通。S字コーナーの連続に、時折ヘアピンカーブが混ざります。
鈴鹿のサーキットが山の斜面に貼り付いたイメージでしょうか。
一番簡単なグリーンコースでもバンクはあるし、スノボパークみたいなジャンプもあったり、まあなかなかエグいです。
まず自分の体格にあったマウンテンバイクを、選ぶことから始まります。ここは簡単。単純に身長と股下の長さです。(酷だなー)
身体に合う自転車を選んだら、次は基本。
1)マウンテンバイクの操作を知ること。
2)コースにあわせた乗り方を知ること。
3)自分が進む先を見ること。
ダウンヒルの基本は、この3つです。
細かいテクニックはもちろんあります。
ですが、あとは慣れ。練習です。
だからひたすら山を登って、斜面をくだる体力と精神力勝負に持ち込まれるわけですが…
実際、繰り返すうちに「考えすぎると、体力削がれる」と気づきはじめます。あとは心の問題。
話の聴き方をならった直後、「1日1分を毎日続ける」よういわれました。
一気に詰め込まず、少しずつ「できた」感覚を積み重ねるようにという意味だったのだけれど、ダウンヒルMTBも同じで、一気におりようとすると集中力が続かないし、基本がどこかに飛んでいきます。
かなりな勢いで、勝手な型が出来上がる。
ダウンヒルのわかりやすさは、基本を外れた瞬間に、痛い目に遭います。
コースオフしたり、落車で地面に叩きつけられる。
コースをおりるときに見つめる先は、少し先。
コーナーの出口だったり、次のコーナーの入り口だったり、ほんの一歩先を見ながら、バイクを添わせます。
予測するのとも、準備するのとも、若干違います。
何故なら、操作はしないから。
マウンテンバイクは、タイヤはでしょうか、勝手にコースを走るので、バイクの意思を読む感じです。
慣れてくると、こうしたい、ああしたいと、欲求が出てくる訳ですが、欲求を優先して余計な茶々を入れると、身体が吹っ飛ばされます。
つまり落車とコースオフ。
過去に落車していると、似たような場所が出てきた瞬間、無意識に身体がすくみます。
話の聴き方の練習でも、「いらん欲求」が出てきます。少なくとも私は。「聴く」に徹して相手の感情の波に寄り添うと決めているにも関わらず、添いきれない時もあります。
身体がすくむというよりか、感情がすくむイメージです。見えない何かに、引き戻されるイメージとでもいうのか。
コースを走っておりながら、自分はコントロールしているつもりはないのに、ぶっ飛ばされる。山はおりないと仕方がないので、帰らないとね、体制を立て直して再びマウンテンバイクに跨ります。
これを繰り返しているうちに、なんとなくこなせるようになる「気がする」。さっきは曲がれなかったカーブが曲がれたり、ジャンプが飛べたり。翌日には、飛べたはずのジャンプが飛べなかったり。
繰り返しながら、ふと。
ダウンヒルのコースはお話をするひとで、バイクは私だなあと感じました。
腹の底がしっかりしていないと、聴ききれない。
身体が整っていないと、聴ききれない。
口を挟みたくなるのは、己の欲求を満たしたい自分を抑えられないからであって、抑えられないのは体力が、肝が据わってないからじゃないかと。
身体をつかってアイデアを得ることも、あるんだなあ。