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書くことは、思い出からの卒業。

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#本

べっこう飴の色うつり

「子どもができたんだ。」 小説が好きな彼女の口から紡がれた言葉だったから、私は一瞬小説に出てくるヒロインの親友Aになった気分でいた。深呼吸をして現実に戻ると、彼女は変わらない顔で続けた。 「おろすの、間に合うって言われた。でも、産もうと思うの。」 命が宿ったことを知ったとき、それ以外の選択肢はなかったらしい。キラキラしているのにどこか据わっている目の奥には、いつもに増して彼女の強い意志がみえた。 そっか、よかったね。いいと思う、おめでとう。 私たちの会話にネガティブ