シェア
ひさしぶり、元気ですか。寒くて暑いところに引っ越してきて、もう一年が経ちます。斜め前には和菓子屋があって、朝と夕方には「ひかり号」という幼稚園バスがマンションの前に止まる。ベランダに出ると、朝8時半には幼稚園へ出かける子どもが、わたしに手をふる。行ってらっしゃい、行ってきます。無言の伝言が飛び交う暮らしは、あまりにも日常的で、でも昔見た映画のよう。 ずっと続くのは退屈、でも悪くない、とも思う。 遠く離れた土地できみの活躍を(勝手に)見守ることはさみしくて、すこし羨ましくて。