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【映画紹介】 魔界転生 愛すべき、トンデモ

大掛かりなトンデモB級映画でした。B級だけど、俳優陣は超A級。

山田風太郎原作、オカルト・忍法・時空間旅行・侍・転生・ムービー!

いろいろ入ったモツ鍋を闇鍋で食べる、みたいな映画でした。お腹いっぱいです。


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登場人物たちは歴史の授業で習うような、有名人ばかり。

天草四郎時貞に宮本武蔵、伊賀と甲賀の忍者対決などなど。豪華。


ギュギュっとストーリーを凝縮すると、島原の乱で弾圧されたキリスタンの天草四郎時貞が魔界の力によって転生!時空を超えて日本各地で無念の死を遂げた強者たちを転生させていき、徒党を組んで徳川幕府転覆を企てる物語です。


特に印象的だったのは、厳しい修行に励んできたという、僧侶兼武道家の宝蔵院胤舜(ほうぞういんいんしゅん)。これほどまでに修行を積んでなお肉欲を捨て切れない己を悔いて自害するものの、死にゆく間際に絶世の美女・細川ガラシャを目にし、「やっぱり抱いてくれ〜」と懇願しながら息をひきとるところを天草四郎時貞に見染められ、転生!生き返って真っ先に行ったのが、美人くノ一を捕まえ彼女の乳首を噛み切ること。結構衝撃でした。

禁欲って本当に身体に良くないです。



正直長くて疲れちゃったけれど、でも80年代には大スター沢田研二をつかってこんな大胆な映画を撮ることができたという歴史的遺産として、いまの時代にこそ、観ておいて損はないでしょう。

やたらと女性の胸が露わになるシーンが多いのもご愛嬌。

おおらかなな時代だったんですねえ。


もしもこの映画がお気に召したらなら、タランティーノ監督絶賛の『修羅雪姫』もお口に合うはず。

母の無念を晴らすため、梶芽衣子演じる雪が復讐に人生を賭ける物語です。


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女性の復讐ものといえば、インド映画の超大作『地獄曼荼羅 アシュラ』もおすすめ。

ストーカーに人生を狂わされた女性が、復讐の限りを尽くす痛快な物語。



失神者続出は眉唾ですが、インドでは上映禁止になることもあったそう。主演の超絶美女・マードゥリー・ディークシトはインドの女優さんの中ではじめて男優さんより高額のギャラを得たという歴史的な方なんです。怒り狂っている姿さえも美しい!

インド映画好きには、あのシャー・ルク・カーンがサイコパスストーカーを演じているというだけでも衝撃的なはず。甘〜い役の多いシャー・ルクですが、サイコパス役が案外いい!

この映画は中途半端じゃなくて、主役の女性がどこまでも蔑まされ落ちていくのですが、反撃を始めるや一転、やり切るまで容赦なく残虐な復讐を続けるところが生ぬるくなくて好きです。



『魔界転生』と『修羅雪姫』はamazonでレンタルできます。アマゾン、意外に品揃いがよく、1本観るとまた次の1本に繋がっていく愉しみが止まらない。昔TSUTAYAのレンタルビデオコーナーで何時間も過ごしていた、あのころのワクワク感が蘇ります。ロックダウンだけど国境を越えていろんな映画をおうちで観ることができる。なんとも便利な時代になったものです。便利すぎてちょっと寂しいけれど。


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