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小さなアウトプットを繰り返す

アウトプットというのは良い。
人に見せるからこそ、半端なものは出せないとプレッシャーがかかり、緊張感を持って、思考を整理できる。

しかし、何でもかんでもアウトプットすればいいというものでもない。
ダラダラ喋っても、書いても仕方がないのだ。
それは整理になっていないから。
(膨大な量をトークすることによってまずまとめるという手法はあるが、ここでは一旦置いておく)
精査し、主張を尖らせることで見えてくるものがある。

最近、アウトプットの機会が増えている。

主だっては、北海道の藤原友和先生や群馬の松島博昭先生の学習会に複数回参加させていただいた。

どちらも全く異なる立場の方で、学習会を立ち上げるベテランであるが、共通していることがあった。それは、以下である。

①発表時間が5分以内と短い
②スライド内容の主張がシンプルである(複数でない)
③発表できる場が複数回ある

①発表時間が5分以内と短い
5分は発表としてかなり短い。
内容がまとまっていないと一瞬で終わってしまう。
一定の制限があるからこそ、発信がまとまる。
発信をまとめるためには以下の作業を行った。

・発表内容の選定
・主として発信したいテーマの決定
・スライドの作成(聞き手が思考を働かすことができる発表の工夫)
・発信を裏付けるエビデンスの検索(書籍、論文、インターネットなど)
・無駄を排除した喋り方の工夫

こうした発信をまとめる作業の中で、自分の思考が整理される。
また、伝えるために自分の内的知識を準備する。喋りはしないが、知識として知っておくことで発表に深みが出る。

②スライド内容の主張がシンプルである(複数でない)
スライド作成の際、あれもこれも入れると訳がわからない発表になる。せっかく内容はよくても伝わらなければ意味がない。
こうして、事実に対して柱となるものを探し、決定することで、事実を抽象化することができる。
抽象化すると、一つの事実が他の行動に転移させやすくなる。
削ることのイメージはえんぴつを尖らせていくことに近い。
一点に集中することでくっきりはっきりしてくる。

③発表できる場が複数回ある
発表できる回数というのは期間を空けて発表できる回数のことだ。
1回の発表では基本的に削って尖らせてまとめている。
だからこそ、多角的な視野も削られている。
だからこそ、複数回発表があると、さまざまな視点をアウトプットできる。

また、発表の場があることで強制力が働く。
松島先生の学習会では、1ヶ月間毎週日曜日に学級経営に関するアウトプットを行った。
毎週であるので、発表を作ることはなかなか難しい。(パスしても問題はないのだが)
こうして、発表の場が強制的にやってくることでまとめざるをえなくなる。
私のような怠惰な人間は、環境をそうせざるをえなくするしかない。

実際やってみて、毎週アウトプットというのが、不可能ではないことがよくわかった。毎週5分以内の実践報告というのはむしろちょうどいい刺激だ。

「インプットとアウトプットの黄金比率は3:7」とは、精神科医の樺沢紫苑氏の言葉だが、アウトすることで自分自身の思考が研ぎ澄まされていることがわかる。
また、アウトするためにインプットについて考えているのも事実だ。
アウトが増えるからこそ、インも増える。

大きなアウトプットをまとめてドンではなく、小さなアウトプットを何度も繰り返す。

これが最近、痛感している学びの重要なサイクルである。

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