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何倍にも増幅してほめることができる方法

私が三日三晩、オムライスのことを考えたとします。
もう私の頭の中はオムライスでいっぱいです。
ふわふわの黄色い卵と甘い香りのケチャップ。中には、溢れんばかりのチキンライス。
その状態でレストランに行き、「オムライス!」という強烈な念波を発しながら、店員
に次のように勢いよく注文しました。

「カツカレーください!!」

さて、私の目の前には何の料理が出てくるでしょうか。
おわかりですね。
そうです。「カツカレー」です。
どんなに強く「オムライス」と思っても、口にしたのが「カツカレー」では 10000 回
頼んでも「カツカレー」が来ます。
何が言いたいかというと、思考よりも言葉の方が強いということです。

「言葉は現実化する」永松茂久

これは、ベストセラー「人は話し方が9割」を書いた永松茂久さんの著書「言葉は現実化する」にある言葉です。

人は言葉を介してコミュニケーションをとります。
思考はあくまで思考であり、それは言葉にして伝えねば伝わりません。圧倒的に言葉が強い。

教室ではたくさんの言葉が伝えられます。
そこには指導もあればコミュニケーションもあります。この言葉を精査して子ども達に伝える仕事こそが教師の仕事です。

あなたの思考はどのくらい言葉に置き換わっているでしょうか。
そして、その言葉はどのくらい子ども達に伝わっているでしょうか。

そこで活躍してくれるのが学級通信です。

学級通信は言葉で書きます。
ここに掲載するのは、連絡事項やスケジュールなどの事務的なものもあります。
そうした、事務的な使い方の重要性も認めた上で、もっと活用できます。

例えば、ゴミを拾っている子を見つけたとき、どうやってその価値をクラスに伝えますか。

口頭でほめることもあるでしょう。
本人の目の前で声をかけたり、クラスの前で紹介したりするかと思います。

そこに追加して、次の日の学級通信で改めてその行動と価値を紙面にして伝える。
そうすると、時間をあけて二度褒められ、他の子達も「ゴミをひろう」という行為の価値を二度感じられます。
そして、その学級通信はお家に持ち帰られて、保護者の人の目につきます。
クラスの教育観は、家庭まで届くことになります。
もちろん、ここでの文面は、その場で褒めた時よりも整理され伝わりやすい言葉として、ムダを省かれ、理屈が通りやすい文章となっているはずです。その場で話しきれなかった話を盛り込むこともできます。

たった一つの褒めの効果を、何倍にも増幅してくれるツールが学級通信です。
実際の事例を紹介します。

これは4月に発行した通信です。
学級では、こうした、学力とは異なる生活力、人間力を鍛える場面がよくあります。
しかしそれはどこで鍛えるのでしょうか。
どうやって子ども達の行動を強化していくのでしょうか。

こうした埋もれがちな価値を見出せるのが学級通信というツールなのでは無いかと思うのです。
教師が大切だと思っている価値観も言葉にせねば伝わりません。
私は学級通信を書いたら毎回子ども達に渡してから読み上げています。
学級通信は、子ども達に語るための台本でもあるのです。
学級通信を使えば、イラストや写真や文を使って子どもに語りかけるために使うことができます。
その延長で保護者にも情報を届けることができます。

あなたの学級の魅力や価値を、学級通信を発行することで何倍にもすることができます。
学級経営をよりよくしていくために、これほど魅力的で簡単なツールを私は他に知りません。

昨日褒めたことを、通信にまとめて、発行する。
そんなに難しいことではありません。
ぜひ、一度やってみてください。
子ども達に響く感覚が得られるはずです。

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