笑あり、笑あり、のサンクスギビング
「サンクスギビングやります!」
11月半ば、アメリカ人の友人からテキストメッセージが届いた。
サンクスギビングのお知らせだった。
サンクスギビング、名前こそ知っているけど、どんな日なのか知らなかったが、面白そうなので「いく」と二つ返事した。
行く!
と言った後に、なんだか無性に行きたくなくなった。
というのも、私は英語に自信がない。
おそらく参加する人たちはアメリカ人、イギリス人、
その他誰が来るのか知らないが公用語は絶対に英語になる。
(たまーにスペイン語)
全くできないわけではないけど、わからないことがよくあるので、
逃げ出したくなってきたのだ。笑
いや、待て。ななよ、このままでは一生友達なんてできない。
あなたはスペインに来た時に、「面倒くさい」とかを理由に誘いを断らないと決めたじゃないか。
仕事や他の予定がないのに断るなよ。
正論すぎるもう1人の自分が、サンクスギビングを迎える日までずっと声をかけ続けたおかげで、
なんとか友人らに「あ、ごめん、仕事で行けんわ」という断りのメッセージを入れずにいることができた。
私の友人の伝統なのか、本当の伝統なのかわからないが、
サンクスギビングの最後にはプレゼント交換をするとメッセージに記されていた。
会の前日には黒トリュフオリーブオイルを購入し、持参することにした。
さあ、プレゼントまで購入したんだ。 もう覚悟は決まったぞ。
一歩一歩、力強く大地を踏み締めて、成城石井を後にした。
なんでもいいから早く来いぃぃぃ!!
迎えた当日。
私は集合時間でも家にいた。
やっぱり気が重くなっていたのだ笑
しかも言い訳がましいが、本当に仕事が終わらなかった。
(ほんとなの!)
集合時間から40分後になんとか仕事は終えることができた。
でもちょっとYouTubeを開いてみたら、博多華丸の漫才が面白くて
そのまま30分が溶けてしまった。
「WHERE ARE YOU AT?!」
お怒りメッセージが送り付けられるのは、時間の問題だった。
遅刻してもいいからCOME!とのことだったので、
なんだかもうどうでもいいから急いで行こうと化粧もせずに飛び出した。
集合時間から遅れること2時間半。笑
私はサンクスギビングが行われる部屋に到着した。
もうこの時には急いで行くことばかり頭にあって、英語大丈夫かな〜なんて悠長なことを思ってる場合じゃなかった。
部屋の奥のソファに誘ってくれたアメリカ人の友人、いつものカメルーン女子、インド男子がくつろいでいた。
それから初対面のフランス人女子、おそらくイギリス人男子と、ロンドン郊外在住のおじいちゃんがいた。
ロンドンのおじいちゃんは前歯がないので風通しの良さそうな歯並びをしていた。
他にもロシア人カップルがいたらしいのだけど、先にべろべろになって帰ったらしい。
しばし歓談。
みんなある程度お酒も入っていたし、
なんだか雰囲気も良かった
私は、遅刻してきたくせに
誰かが作ってくれたチーズマカロニ、チキン、マッシュポテトを
口いっぱいに入れた。
少し安堵し始めた頃に、プレゼント交換をすることになった。
アメリカ人女子が音頭を取って、
みんながプレゼントをテーブルの上に置き始めた。
プレゼント交換のルールが少し斬新なのが面白かった。
イギリススタイル、らしいのだが英語なので一生懸命耳を開いて聞いた。
おそらくルールはこうだ。
①番号を引く。
(人数分の数字1~7が書かれた紙を引いて、順番を決める)
②順番ごとにテーブルの上にあるプレゼントを引く
③2番以降の人は、その直前の人が取ったプレゼントを奪うか、テーブルの上のプレゼントを引くか決める。
人のプレゼントを奪えるのは1人2回まで。
ということだった。
なので1番最初に引いたアメリカ人がゲットしたジュラシックパークのマグカップは、3番目、5番目の人を経て、おそらくイギリス人と推定されるメンズのもとに渡るなど、意外と面白かった。
ちなみに一番人気のプレゼントはフェレロ・ロシェのチョコレート。
インド人青年のチョイスで、センスあるなーと思った。
イギリス爺さんが最終的にゲットしたが、これも数人が奪おうとしていたと思う。
私はスペイン語の絵本だった。
なんだか可愛らしいプレゼントで結構気に入っている。
会も終盤となり、というか私は終盤に行ったのでプレゼント交換してすぐに、みんな感謝の言葉を述べるクライマックスが始まった。
それぞれが、出会い、そして人との繋がりへの感謝を述べていた。
美味しいものを食べて、こうしてみんなと過ごせることは本当に幸せなことだなとしみじみ感じた。
フランス人の女性は同僚の推定イギリス人に直接名指しで感謝するなど、
関係性がうかがえて、それも良かった。
年に一度、こうして感謝を友達同士で伝え合うのは素敵だな、と心が洗われた。
ガールズトークは世界共通
こうして会は一旦終了。
推定イギリス人は夜の仕事に備えて就寝、
フランス人女子は仕事があるそうで早めに家を出た。
残された私たちは後片付けを始めた。
皿を洗いながら心がほっこりしていたら、
ふと、アメリカ人女子とカメルーン女子がキッチンで何か話しているではないか。
「なんの話をしているの?」
とちょっと聞いてみると、さっき仕事に出かけたフランス人の性格難ありという話で大盛り上がり。笑
なんでも、アメリカ人と同じ職場で働いていて、
たまに怒鳴ったり、不適切な発言をしたり、ステレオタイプ強めの考え方持っていたり、悩みの種なのだとか。
そんなフレンチちゃんに嫌気がさしてる同僚も多いらしい。
サンクスギビングにはもう1人同僚が参加していたのだけど
その人も好きじゃないし、
なんならフレンチちゃんもその人のこと大っ嫌いらしい。笑
「え!さっき感謝の言葉言ってたやん?!」
って私思わず言ったら、2人大爆笑😂
なんてギスギスした会だったンダ・・・・。
てか、ほっこりした私の気持ち返して!笑
そんなこんなで、フレンチちゃんの解雇の話もちらついているそう。
かつ、解雇するのは、彼女を雇用したアメリカ女子。
言葉で言うほど簡単な決断ではないから、すごく悩んでいました。
その仕事だけしかしていないので、フランスに帰らせることになるかもしれない。
全てが全て、悪いわけじゃないし、
多少(本当にちょっと)はいいところだってあるし・・・・と。
するとカメルーン女子が、
「フランス近いし、すぐ帰れるよ」とか言い出して
もうほんとに、アンタって人は!!ってみんなでまた笑い合い。笑
明らかにみんなが思ってる「解雇がベター」と言う決断を
アメリカ女子がしやすいように2人でサポート。
会話はこんなところでおしまい。
終始、一生懸命声小さめで話して、
少し離れたリビングにいるインド人たちに聞かれないようにしてたから
なおさら面白かった笑
そんなこんなでお時間になったので本当にお開きに!
フレンチちゃんには
年末までに伝えないと手続き上いけないらしいけど
はて、どうなったのかな。
思ったのとは一味違うサンクスギビングでしたが、
行ってよかったな〜