性的マイノリティ同士の恋愛について。

新しい恋人ができた。

この恋人は肉体的には男性だが、恋愛遍歴の面では男女問わず恋をしてきた人だ。どちらかというと受け身になるのが好きなほうで、思春期の頃は同級生の男の子をゲイに目覚めさせたりなどしていたそうだ。

その人とたわいない話をしていたら、向こうのほうからこちらに対して欲望を持たれ、特別な関係になった。

私はバイセクシュアルを自認している。といってもジェンダー界隈や性的少数者の権利などを主張するわけでもなく、ただ普通の人の日常を送っている。特に何かセクシュアルマイノリティとしての表現や活動をしているわけではない。
私にとって男女両方を愛せることは普通のことだ。そして異性愛者が異性ならだれでも恋愛・性的対象として相手を見ることが可能ではないように、私も男や女ならだれでも愛せるわけではない。

一般的な異性愛者と同じように、好みの顔や体格、性格等のタイプがあり、その中にたまたま男女という制限がないだけの話だ。
身もふたもない言い方をすれば、異性は異性でエロいし、同性は同性でエロい。それだけの話。
特に同性に対して交際を迫ったこともないのでヘテロセクシュアルの方々に不快な思いをさせることもないだろうと思う。

思春期の時に女性を好きになることがあり、夢の中で同性の友人といたしていたこともあった。その影響か女子の集団に属したり仲間扱いされることがとても苦手だ。
同性相手の恋心は報われない恋である可能性が高いからだ。もう余計な傷付きと葛藤を抱えたくないから同性との親密な友人関係には疲れている。どうせ世の中の大多数の人々はヘテロセクシュアルな恋愛傾向を持っているので、わざわざこちらが不要な感情を抱いて相手を不快にさせる理由もない。
そして、ある程度人生経験を重ねると、「生殖の可能性のない性的交流」にもどかしさとむなしさを感じるようになった。
そのため、私は両性を愛することができるという自覚がありながらも、同性とパートナーになることはないだろうし、今回恋人関係になった相手が肉体的には異性であるのは良いことだと思う。

私は女性の体をもって生まれているため、「女の人にとって興味のない異性は視界に入らないこと」はとてもよくわかる。私だって魅力を感じない人を視界に入れたくない。
女はハイスぺイケメンに群がるものだと思っている。なぜなら優秀な遺伝子を次世代に残したいから。

そんな女子たちの遺伝子継承競争を同性愛によって邪魔するつもりはない。そんなものは恋愛市場においてノイズに近いからだ。
科学技術の発展によって精子から卵子を、また卵子から精子を培養できるようになるまでは異性と交際するほうがよいだろうと思う。
生物系の人たちに細胞培養等で何とかならないのか尋ねてみたい。

(性的マイノリティはヘテロの人々にとって異様に映るかもしれないけれど、私からするとヘテロの人の「異性しか愛せない」という特性を押し付けられるほうが迷惑に感じる。特に性的志向なんてよほど相手と親しくなければ共有することはないので、お互い踏み込まなければいいと思う。人が何に欲情しようとその人の勝手だ。特に日常で人をいやらしい目で見たりすることもないので、放っておいてほしいと思う。)

たぶん自分は精神的にタチなので、ネコ気質の恋人ができてよかったと思う。情緒的な人なのも良い。仲良くしたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?