スーパーマスマーケティングレディ

最近得意先の電器屋さんに、とんでもないマーケターが入社しました。

その人は、20代女性で、家電の世界にはこれまで全く縁の無かった人なのですが、なんと!入社してたったの1ヶ月で、冷蔵庫の注文を7台も取ってきました!!

いったい何が起こっているのか気になって、先日彼女に会いに行ってきました。

そこで分かったのは、彼女は、全ての業務を、素直に、全てやっているということでした。

文字通り“全て”です。

例えば、○○町のエリアにチラシを撒いてきてと言われると、その町にある住宅を一軒ずつ、全てしらみつぶしに回ってはチラシを配っているのだそうです。

また、あるときは、家電を購入いただいて3年目、5年目、7年目になるお客様に商品バースデーハガキ(購入されて○年になりますが、その後問題なく動いていますでしょうか?というお客様との接点を持つためのハガキ)を出しておいてと言われ、金額や物の大小に関わらず、全てのお客様にそれをやったそうです。
極端な話し、それが懐中電灯1本のお客様であっても、徹底してやっているそうです。

最初に書いた冷蔵庫の件は、このバースデーハガキと一緒に冷蔵庫のチラシを付けて配った結果でした。

私は、彼女がやってることは、まるでCMのようだなと思いました。

通常、個人の商店や個人経営の販売店の場合、ある程度見込みのあるお客様に的を絞ってアタックする『ダイレクトマーケティング』が主流なのですが、彼女がやっていることはその真逆のマスマーケティングです。

大量生産大量消費の時代は、多くの顧客にアプローチし、大量に回収するマスマーケティングが主流でしたが、バブル崩壊やリーマンショック以降は、逆にダイレクトマーケティングが主流になっていました。

特に、SNSが普及し、個人が情報発信するのが当たり前の時代になってからは、ダイレクトマーケティングがより重要視されるようになりました。

ところが、今の時代でもマスマーケティングの成功事例は確実に存在します。

かつて、映画好きをターゲットにしたテーマパークだったUSJが、エンタメ全般に間口を広げて『逆走するジェットコースター』やハローキティやスーパーマリオ等の『キャラクタービジネス』を展開し、見事に復活した事例は、まさにその代表例だと言えるでしょう。

今回紹介した彼女の活動は、それのローカル版に近いものを感じます。

そんな彼女のことを、私は尊敬の念を込めて『スーパーマスマーケティングレディ』と呼ぶことにしました。

コロナ禍の2020年末に、彼女が見せてくれた強烈な光が、2021年を明るく照らしてくれることを期待しています。

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