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君は永遠にそいつらより若い 映画レビュー

君は永遠にそいつらより若い
もう10年近く読んでいる、自分にとって大切な一作が映画化され
東京国際映画祭でワールドプレミア上映となったので、今日は六本木まで足を運んで観てきました。

就職も決まり、大学卒業を控えた大学4年のホリガイと、偶然彼女に授業のノートを貸したイノギさんとの、大学最後の冬から春にかけての物語。

ホリガイさんは、自身が女の童貞であることや、言わなくてもいいことを言ってしまうしょうもない自分を持て余していて、そして身に抱える劣等感で図らずも俗悪な振る舞いをしてしまいがちな、有り体に言うとこじらせ女子。

偶然ノートを借りて知り合ったどこか影のあるイノギさんとホリガイは、大学生らしい行き当たりばったりにゆるく時間が流れる日々、終わりゆく大学生活のなかで、少しずつ心の距離を縮めていく。

この映画を通し穏やかに、でもたしかに感じるのは、日常のなかに紛れ訪れる、ありふれた絶望や孤独。
少々辛くても苦しくても、
人ってまあみんなこんなもんだろうって大抵のことは心の中に飲み込んでしまおうとするものだけど
自分の抱えていることに向き合ってくれる人がいる救いとか、ただもうその出会い自体に救われたり。
日常がなんとなく苦しい今の世界にそっと心にじんわりと光が灯るような作品でありました。

やっぱり原作を繰り返し読んでいるので、原作の方が好きだなと感じた部分もあったんだけど、イノギさんを演じた女優の奈緒さんの演技が素晴らしかった。
イノギさんに恋に落ちる瞬間を、スクリーンの前で私も追体験したような気持ちになった。
イノギさんとして、そこに生きて存在しているみたいだった。
彼女達が出会うところをスクリーンの中で見届けられて、なんだか嬉しかった。

と、いう日曜日でした。

もし、読んでみて、絵を見てみて、なんか面白いなぁ、とか、いいなぁと心に少しでも何か残ったら嬉しいです。 もし、もしサポート頂けたら、とてもとても嬉しいです…!