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勝手に1日1推し 180日目 「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃  ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」

「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃  ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」アーティゾン美術館   芸術

アーティゾン美術館ってブリヂストン美術館だったんだ?!いつの間にか名前も建物も場所も変わってたんか?!都立大が名称変更して首都大学東京だったって知った時くらいの衝撃(?)!!
めちゃくちゃモダンに生まれ変わってた~。首都高から見えてた年季の入ったビルも好きだったけどね・・・(←不鮮明な記憶)。ロッカーに100円いらないとか、ありがたや。両替で100円玉がじゃらじゃらしないの、本気でありがたや。

さて、山口晃さん。それこそモダンな日本画を描かれているっていう認識で、画集等で拝見したことはありましたが、実際の作品を見るのは初めてでございました。友達の猛プッシュにより会期(11/19(日)まで)ギリギリセーフで叶った鑑賞。いやー、楽しかったです!!!ありがとう、友よ。

さて、2020年東京パラリンピックのポスターが記憶に新しいですが、正に、本展のオープニングを飾ったのがそのポスター原画と、それと共に語られる都からの依頼~山口さんが受諾するまでのいきさつや様々な思考。受諾してからの作品作り、その思い。見応えありまくりでした!!
外野が相当騒がしかったですが、そんなの屁の足しにもなりません。ご本人=当事者による語りの何と誠実なことか。美術に対する真摯な思いと葛藤。

例えば、葛藤について。ポスターを自分が引き受けることにより起こり得る結果と自分が引き受けなかったことにより起こり得る結果、その思考をフローチャートに起こしているんですよ。で、色々考えてる。
コレ、中々できることじゃない。相当難しいですよね。思考の言語化。マジ、尊敬します!受けたら受けたでどう描くかで悩みますよ、そりゃあ。って、そのまま思考と感情の流れが続いております。
実体験からくる言葉の重みはニュートンが重力を発見したなみの価値の重さ(?)に匹敵します。5㎝の段差が越えられない車いす、毎日がパラリンピック。事故により腕を損傷、誰もがパラリンピックになり得る。ムムム。ほんと、それなぁ。
そもそも美術とは美しさの表現だけではなく、メッセージを伝える為の手段でもあると考えると、こんなに美術作品としても素晴らしいポスターないよってなりますよね!!それに、歴史を繋ぐ、知る、残す意味での美術としての役割も、日本画で、且つ、現代バージョンとして描いたんですから、ほんと「祭典だけで終わらせない」っていう思いがひしひしと感じられますよね!
お、調べたらネットでも公開されていた!ご興味のある方はぜひ、「当世壁の落書き 五輪パラ輪」をご覧下さいまし。

・・・・という具合に、山口さん自らの解説が他作品にも「すゞしろ日記」なるマンガ形式でなされております。いえーい!嬉しい。字も綺麗。うっとり。
こんなに丁寧に解説いただいて感激。ご存命(?)の作家さんっていいなあって思いました!!

中でも山口さんによるセザンヌの手引きは本気で興味深かった!!セザンヌ作品の見方が変わりました!
サンサシオン!フランス語で「感覚」って意味らしいんだけれど、サンサシオンで見るセザンヌ。

見ている対象ではなく、見ている感覚(サンサシオン)を前景化させるためにはモノを見せてはいけない。しかし存在は描かなければならない。

「おお、セザンヌ」より

だそうです。存在しないものの輪郭は描かないだったり、多視点でみるんじゃなくて、多視線で見て描いているんですって。
ぼーっと見て、字とか絵が3Dみたいに浮き出てくる立体視ってやつみたいに見続ける感じ、あのぼんやりした感じの積み重ねが多視線みたいです(と解釈しました)。
上手く説明出来ないですが、そういう感じで山口さんが解釈して描いたセザンヌリスペクツ作品「セザンヌの小径」と本家セザンヌ作の「サント=ヴィクワトール山とシャトー・ノワール」を見比べるのも面白かったです!
同じく雪舟についても全力で語られており、興味深かった~。

推しが推しを推す姿、尊いですね!!推しが推しを推す姿を推す我ら。愛しかない。

そんな大御所らの影響を受けた作品と共に、多視点どこいったよ!ってツッコみたくなるほど緻密な本来のスタイルの作品もあり、非常に楽しめました!「テイル オブ トーキョー」最高(トップ画像参照)。

あと、日頃めちゃくちゃお世話になっております頭痛薬「EVE」の箱での工作がめちゃくちゃきゅんでした(←古)。用なしとばかりに目もくれず捨てていた箱にこんなポテンシャルがあっただなんて・・・

かっけー!迷宮?ダンジョン?エッシャー?かっけー!

ででででデストラクション、じゃなくて、でもってので。
唐突ではありますが、締めに入ります。
友人のプッシュポイントの1つでもありましたが、私も推しておきたいので忘れる前に記します。鑑賞料が良心的なんですよ!1200円!!今時、映画サービスデーでもこの料金は叶わなかったりします。もってけドロボー。
しかーも、常設展示してある石橋財団のコレクションの数々も豪華過ぎて鳥肌ものなんです!ロダン、ゴッホ、ピカソ、藤島武二、岸田劉生・・・・巨匠の作品から新規所蔵の現代アートまで。好きだ。この度はジャム・セッション関連展示作品もありました。洛中洛外屏風、かっけー!
トーハクで開催中の「やまと絵」展行きたい!!んだけれど、ずーっとひるんで二の足を踏んでおります。だって広くて疲れるし、絶対混んでるんだもーん。どしよ、どしよー。
てか、日美での「やまと絵展」特集、私としたことがノーチェックだったし、しかも山口晃さんが出演していたみたいだし、噓でしょ。あぁ、見逃した~(涙)

最後になりましたが、サンサシオンの具現化!としまえんのお化け屋敷からヒントを得たというインスタレーション「汝、経験に依りて過つ」(斜めの部屋)がしょっぱなにあるんですが、警備員さんの声掛けをはるかに上回るめまい・頭痛を引き起こす恐れがありますのでお入りの際は十分ご注意下さいませ。私はしばしソファーに沈んでしまいました故、注意喚起。

ということで、推します。

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