勝手に1日1推し 195日目 「ハズビン・ホテルへようこそ」
「ハズビン・ホテルへようこそ」 アニメ
寒すぎる連休(厳密には連休じゃなかったんだけど)に一気見しちゃった!
さいっこーに面白かった!ブラックでアイロニックで。
アメリカのアニメはこれだから面白いよねえ。何だかんだ言って、自由を感じます。同じように自由を与えられていても、他ではこうはならないよなっていうね。エログロも振り切っちゃってて下品なところも魅力的なんだな。The カートゥーンでございます!!セックス・ドラッグ・ヴァイオレンス!
内容もさるとこながら、ぱっと見、ディズニーをおちょくってんの?!やばいよ、相手取られちゃうよ、って心配になるほど、ディズニーヒロイン的に、唐突に、虐殺について歌い出す地獄の王女チャーリーには笑っちゃった。ヒロインが意思表明するって、同じっちゃ同じなんだけど、内容が内容だよ。明らかに小ばかにしてない?って、しょっぱなからフルスロットルなアクの強さが最高でした。
そもそも、地獄で贖罪を天国で虐殺を推進してるって逆転ぶりって、どんなよ。あぁ、面白い!
立場に胡坐をかく天使のアダムがクズ過ぎてくそ。地獄の王女チャーリーはすごくいい子なのにぃ。
天国側は、とにかく人口過多で溢れかえる地獄を一掃するために大量虐殺を年1に行うんだけれど、それは正義な訳。悪い奴なんだし殺したっていいじゃんって。
地獄側(チャーリー)は、仲間を助けたいし、更生できるって信じているの。その可能性を天国側に訴えている訳。経営するハズビン・ホテルは、いわゆる更生施設ってことですね。で、贖罪による天国行きを提案しているんだけれど天国側は一切取り合わない。頭が固く強情で、寛容さの欠片もなく失敗を許さず断罪ばかり。
なんかこれって、まんま世界情勢に当てはまるじゃんって思っちゃう。カテゴライズされ、分断され、対話せず、決めつけ、争いに発展。あーあ、くそじゃん・・・。
ハズビン・ホテルの住人は、いわくつきのバックグラウンドを持っていたり、弱い立場だったりするんですよ。で、マイノリティはマイノリティの中で更に優劣がついたりしちゃったりして、そういうところも、現実と一緒っす。
ミュージカル調で明るくギャグっぽく描かれているけれど、内容はその実ヘビーです。特にミュージカルシーンがキツかったりするからエッジが効いています。
地獄が天国?天国が地獄?悪が善で善が悪で、正しくなくて正しいし、正しいけど正しくない。なんのこっちゃ。白か黒かじゃないんだよなあ。簡単じゃない。概念が揺らぎまくります。
善悪として私たちが常識的に道徳的に思い込んでいる固定概念をぶった切って、本質を見極めることが問われている気がします。
とか、色々書きましたが、キャラクターがデジタルタッチでデフォルメされた、いかにもフィクション&ファンタジーで可愛いので、受け入れ易いし見易いし、あっけらかんとしててシンプルに面白いです!ニフティかわいい。このユーモア感覚、尊敬しちゃう。不適切とは言わせない。
ラストは最高のオチで噴き出しちゃうし!最後の最後でまともに王道。やったね!!ってなりました。このカタルシスもアメリカン!
シーズン2も期待です。ラジオデーモンことアラスターが読めん!気になる。
25分8話とコスパ良しですので、お時間のある際に是非。アマプラで配信中です!これ、絶対オリジナル(英語)で理解出来たらもっともっと面白いだろうな。創造の時代、歴史、背景なんかも掘り下げたらもっと面白いだろうな。
原作があるのかな?コミックっぽいですよね。その辺どころか、色々全然不明です。いかんせん、好きな作家さんが「面白かった!」て言っていたので、何気なく検索して見てみたもので。好きな人の好きはやっぱり好きだった。うん、好きだった。
そして、A24が関わる作品へ寄せる信頼に自信がありましたが、正にその自信は確信へ変わりました!流石です。それでも「ボーはおそれている」を劇場で見ることを私はおそれています・・・。こわい・・・。
関係ないんですが、チャーリーの、と言うか、それこそディズニーヒロインの会話劇なんかで見受けられるんだけれど、あり得ないことを相手が言ってきても、一旦受け入れて、ましてやそれを褒めさえしたりしてから、自分の主張を伝えるっていう、あの対話方法って凄くないですか?
あれってとても高度で、でもああすることで相手を否定せず、対等に冷静な対話が成立するんだろうなって見る度思ってて、いつも心がけるようにしているんですけど、実践には及ばず、中々出来ません。むずかしい・・・。すぐ「違くて!」とか「何言ってんの!」とか言っちゃう。
話がそれましたね。それたついでに、天使と悪魔繋がりで、同じくアマプラで見られる「グッド・オーメンズ」もおすすめです。めちゃくちゃいい!!
天国VS地獄かぁ。
なんか、羨ましくなって(?)古事記でも読もうかしらん。
ということで、推します。