Notefolio #09 | ダンボールトンネル ver.2
さて、前回の予告通りダンボールトンネル ver.2です。
前回作ったものはこちらです。
ハイハイ初段の娘へくぐって遊べるダンボールトンネルを作ったのでした。
ダンボールトンネルは、次のステージへ。
いえ、、ただかっこよく言いたかっただけです。。
さて、ver.2でアップデートするポイントを挙げていきましょう。
要件はふたつ。
・つかまり立ちをしはじめた娘がつかまれる手すりをつける。
・トンネルが崩壊しない強度を保つ。
では早速、仕様と設計を決め、作っていきます。どんどこどーん。
【仕様】どういう手すりが必要か?
観察していると気付いたことは、娘は箱の側面から天面の方に手を伸ばし、側面の板自体を支えにして立とうとしていました。
ここから側面と天面の間の辺付近に手すりが必要と考えました。また、いきなりその高さ(40cm)に手を伸ばし立つことは難しいと思うので、その途中でつかまれる位置にも手すりが必要そうです。
以上の事から、このようにすることにしました。
底面を除く8つの辺に対し手すりを配置し、その手すり自体をトンネルの補強フレームとすることでふたつの要件を満たせそうです。
【設計】手すりをデザインする。
では次に、手すりを構成する形状と材料を検討します。
結論から書くと、手すりを木材、それらを接続・保持するジョイントを樹脂(3Dプリント)で制作することにしました。
■手すり
手すり部分の形状は、手を掴みやすい円形の断面で長い形状、つまり丸棒。そして材料は強度、加工性、価格などから考え、木材が良いでしょう。
というわけで、すたこらさっさと東急ハンズへ言って木の丸棒(ラミン丸棒)を買ってきました。直径はφ18mm。実際に手に持ってみて、娘ほどの体重を掛けても折れない強度であろうという事を確かめました。そして、(約)1歳児の手でも掴みやすい太さ。
■ジョイント
丸棒を接続するジョイントは、トンネルの8つの角すべてに取り付ける必要があります。
次に、トンネルの底面側ジョイントには1本の固定、天面側ジョイントには3本の丸棒を接続し固定する事になります。
それぞれこういうオブジェクトを設計しました。
前回同様、外側に来る角はすべて取ってあります。
ここで1つ問題がありました。このままだと手すりの丸棒は回転してしまいますね。娘のつかまり立ちを助けるものなので、手すりが回転してはよろしくありません。
そこで丸棒が回転しないように、丸棒の片方を斜めにカットし、ジョイント側もそれに合わせ形状を作成します。
ここでひと工夫なのですが、2色のフィラメント使い、8つのジョイントを2トンネルの取り付け位置に対して全て互い違いの色にします。そして、片方の色のジョイントには必ず斜めにカットした方を、もう片方の色のジョイントにはそうでない方を接続するようにします。
図にするとこんな感じです。
そうすると組み立てがやりやすくなります。
(それぞれのジョイントの穴に、丸棒のどちら側を接続すれば良いか迷わなくなる。)
【制作】実際に作っていく。
■丸棒の加工
設計通りの長さに切断し、斜めにカットします。
それだけと言えばそれだけなのですが、ここで僕がよくやるテクニックとして、3Dプリンター使った即席治具を用います。ここでは割愛しますが、詳しくはこちらで解説しております。。
また、表面を保護するためにニスを塗ります。
ニスは水性ウレタンニスを使いました。
僕は木材の扱いはあまり知識がなく、「何かニスとか塗ったほうがいいのだろうか。。?」くらいにしか思っていなかったので、詳しい方に尋ねたところ、この種類のニスをおすすめしてくださいました。
油性の方が塗膜は強いが、室内の利用なら水性で大丈夫との事です。
娘が舐めても害が無いように、食品衛生法適合のものを選びました。ただし、乾燥はしっかり。
■ジョイントパーツの3Dプリント
販売するものならまた違った選択になりますが、家での限定的な用途なのと、比較的大きめのモデルなので、材料は扱いやすいPLAでプリントしています。8パーツで合計30時間くらいでプリントできました。
プリント後は、触ってケガをするような印刷の不良をチェックします。
フィラメントが少し飛び出ている箇所があったので、除去します。自分で注意して危機・ケガを回避できる年齢ではないため、できるだけ丁寧に確認します。
■組み立て
木材のニスが乾き、全てのパーツがプリント出来たらいよいよ組み立て。
試作の時点で丸棒とジョイントがなるべくスムーズに差し込め、かつ隙間なく嵌るように調整したことと、2色のジョイントを互い違いに配置し色によって丸棒の接続方向を設定した事でスムーズに組み立てできました。慣れれば2分くらい。
なかなか良い出来です。ほめて。
【リリース】さあ、遊べ。
前回のver.1では、納品当日にトンネルが崩壊してしまいリコールとなりましたので、ver.2ではクライアントの信頼を回復に努めてまいりたい所存。
いえ、まあ、結論から書くとわりと上手くいきました。
最初こそ手すりに掴まれる事を誘導する必要がありましたが、その後は自分で手すりに掴まって遊んでいました。
ただ、最初に想定していた「いきなりその高さ(40cm)に手を伸ばし立つことは難しい」は見事に裏切られました。まさか、腕の力で引き寄せて立ち上がるとは。。
また、僕がトンネルの反対側から覗くと、手すりに掴まった状態でスクワットして、トンネルから顔を出したり引っ込めたりして「いないいないばあ」をはじめたんですが、いや、それすごいな。。スクワットて。。
他にも、ジョイントパーツが気になるのか手でコンコンと叩いたり、あいかわらずトンネルの天面をバシバシ叩いたりしていますが、ふふふ、、そんなんじゃびくともしないんだぜ。
そんなこんなで娘の遊具がひとつできました。
しばらくこれで遊んでくれたらうれしみがあげぽよ。
さて、次は何を作りましょうか。
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