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12時間超のトランジットの間に弾丸ホーチミン観光 


ホーチミンに到着したとたん、蒸し暑い空気を肌で感じた。石垣よりも蒸している気がする。

出国手続きを終え、空港で1,000円だけ両替するつもりだったのでそのカウンターを探していると……。出口を出たとたん、勢いよくSIMカードやらタクシー送迎やらの勧誘の声が飛び交っていた。

ああ!これが「東南アジアの客引き」か、すごいエネルギッシュ!!でもなんか客引きの声に混ざってスタッフ同士の話し声も聞こえるぞ。しかも通路挟んで。はは、ライバル店だというのに仲良いんだな。

ここで何故か急に東南アジアに降り立った、という強い実感が湧いて、不意にひとり笑ってしまった。いや、笑うのを必死に堪えたのだが、こらえきれずに口元がにやけていた。多分。

実は羽田空港の出発ゲートでも、飛行機からみたマレー半島の絶景でもあまり旅の実感というのが湧かなかったのだ。それがなんで今、急に?

あ、そうか。羽田空港の出発ゲートは何度もくぐったことがあるし、マレー半島も勉強とか事前情報で見たことがあって、視覚・聴覚的に新鮮味がなかったのだ。でも客引きなんてわざわざYouTubeで見ないし、事情は知っていても実際に客引きの音声を聴くことはない。噂には聞くけれど、行かないとわからない事と出会った時、私の中で「その土地らしさ」というのが見えてきて、他人行儀に思えたその土地に親近感が湧く。そうやって今までの知識や先入観、あるいは私自身が、より新しく、より詳しく、書き換えられていくこと。それが私にとっての、「旅」なんだなぁと思った。


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