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2024年に爆誕した2軍のみの球団"くふうハヤテベンチャーズ静岡"の試合観戦記

あなたは知っていますか?くふうハヤテベンチャーズ静岡を



 ハヤテ誕生までのあらすじ

 NPB一軍のセ・リーグ、パ・リーグは地域ごとに分かれていないが二軍はイースタン、ウエスタンと地域ごとに分かれている。NPBの二軍は2004年の球界再編の際兵庫と大阪のチームが合併し宮城にチームが出来たため6球団ずつで分かれていたが、20年前から7球団、5球団と奇数で分かれるようになった。対戦形式のスポーツとしては好ましい状況ではなかったが2022年9月突如として新規参入球団のニュースが報道された

この記事に出てくるハヤテインべストメント社がくふうハヤテベンチャーズ静岡の親会社であり、約2年前には社会人チームや独立球団も保有をしていない企業であった。しかし巨人が賛成派として推しているという内容のため当時胡散臭さを感じた人もいたと記憶している。

その後同年11月には二軍拡大構想としてオーナー会議で承認、2023年9月に参入チームとして内定、11月に正式決定し2024年からウエスタンリーグのチームとして戦っている。

無茶では??

 2024年のウエスタンリーグの試合数は予定で141試合あるそうだ。全チーム屋外球場かつ中止の場合の振替はないので、2023年の実質試合数は最小が広島の113試合、最大がオリックスの123試合であったようだ。一軍の試合は振替アリの143試合となっているので予定としてはほぼ同数組まれている。

ベースとなるチームもない中で0からこの数のスポーツ興行を組むのはド素人感覚でも無謀ではと思った。先に挙げた記事にホーム球場予定地は最初から書いてあったので場所の確保はできているのは分かるが、あまりにもマンパワーが足りないだろと。

また例として独立リーグはどのくらいの試合数があるのかと言うと、日本の2大独立リーグであろう四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグは年間約70試合程度の試合が組まれている様だ。ハヤテと同時にイースタンリーグに参入したオイシックス新潟アルビレックスBCは昨年までBCリーグのチームであったので試合数が倍になった形である。それだけでも大変だと思うが、稼働してきたチームの試合数が倍になるのと0からのスタートでは難易度が桁違いではと思う。

 

SNS問題について

なんとこのチーム2024年にも関わらず公式SNSがありません。XもInstagramもありません。このご時世にストロングスタイル過ぎてビックリすると思うが、何故か親会社のハヤテグループのX公式アカウントで球団関係のポエムな内容の投稿をしていた。試合の日程とか選手の活躍などを呟くのなら親会社のまだ分かるが、斜め上のポエムである。春先はポエムをコアな野球好きに弄られていたが、ポエムの供給すら減っている状況。SNS社会な上にまっさらな新規球団。SNSでの広報活動はとても大切なのは小学生でも分かると思うが本気でファンを増やしたいのかと言わざる得ない。

一例を貼るがポエムなのもそうだが、文が長い。Xが課金をすれば長い文章を書けるようになったのはいいが、ユーザとしてはさらに表示まで押して読みたい人は少ないと思う。XというかTwitterは気軽さが売りなので、長い文章のポエムは一番シナジーがないと感じる。それこそこの路線ならnoteに来ないかくふうハヤテベンチャーズ静岡と考える。


実在しているのか?

トントン拍子で決まった上に今まで実態のなかったチーム。その上球団公式SNSはなく親会社のアカウントでポエムを詠んでいる。ローカルニュースの映像や二軍中継の映像は見たので99.9%は存在すると思うが、筆者の心の中で0.01%国際信州学院大学的な手の込んだフェイクネタではという疑念が春から消せなかった。そのため現地に行きたいという思いがあり、ホームである清水ではなく関東よりの沼津で試合をすると見たので、一度行ってみようと思い8月3日の試合を観戦に向かうことにした。


愛鷹球場へ

 この球場で主催試合が行われるのは今回の金土日の三連戦のみであり、県東側での試合はこの連戦のみの様だ。中日との試合であるが、球場の名前的にソフトバンク呼んだほうが面白いのではと思った。
公共交通機関でのアクセスは沼津駅から土日昼間は1時間に1本くらいあるバスに20分弱揺られてたどり着く。途中東名高速と新東名高速をオーバーパスした後の山の中の運動公園だ。沼津には海辺にしか行ったことがなかったので新鮮だった。

現地について当日券を買うと本当に実在していたんだという謎の感動をしつつ球場内へ歩みを進めた。


当日券のチケット
愛鷹球場の中

グッズについて

 筆者がハヤテに関して気になっていた点としてグッズの販売の部分だ。このネット社会にオンラインストアがないのである。球団HPのQAでは球場のみの販売と記載されている。始まったばかりであるので難しいかもしれないがこの転売時代にと思いメルカリ、ヤフオクにてくふうハヤテで検索すると12球団に所属経験のある選手の以前の所属先のユニホームなどはあるものの、ハヤテグッズはほぼなくそれはそれで逆に悲しくなった。


グッズのラインナップは売店で売ってるものが全てらしく、タオル、ユニ、キャップ、メガホン、ボール、色紙、選手名鑑って書いてある1000円の冊子くらいだった。選手名の書かれたタオルが3000円、背番号の入った標準グレードのユニホームは15000円のようだ。同じ条件の商品を既存の12球団と価格比較すると(すべて公式オンラインストアから引用)

選手名タオル
阪神1100円が一番安く、一番多い値段は1500円の5球団。巨人が2000円で通常の名前メインの物では一番高い様だ。西武がありがちな名前メインタオルが見当たらず、デザイン性が良い2200円のタオルを販売している模様。

ユニホーム
阪神が8000円で一番安く、9900円の3球団が一番多い。2番目に高いのがソフトバンクの12000円。一番高い巨人はソフトバンクの価格より5000円高くハヤテと比較しても2000円高い17000円となっている。

タオル、ユニホームで比較し巨人のユニホーム以外はハヤテより安いことが分かった。またハヤテの為に調べたら二大球団の阪神と巨人が真逆の商売をしていて面白いなと思った。

需要が12球団より少ないので割高なのはしょうがないと思うが、キーホルダーなど安価な商品がないためせっかく興味を持っても当日券の2倍の価格のタオル、10倍のユニホームを買うのは心理的に難しい人が多いと思う。キーホルダー、缶バッチ、チェキ的な写真系などラインナップがアレばいいのになとグッズ売り場を眺めながら考えた。


筆者は比較的開門すぐに行ったのだが、タオルのラインナップで最初から売り切れている選手がおり、現地でしか売らないスタイルで在庫なしは悲しいなとなった。

オンラインストアの展開を考えてるか聞いてみると、販売スタッフの方からオンラインストア準備しているという回答された。また別のスタッフの方に聞くとまだ準備中いずれやりたいという内容だった為今シーズン中はないだろうと感じた。
 

背ネームない問題
 

ハヤテのユニホームは選手の名前が入ってないタイプである。NPBだと巨人もそうだがファンではない人からすると正直分かり辛い。歴史のある巨人がやるのならまだしも、新球団であるハヤテは名前だけでも覚えてもらうべきだと思う。筆者はDeNAファンなので倉本選手の5、田中健二郎選手の46は長年慣れ親しんだ番号と同じなので分かったが、わかる人間のほうが変わっているのだ。背ネームがない方がごちゃごちゃしてなくて綺麗という意見もあるかと思うが、新球団がやるべきことではないと思う。

また選手のユニホームにはないようだが静岡の政治家の方々には表敬訪問時背ネーム入りユニホームを配っている様なので技術的問題が無いことは証明されている。その為なんで背ネームなしにしたのか筆者にはよく分からなかった。

静岡ローカルアイドルのROSARIO+CROSSさん

 始球式と国歌斉唱にローカルアイドルの子達がやってきていた。ハヤテのグッズショップの隣に彼女達のチェキ会のブースが置かれていた。野球好きではなさそうなアイドルのファンも数人だったが居たように感じた。試合前と5回終了後のインターバルにチェキ会が行われており、真夏の炎天下×野球の試合×アイドルとオタクというコントラストがなんとも言えない気持ちになった。6回が始まってもチェキ会やっていたので、試合とチェキ会が同時に行われるファームの試合は斬新ではあった。

 7人組のアイドルであるが始球式をやるのが1人なのは分かるが、国歌斉唱も全員グラウンドに入るのに1人の子だけが歌う形であった。心の中で全員歌わせてあげてやという気持ちとほか6人の子達が国家を歌わないタイプの思想を持っているのでは、など謎の疑心暗鬼に駆られてしまったがそれはないだろう。

前に立っている子のソロ国歌斉唱であった


試合について

 8-3でハヤテが力負けをした形であった。先発は元12球団の選手ではない選手で一番有名かと思う医師免許持ちの竹内投手。比較的に沼津と近い伊豆の方面出身らしくタオルも途中で売り切れていたが、4回5失点と抑えきれなかった。二番手で投げたのが竹内投手と高校の同級生で元DeNAの池谷投手。関係性のオタクなら嬉しい継投ではと思った。3回無失点であったが筆者の記憶の中の池谷投手とフォームがかなり違うので驚いた。

 またスタメンで出場していた倉本選手は無安打であったが、選手としてプレーをする彼を見ることはもうないかなと思うとDeNAファンとして思い入れもある選手だったのでとても感傷的になった。

個人的に心に残ったのはスタジアムDJの方のハヤテチャンス時の煽り

「ベンチャーズチャーーンス」

スタートアップ企業の支援のCMみたいでツボにハマったのだがこの想いを共感して貰えないのが淋しいところだ。


1人のスタッフの方

 今回は野球を観に行くというよりか運営などが気になっていたので、スタッフの方などをよく見ていた。おそらく地元の権力者風の人にヘコヘコしていたり、他のスタッフより偉いのかなと筆者して感じる方がいた。

その人が筆者の二列前の席に座っている若い女性に話しかけていて、内容が聞こえてしまったが

ファン「どの選手がホームラン打つんですか?」

スタッフ「西川選手かなー(このあと実際ホームラン打ってた)」

ファン「あの外国人選手は?」

スタッフ「あの選手は全然打たない」

打たなくてもおそらく偉い感じのスタッフが言っていいのかなと思ってしまった。

その後試合終盤にこのスタッフの方へ筆者が、大変だと思うし何も出来ないけど応援してるんで頑張ってくださいと伝えると物凄くヘコヘコ頭下げられてビックリした。

家に帰ってからハヤテ関係のニュースなど漁るとこのスタッフの方球団社長にソックリだった。社長ならあの選手打たないと、本当でも言わないと思うのでそうじゃないと信じていますが。

選手名鑑


1000円の選手名鑑を買ってきたので中身を読んだ感想としては、35ページの冊子で前と後ろにポエムが1つづつあるが、ハヤテポエムマニアが満足するレベルではなくインタビューがメインである。名鑑としては外国人選手の写真は全て無く一部日本人選手コーチの写真がないので、おそらくシーズン前に出したのだろうがガッカリ感があった。

一番面白かったのは来日せず二重契約で契約解除された外国人選手の残像が残っていた部分だろう。


まとめ

 くふうハヤテベンチャーズ静岡は存在していた。しかしこの日も土曜日であったが1000人強の客入りであったと考えると採算取っていくのは厳しいと思った。だが現地では、それなりの人数のボランティアの方やハヤテユニで応援してる人たちも居たので彼らを悲しませないように頑張って欲しいと思う。

個人的にはnoteと相性のいい球団だと思うがタグで検索すると記事が全然なかったため、この界隈を少しでも盛り上げられたらという思いでいつもとは違うジャンルですが書きました。

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