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愛おしい瞬間で暖を取る

愛おしさ

それは一人で完結するものではないと思う。

人や生き物、あるモノとの「あいだ」に存在するもので、

ぽっと生まれる、見えるもので、
それをじっと見ていたり
手の中に持っておこうとしないと、
ふと消えて見えなくなってしまいそう。

蛍みたいね。
ちょっとだけ。

だからこそ、感じられたとき、
それを大切にしたいと思う。

最近寒くなってきたし、
私が捕まえた、愛おしさをいくつかご紹介。
(ただ言語化ノートに今日書いていたことを、いろんな人に見せたくなったからプライベートな情報は控えて書き起こし。)



バイト先の地域のフリースペースで、
近所のおばあちゃんたち4人が集まって近くのお店で買ったたこ焼を食べようとしていた。

スタッフとしてふらついていた私にも
挨拶をしてくれて、
その中の一人が「これ食べな」って、
いかにもお家で用意してきたことが分かる
タッパーを渡してくれた。

なんと、なななんと、
中には秋の果物がたっくさん詰まっていた。

蓋を開けた瞬間の香り、
色とりどりでつやつやとした果物たち。
感謝の言葉よりも先に、
思わず笑みがこぼれる。

林檎、葡萄、マスカット、
そしておばあちゃんの家で採れた柿。

さっそく、たこ焼を食べるおばあちゃんたちの隣でほおばる。
これがどれもおいしくて。

たこ焼を指さしながら、
「これはあんたのであれでしょ」
「いや、これはあの味やよ」

「これ取っていっていいから、
あなたのこれ一つ頂戴」
「ええよ、代わりにそれもらうわね」

あれ、これ、それ…
なんでそれで会話が成り立ってるん?
って思いながら、秋の味覚を味わう時間。

「私たち、あれこればっかりやん。
年取るとこうなるのよ」
って私の方を見ながら、
がははと笑うおばあちゃんたちと、
えへへと笑う時間。

これが愛おしかった。


この話を、お母さんに話した。

「なんでおばあちゃんって、
「あれ」とか「これ」で会話が成り立つんだろ」

「うちのおばあちゃんも、よくあるけど、
時々何言ってるか分からんよね」
って2人で考えてた。

数日後、一緒に本屋に行った。

私は、星野源のエッセイを手に取って、
少しだけ、星野源の語る世界の中に
踏み込んでいた。

人が、すこし小走りで近づいてくる。

お母さんが本を広げて、
なんだかにやにやしながら近づいてきている。

無言で目も合わせず、「見ろ」と言わんばかりに
目の前に広げて見せてきた本のページにあった言葉。

「アレ、コレ、ソレを使うのは老化。」

なんて言ったか忘れたけれど、
私が言葉で反応したのを確認して、
お母さんはにやにやしながら
また戻っていった。

愛おしかった。


猫が、丸まって寝るようになった。
一緒の部屋で作業をしていて、
目に入ったから近づいてみる。

少しでもぬくもりをもらおうと
ひっついてみる。

すると、思いっきりでっっっかい欠伸を
目の前で見せる猫。
小さく「ふわぁ」って言いながら。

これくらい、
のびのびと生きていたいなと思いながら、

愛おしさを感じた。


本当はまだ少し愛おしさのストックは
あるのだけれど、
長くなりすぎそうなのと
プライバシーに配慮しながら綴るのが
難しいからここらへんで。

もっといろんな
愛おしさを集めてみたいな。


と、思いつきで、ここまで見てくれた方へ
向けてゆるっと募集!

あなたが感じた「愛おしさ」
良かったら教えてください✋

【見つけるコツ】
自分と何かの「あいだ」にあるはず。


集まったら、自分の最新の愛おしさと共に
皆さんのものもここでシェアしようかな。

みんなで、愛おしさの温もりで
暖を取りましょ。

それでは、
お互いに体調には気をつけましょう🍊

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