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文章なんて苦手だ④
絵を描くときに最初に何をするか?
展示が決まったらどうするか?
そのことについて書いてみようと思う。
脳内地図から文章、展示、作品のテーマ、制作へ、大作を描く。
大作を描く前に、巡った思考について。
お寺で展示するからテーマをどうするか、とか、導き出されたテーマとの付き合いのうちに何を描くか…。
結局のところどこまでお寺にふさわしかったのかはわからないし、多分相応しくない作品を中心に据えた気もしたけど、ずっと気になっていたことを解消することに結びつていった。
私は192×390㎝のパネルに絵を描くことに決めていた。
2020年1番の大きさの作品だ。
前に書いたテキストから「彼方此方 寄波 引波」という展示と連動したタイトルで進めたいと思っていた。
私は物語を読みそこから絵を描きたいと言う気持ちがあり、その物語選びもセンスが問われるというか、目の付け所に妙があると思っている。
あまりにも多数派のイメージ…強固な先入観を持った有名すぎる物語は、読み解きや飛躍を許さないので難敵…あまり着目しないようにしていた。
その不動の面白さはあるものの、日本昔ばなしのジャンクな挿絵になってしまうのは違う。
そうなるとちょっと外してマニアック(でもないけど)なものをほじっくってみよう…
海幸彦山幸彦、海神の宮、蜃気楼、謡曲の海人、古事記や民俗学方面に振る、寺院由来であれば、親鸞は海のメタファーをよく用いたらしい…などなど。
広げる可能性はあったかなとも思うが、にわかの知識で得たものとは付き合いが浅過ぎてこれからの作業に確信が持てないだろう…とも考えていた。
そんなことを考えつつ、気取りや見栄も横切りつつ、もう目が離せないものがあった。
あれだ、
山本芳翠の「浦島図」だ。
正直あれは変な絵だ。
ずっと気になっていた作品だった。
資料も少し持っているし、とっかかりがある。
ここで、私の興味の対象が作品として解消することに決まった。
山本芳翠《浦島図》1893-95頃
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/about/collection/山本芳翠《浦島図》1893-95頃/
めちゃくちゃ省いて言えばオマージュになってしまうけれど、自分の状況を合わせて考えても、気になりすぎて描きたかった。調べるほど描きたいなと思った。
⑤に続く