若年性認知症の母②久々の面会

まだコロナが落ち着き切らず、病院や介護施設では感染対策のために面会禁止の対応されているところが多いようだけれど。先週末母がお世話になっている病院から連絡を頂き、諸手続きの為に久しぶりに病院に行ってきた。

我が家から母の病院までは高速を使って約1時間半の距離。母の状態が悪くなった為の手続きで伺ったので、最悪会えない可能性もあったのだけど、スタッフの方々のお心遣いで5分くらい顔を合わせることが出来た。前回は足元覚束ないながらも歩いていたのに、今回は車椅子に乗っていた母。しかもしばらく会えなかったせいか、完全に「あんた誰?」っていう反応。入院した頃から、私=娘っていう事は分からなくて。名前も関係性もわからないけど、でも身内なんだろうなって対応だったのが、さすがに会えない時間が長すぎたか〜〜〜。完全に他人対応になっていて、まぁしょうがないよね、と思いつつ少し凹んだ(笑)

今回は主治医の先生ともお話出来たので、ここのところの症状の進み具合を確認。54歳で鬱病から認知症のような症状が始まり丸10年。入院してから丸5年。症状は残念ながらどんどん進み、それでもまだ実年齢は64歳の母。認知症状の低下に連れて、身体の機能も落ちてきているので、中身はすっかりおばあちゃん。今回一時的にかなり状態を崩してしまい、そこがまた機能の低下に繋がる可能性が高いのだという。

残念ながら今の母が、普通に健康な64歳に戻れる可能性はほぼ無い。入院の最初の頃こそ、もしかしたら、万が一にも、お薬が合って劇的に回復してくる可能性もあるかもなんて期待したけれど。今は会うたびに進む症状に驚きつつ、家族としては何も出来ない無力さを感じる。辛いけれど、それをただ見ている事しか出来ない。

もっと色々な所に行きたかった。もっと一緒に旅行したかった。もっと一緒に美味しいものを食べたかった。もっと子供達の成長を見守って欲しかった。もっと色々な話を聞いて欲しかった。もっと、もっと、、、したい事も沢山あったけれど、病気が健康な母から時間を奪ってしまった。それが悲しくて、寂しくて、辛くて。町を歩いていて元気なおばあちゃんを見かけると、涙が止まらなくなっていた時期があった。今でも本音では悲しくて寂しくて堪らない。

母が自分自身の事も、誰の事も分からず、何を感じることも無くなっていく様を見るのは、娘として辛い。同じ状況がやってくるのが10年先でも、20年先でも、その時は同じように切ないと思うけれど。やっぱり早すぎるよ、っていう気持ちは無くならない。これはいつか受け入れられるようになるものなのか、どうかな?

それでもきっと今が最善だから。なるべくなら出来なくなったことを悔やんで悲しむよりは、今まだ一緒に出来ることを小さくても見つけていきたいと思う。どんなふうになっても生きているうちは、まだ触れることも話かけることも出来るのだから。後悔しないように、今を大事に、母との親子の時間を過ごしていきたいと思う。





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