「15年間誘拐されていた少女」6話
1‘
美波「それでは取調べを始めます、貴方には黙秘権と弁護士を呼ぶ権利があります」
遥香「コンプライアンス保護の為、録画・録音をさせていただきます」
○「はい、承諾します」
〇〇の取り調べが開始される。
2‘
美波「まず最初に一昨日の夕方頃、どこでなにをされていましたか?」
○「覚えていません」
美波「覚えていない?」
○「最近、普段の生活で急に意識がなくなることがあって、気がつくと知らない場所にいることもあります」
遥香「白昼夢の夢遊病?」
3‘
美波「わかりました…では一昨日のアリバイを証明できる人物はいますか?」
○「おそらく、同居人の飛鳥がいますが彼女は証人にはできないでしょうね」
そう…飛鳥は解離性同一性障害…証人力がない。
遥香「では…今回誘拐された、星野葉月ちゃんのことは知ってますか?」
〇〇の前に写真を出す。
4‘
○「はい、知ってます」
美波「なぜでしょうか?」
○「この子の母親の星野みなみさんは高校時代の友人です、数日前に図書館でお二人に会っています」
美波「わかりました…少々お待ちください」
そう言って美波、遥香は取調室から出ていく。
5‘
麻衣「どうかしら…」
美波「嘘は言ってないみたいです」
遥香「ただ…」
麻衣「ただ?」
遥香「このままでは容疑が晴れません…」
麻衣「そうよ…ね…」
6‘
七瀬「しかしこのまま拘束し続けることもできへんな」
麻衣「……」
遥香「提案があります」
麻衣「なにかしら?」
遥香「とりあえず〇〇さんを解放して様子見してみては?」
美波「それは!」
遥香の提案に異議を唱える美波。
7‘
七瀬「それしかないか」
美波「それでは容疑者を野放しにするんですか!?」
遥香「梅澤さんっ!」
美波「あ…すみません…白石警視」
麻衣「いいえ…構わないわ…」
七瀬「なにも野放しにするわけやない」
8‘
美波「どういうことですか?」
七瀬「監視をつけるんや」
美波「監視…」
七瀬「証拠がないからこれ以上の勾留はできひん、かといってそのまま帰らす訳にもいかへん」
美波「だから監視をつけると…?」
9‘
七瀬「そういうことや、それでええですか?白石警視」
麻衣「…構わないわ」
交代制で〇〇を監視することに決定した。
本人にはもちろん内緒だ。
10‘
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11‘
ー1日目ー
遥香「今日からカウンセリングの仕事を再開したそうです」
七瀬「そうなんや…とりあえず尾行するで」
遥香「了解です!」
〇〇を尾行する2人。
12‘
カウンセリングが終了し、建物から出てくる〇〇
1時間くらいで出てきた。
それから2件のカウンセリングをしたのち
スーパーで買い物…家に帰宅
今日一日中尾行していたが特に不審な動きはなし
13‘
ー4日目ー
美波「今日はよろしくね」
□「よろしくお願いします!」
この子は人員不足を補うために
捜査第二課から応援にきてもらった、北風□□巡査長
14‘
□「容疑者ってあの白石警視の弟さんなんですよね?」
美波「そうよ」
□「なら事情を話して協力してもえばいいんじゃ…」
美波「それじゃ意味ないのよ…物的証拠がない現状、誘拐事件がおさまっても証拠にならない」
□「だからしっぽを出すまで監視するってことなんですね」
15‘
美波「そういうこと」
□「あ!動きました!」
美波「尾行するわよ!」
〇〇を尾行する。
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美波「ここは…」
尾行していると人気がない廃倉庫に入っていく〇〇。
□「覗いてみましょう」
美波「そうね」
静かに窓から覗く。
18‘
□「倉庫を見渡していますね、なにをしているんでしょうか?」
美波「もしかしたら次の監禁場所の下見かもしれないわ」
□「あ!みてください!手に何か持っています」
美波「あれは…紙…?」
□「もしかしたら次の誘拐する子のリストかもしれませんね」
19‘
美波「こっちにくるわ!隠れて!」
□「は、はい!」
〇〇は出口の方に歩いてきて出てくる。
倉庫のドアを閉めて、元来た道を歩いていく。
20‘
□「これは報告しないと!」
美波「そうね、私は警視庁に戻って報告するから、北風巡査長は引き続き、容疑者の監視を」
□「了解しました!」
梅澤は1人、警視庁に戻るのであった。
21‘
To be continued
ありがとう!