
(終)弱さとは罪なのか?
1‘
美彩さんが刺されてから数週間。
お見舞いができるようになったので病院へ
〇「お怪我はどうですか?」
美彩「うん、よくなってきたよ」
〇「よかった…」
2‘
美彩「ただ、お腹の傷は残っちゃうみたいだけどね」
〇「そうなんですね…ごめんなさい」
美彩「謝らないで?私が勝手にしたことだから」
〇「いえ…」
暗い表情をする〇〇。
3‘
美彩「大丈夫だから」
〇〇の頬に触れる美彩。
〇「っ…」
そっぽをむく〇〇。
4‘
美彩「ごめん…」
手を引く美彩。
〇「い、いえ…(心:な、なんでソッポ向いたの?…美彩さんに触れてから、ドキドキする…)」
美彩「時間大丈夫?もう1時間くらいいるけど」
5‘
〇「はい、大丈夫です、迷惑ですか?」
美彩「そ、そんなことないよ!!」
〇「よかった…」
美彩「逆に嬉しいよ(心:よかった、嫌われてるわけじゃないみたい)」
6‘
〇「そっか…」
2人の間に変な空気が流れる。
美彩「い、今はどこに住んでるの?」
〇「え?」
7‘
美彩「い、いや!別に少し気になっただけだから、言いたくないなら言わなくていいよ!!」
〇「い、いえ!今は1人暮らしで〇〇区のアパートに住んでます」
美彩「そうなんだね…困ってることない?足りないものとか」
〇「大丈夫です、気遣ってくれありがとうございます」
8‘
美彩「……」
〇「……」
またも変な空気が流れる。
美彩「ねぇ…」
9‘
〇「はい」
美彩「今も怒ってる?」
〇「…怒ってはいません」
美彩「嫌い?」
10‘
〇「嫌いじゃないです…嫌いになったことはないです」
美彩「悲しかった?」
〇「はい…僕のことを信じてくれなくて悲しかったです…」
美彩「ごめんね?不安だったの…」
11‘
悲しそうな顔をする美彩。
〇「美彩さんはずるいです」
美彩「ごめん…」
俯く美彩。
12‘
〇「僕はちゃんと美彩さんが好きでした…どんなに酷いことをされてもあなたに愛されてるって感じたから我慢できた…」
美彩「……」
〇「でもどんなに伝えても信じてくれない美彩さんに悲しくなりましたし、苦しくなりました」
美彩「ごめん…本当にごめん…」
13‘
〇「美彩さんと離れてから玲香さんと暮らしました…でも、美彩さんを考えてしまう時もありました」
美彩「え…」
〇「それから色々あって、絢音さんと暮らして心の整理がつきました…やっぱり僕は美彩さんが好きです」
困ったような表情で笑う〇〇。
14‘
美彩「〇〇っ…」
〇「どんなに酷いことをされても、きついことを言われても、あなたが好きです」
力強く美彩をまっすぐと見つめる〇〇。
〇「あなたを愛してます、僕と結婚してください」
15‘
ポケットから指輪を出す。
美彩「っ…」ポロポロ
涙を流す美彩。
〇「返事を聞かせてくれますか?」
16‘
美彩「私でいいの?また酷いことするかもしれないよ?」
〇「また酷いことするんですか?」
美彩「しないけど!」
〇「なら大丈夫です」
美彩「今度こそ、幸せにするから!」
17‘
〇「それはOKってことですか?」
美彩「うん!もちろんだよ!」
〇「よかった…」
美彩の左薬指に指輪を嵌める。
美彩「綺麗…」
18‘
〇「僕にも嵌めてくれますか?」
指輪を渡す。
美彩「はい」
指輪を受け取り〇〇の指に嵌める。
美彩「こんな私だけど、よろしくね?」
〇「はい、僕の方こそ、よろしくお願いします」
19‘
END
20‘
この作品はフィクションです。
実際の団体とは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品としてなので、実際に行っても、
責任は取りかねますのでご了承ください。
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