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『拝啓、記憶喪失の君〜前編〜』
1‘
拝啓、記憶喪失の君へ
君は今、何してるの?
どこにいるの?
僕のこと覚えてるかな?
2‘
少なくとも、僕ははっきり覚えてるよ
だって、僕は愛した人だから
君を知ったのは、3年前の5月
大学の3年生だった君と僕
その日の青い空は澄んでいて、大学の裏庭の端で
ダンスサークルの仲間となめらかにダンスを踊る君の姿
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106333426/picture_pc_3b0fdfe2b426b176e841a8c04baf3c13.png?width=1200)
3‘
僕はそんな君に一目惚れをした
そして、自分が入っていた軟式野球サークルをやめて
ダンスサークルに入った。
4‘
○「はじめまして。ダンスサークルに入らせていただく、3年の八木○○です、よろしくお願いします」
“パチパチ”
?「こんにちは。私はこのサークルの部長をしている、齋藤飛鳥っていいます、よろしくね○○くん、ダンスサークルへようこそ!」
5‘
君と初めて喋った…
それがとても嬉しくて
でも、ダンスのためのサークルだから
ダンスを教えてもらおうと、君に近づいたけど
6‘
君のダンスのレベルが高すぎて
見てることしか出来なかった
そこに魅力を感じたし
僕ができないことを簡単にこなす君
できないことができるって、魅力的だなって思う
7‘
ダンスサークルの大会があった時
ソロダンス部分を任された君
飛鳥「え、私?」
○「僕は飛鳥のダンスじゃなきゃいけないと思うんだ」
飛鳥「わかった…やってみる!」
8‘
フォーメーションも君がセンター
僕は裏センターだったね、覚えてる?
君は遅くまで残って、ずっと練習してたよね
そのダンス…その練習の成果、凄かったよ
努力が見える体の滑らかさ、真似してもできない体の動き
9‘
僕はそこで気づいたんだ
"君のことが好きなんだ"ってね。
その後の大会も、君の活躍で優勝できたんだよ?
覚えてる?
そのとき、君がね泣いてたんだよ
君の涙、初めて見たなぁ
綺麗な涙だったよ。
10‘
そのあと、僕は君に告白したんだ
そしたら『私でよければ』って…
飛鳥らしい返しだったなぁ
それで、同棲もして
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106333508/picture_pc_d6350ec19fbd4cd72d307650e362941d.png?width=1200)
11‘
すごい楽しかったよ
僕ね、幸せだったよ
君も幸せそうにしてて、楽しそうにしてて
僕ね、ほんとに嬉しかったよ。
12‘
それに、これ初めて言うんだけどね。
大学卒業して、君に指輪を渡して
君が好きだったあの場所で
プロポーズしよっと思っていたんだ
13‘
それなのにさ…急すぎるよ
君が事故にあって…
記憶が無くなったなんて…
14‘
“ガラガラガラ“
○「あ、飛鳥?」
飛鳥「…?君は誰?」
○「……」
正直、すごいショックだったよ。
15‘
僕との記憶は無い
その日は、沢山泣いた
必然と君との距離ができてしまった
そして、あれから3年がたった今
16‘
君は何してるのかなって思って
手紙を書いたんだ
改めて
拝啓、記憶喪失の君へ…
"幸せになってください"
八木 ○○
17‘
○「ふぅ…さてと、仕事行くか」
郵便ポストに今の手紙を入れてから
会社に向かって歩いてると…
○「ん、なんか落ちてる…」
18‘
目の前に落ちているのは、ハンカチかな…
○「….あ、名前書いてある」
○「山下美月さん...」
?「あ、あの!これ、私のハンカチです!」
○「あ、そうですか、どうぞ!落ちていましたよ」
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106333680/picture_pc_cfdbc0ea6f4335fff9e674387324b981.png?width=1200)
19‘
美月「ありがとうございます!助かりました、お気に入りなんです!」
○「そうなんですね、見つかってよかったです」
美月「あっ!もう行かないと!それでは!」
○「はい、それでは」
ちょっと人助け?できたな
よしよし、いいことした
20‘
○「ん、このポスター最近よく見るな、よく見てないけど...って、ん??」
最近、街中で見る子のポスターをよく見ると
"齋藤飛鳥卒業コンサート"
と書かれていた
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106333897/picture_pc_7d2657ef564ec59bf9e47b7dde4f2d07.png?width=1200)
21‘
○「飛鳥…?」
僕はまさかと思い、すぐに調べた
"乃木坂のエース齋藤飛鳥、卒業発表"
"乃木坂46齋藤飛鳥、ついに卒業"
22‘
○「あ、飛鳥って、アイドルだったの?」
急いで加入時期を調べると
○「2011年…1期生オーディション、合格…」
なんで僕は気づかなかったんだろ…
23‘
○「そっか、飛鳥は飛鳥の人生を楽しんでるんだね…ならいいね…」
記事を読み進める、するとそこには
"2023年に卒業コンサート開催"と書いてあった。
○「…行きたいな…」
24‘
____
25‘
2023年…飛鳥の卒業ライブ…
3年ぶりに見た君は昔より綺麗になっていて
僕は気づくと泣いていた
胸の奥がゆっくりと暖かくなるのを感じた
25‘
~ライブ後~
○「終わったね…飛鳥…」
“ピッ…プルルルルル…プルルルルル…カチャ“
○『はい、もしもし?どなたでしょうか?』
飛鳥『あ、こんばんは、さっきはライブ来てくれてありがとうね』
○『ま、まさか…』
飛鳥『どうも、齋藤飛鳥です(笑)』
38’
○『飛鳥!!ねぇ、僕のこと、覚えてるの?』
飛鳥『ん?…"八木○○君"でしょ?(笑)』
電話の相手はまさかの君だった…
39‘
To be continued
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