僕の可愛い可愛い妹の蓮加ちゃん
1‘
⚪︎「疲れたな〜」
バイト帰りにぶらぶらしながら歩いていると、
母から電話がくる。
⚪︎『ん?どうした?』
真夏『蓮加と喧嘩しちゃって』
2‘
⚪︎『蓮加ちゃんは?』
真夏『多分近くの公園にいると思うから迎えに言ってあげて』
⚪︎『了解〜』
よく母と妹は喧嘩をする。
まぁ大半は蓮加ちゃんが悪いんだけど
3‘
進路を変更して、家の近くの公園に足を運ぶ。
今は17時とはいえ、冬だからあたりも暗い。
心配で早足になる。
公園を覗くと、案の定蓮加ちゃんがいた。
4‘
⚪︎「蓮加ちゃん?」
蓮加「…お兄…」
⚪︎「帰ろっか?」
蓮加「…帰りたくない」
5‘
ブランコに乗って、俯く蓮加ちゃん。
無理矢理に連れて帰ることもできるけど、
それをするとキモいだの言われたのちに
殴られる。
6‘
殴られるのはやぶさかではないが、
キモいはダメージが大きすぎる。
なので、慎重に事を進めよう。
⚪︎「お母さんが心配してるよ?」
蓮加「蓮加、悪くないもん…」
7‘
目に大きな涙の粒を溜めて、つぶやく。
どうやら今回は蓮加が悪いわけではないらしい。
⚪︎「何があったの?」
蓮加「お母さんが蓮加のケーキ食べた…」
⚪︎「そっか」
8’
この前は蓮加ちゃんがお母さんの食べたんだけどね…
⚪︎「なら、買って帰ろっか?」
蓮加「いいの?」
⚪︎「もちろん、いいよ」
蓮加「なら帰る…」
9‘
⚪︎「コンビニのでもいい?」
蓮加「うん、それでいい」
⚪︎「じゃあ、行こっか?」
手を蓮加ちゃんに差し出す。
蓮加「うん」
10‘
〜〜〜〜〜
11‘
⚪︎「好きなの選びな?ついでにジュースも選んでおいで」
蓮加「わかった!」
蓮加ちゃんがケーキなどを選んでる間、
雑誌コーナーの本を立ち読みする。
12‘
⚪︎「あ、なぁちゃん可愛い…」
マンデーの表紙が今人気で関西系アイドルの西野七瀬こと、
なぁちゃん、26歳
⚪︎「なんか守りたくなるよな〜」
13‘
“くいくい”
本を読んでると、服の裾が引っ張られる。
⚪︎「ん?」
蓮加「選び終わった」
14‘
カゴの中には三つのケーキが
蓮加「あのね?お母さんとお兄の分も買っていい?」
上目遣いで聞いてくる。
⚪︎「ぐっ…!もちろん、いいよ(心:なんて、いい子なんだ…天使か?天使なのか?)」
15‘
蓮加「いひひ!ありがとう!」
⚪︎「じゃあお会計しよっか」
蓮加ちゃんからカゴを受け取ると、
レジに持って行く。
16‘
荷物?もちろん僕が持ちますよ?
当たり前じゃないですか
可愛い妹に重たい物なんて持たせられません
その代わりに手を繋ぎます。
17‘
〜〜〜〜〜
18‘
蓮加「お母さん、ごめんなさい」
真夏「お母さんもごめんなさいね?」
蓮加「新しいケーキ買ってきたから後で一緒に食べよ?」
真夏「そうね」
うん、ケーキを買ったのは僕だけどね?
19‘
いいんだ、蓮加ちゃんが嬉しそうなら。
晩御飯の支度をするお母さん。
“ちょんちょん”
⚪︎「どうしたの?」
20’
蓮加「お兄、ありがとね?大好き!」
“ちゅっ💕”
頬にキスをする蓮加。
⚪︎「我が人生に一片の悔いなし…」
21‘
“ばたん”
蓮加「お母さん〜?手伝うよ」
真夏「ならお皿だしてちょうだ〜い」
蓮加「はーい」
今日も僕の妹は可愛い。
22‘
この作品はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品内での表現・行動なので実際に行っても、
一切の責任は取りかねますのでご了承ください。
ありがとう!