「15年間誘拐されていた少女」4話
1‘
カウンセリングの仕事を休業してから2週間がたった。
飛鳥「お兄…今日は私が料理を作る」
○「飛鳥が…?」
飛鳥「まなっちゃんに教えてもらったから大丈夫」
○「楽しみにしてるよ」
2‘
“プルプル!!”
電話が鳴る。
○「誰だ?…って姉さんか…」
“ぴっ!”
電話に出る。
3‘
○『どうした?』
麻衣『休業中の所申し訳ないんだけど、警視庁に来てほしいの』
○「…わかった、すぐ行く」
“ぴっ”
電話を切る。
4‘
○「飛鳥、ごめん!ご飯はまた今度作ってくれ」
飛鳥「仕事…?」
○「あぁ、緊急らしい」
飛鳥「行かないとだめ…?」
珍しく、俺を引き留める飛鳥。
5‘
○「どうした?」
俺は少し腰を曲げて飛鳥の目線に合わせる。
飛鳥「調子良くないからお仕事休んでたんでしょ?
○「そうだよ」
飛鳥「仕事行ったらまた悪くなる…」
6‘
○「心配してくれてるんだな?ありがとな?でも過保護気味な姉さんが俺を呼ぶくらいだ、難しい事件なんだろう」
飛鳥「でも、お兄は警察官じゃない…」
○「それでも俺は…」
飛鳥「…わかってる…気をつけてね」
そう言って、頬にキスをしてくる飛鳥。
7‘
○「おう!了解だ!」
俺は飛鳥の頭をひと撫ですると真夏さんに連絡して
飛鳥を見てもらうようお願いした。
○「いってきます」
飛鳥「…いってらっしゃい」
8‘
ーーーーーー
9‘
“”コンコン…ガチャ!“
○「姉さん!」
麻衣「きてくれてありがとう!」
○「急に呼び出してどうした?」
麻衣「最近、巷の女小児連続誘拐事件を知ってるかしら?」
10‘
○「噂には」
女小児連続誘拐事件とは…最近起きている事件で
誘拐された女の子達の証言によると
薬かなんかで眠られて気がつくと
倉庫みたいな場所にいったってこと
11‘
しかし女の子達に性的被害はなく
なにもされた形跡がない。
しかも2日ほどで解放されるらしい
覚えてるのは男性の声が聞こえた気がするということだけで
姿は見てない。
12‘
それだけでは犯人の特定には至らず、捜査も頓挫していた。
捜査本部は何か解決策がないか考えた結果
〇〇に白羽の矢がたったとのこと
13‘
麻衣「概要はこん感じよ」
○「なるほどね、それで俺が」
麻衣「〇〇の能力なら犯人を特定できるんじゃないかってこと」
○「わかった、早速監禁されていた場所に連れて行ってくれ」
麻衣「わかったわ」
14‘
ーーーーーー
15‘
麻衣「ここは第一、第二被害者の監禁されていた場所よ」
○「始めよう」
〇〇は被害者が横たわっていた場所に同じように横たわる。
○「うぅん…ここは…どこ…?」
始まった〇〇が被害者の感情を感じ取っている。
16‘
〇〇がを開始してから30分程がたった。
○「……はっ!」
麻衣「大丈夫?」
○「うん…」
浮かない様子の〇〇
17‘
麻衣「どうしたの?教えて?」
○「わからなかった…」
麻衣「え…?」
○「わからなかったんだ…犯人の感情がわからなかったんだ」
犯人の感情に共感ができなかったってこと?
18‘
麻衣「被害者の感情は?」
○「それは感じとれた…」
麻衣「犯人のは?」
○「ダメだった…今まではこんなことなかった!どんな犯人でも!理解し難い犯行だったとしても!共感…感情を感じ取れんかったことはなかったのに!」
19‘
少し興奮気味の〇〇…
こんなにも興奮してる〇〇は久々にみた
麻衣「大丈夫!落ち着いて!」
○「っ…ごめん…取り乱した…とりあえず戻ろう」
20‘
ーーーーー
21‘
私達は警視庁に戻って来た。
〇〇の事が心配だった為、賀喜巡査と絢音を呼んだ
“コンコン”
麻衣「どうぞ」
22‘
絢音「失礼します」
遥香「失礼します!!」
絢音「〇〇くんの体調は?」
麻衣「今は眠っているわ、ここに着いた途端、気を失ってしまったの」
絢音「少し見させていただきます」
23‘
絢音は〇〇の側に近寄る。
○「すぅすぅ…」
絢音「脈は安定はしてますね」
麻衣「〇〇は犯人の感情を読み取れなかったらしいの」
絢音「〇〇くんが?」
24‘
麻衣「困惑してたわ、原因に心当たりは?」
絢音「例えば、病状がよくなったとか」
遥香「それはないかと」
麻衣「どうして?」
遥香「犯人の感情は感じ取れないのに被害者の感じ取れるのはおかしいです、それに急すぎる」
25‘
麻衣「急?」
遥香「どんな病気もある日突然良くなる事はあり得ません、前兆があるはずです」
麻衣「それはこうして犯人の感情が…」
遥香「全く感じ取れなくなるなんて」
絢音「まぁとりあえず経過観察してみましょう」
26‘
麻衣「そうね、2人とも今日はありがとう」
遥香「いえ」
絢音「白石警視は〇〇くんを連れて今日はご帰宅なさってください」
麻衣「そうさせてもらうわ」
27‘
〇〇…
大丈夫よね…
私はこれ以上…家族は失いたくないわよ
28‘
To be continued
ありがとう!