ブルースター
1‘
○「真夏」
真夏「どうしたの?」
○「真夏は今…幸せ?」
真夏「急にどうしたの(笑)」
○「幸せ?」
真夏「幸せだよ」
2‘
○「ならよかった」
真夏「もぅー、なーに?」
○「なんでもないよ(笑)」
真夏「変な〇〇〜」
○「いやね、昔の事を思い出してね」
3‘
そう…君と出会った頃を
僕と君が出会ったのは高校生の時で
君は学校のマドンナ
僕はただの冴えない男子学生
4‘
絶対に関わらないと思ってた。
君と会話をしたのは文化祭準備の前日
足りない材料の買い出しのペアに僕と君がなった。
ホームセンターに行く道中、僕達の間に会話はなかった。
5‘
もちろん帰りも会話はないと思っていた
真夏「……」
○「……」
真夏「あのさ…」
そう思っていたのに君がそれを破った。
6‘
○「どうしたの?」
真夏「生田くんは私の事嫌い?」
○「…どうして?」
真夏「いや…避けられてる気がしたから…」
○「気のせいだよ…ただ…僕と秋元さんは住む世界が違うと思ったから」
7‘
真夏「住む世界が違う?」
○「うん…秋元さんは高校1、可愛いし、だれにでも優しい、僕はかっこよくないし、だれにで優しいわけじゃない」
真夏「可愛い…///」
○「だからかな…秋元さんがそう感じたのは」
真夏「私!私は生田くんとお話したい!」
8‘
急に僕の手を掴んで力強く言うもんだから
おかしくて…嬉しかった。
○「うん、僕でいいならお願いします」
真夏「よかった!」
9‘
それから真夏とはよく喋るようになった。
お昼は一緒に食べたり、授業ではペアになったり
真夏を知れば知るほど好きになっていった。
今思えば、真夏と、ちゃんと話したあの日から好きだったのかも知れない。
10‘
僕は真夏に告白して、お付き合いをした。
それから高校を卒業し、同じ大学にもいった。
そのタイミングで同棲もして
喧嘩もしたし、別れる寸前までいった。
11‘
それでもなんだかんだで十数年間、君と一緒にいる。
君との間に可愛い娘もいる。
僕は幸せ者だ。
だから君にも聞きたくなったんだ
君は幸せ?って
12‘
僕は口下手だから
普段は気の利いたことも言えない
だから記念日には僕の好きな【ブルースター】の花をプレゼントする。
結構知らない人もいる花
13‘
君になんでこの花が好きか聞かれたこともあった
その時は恥ずかしくて言えなかったけどね
○「真夏、はい…これ」
僕は毎年恒例のブルースターを渡す。
真夏「ありがとう!やっぱり綺麗な花だね!」
14‘
○「ふふ、よかった」
真夏「そういえばなんでこの花が好きなの?」
○「それはね?」
ブルースターの花言葉が…“幸福な愛“だからだよ
まだ恥ずかしいから言わないけどね
ありがとう!