15年間誘拐されていた少女〜番外編(終)〜
1’
ー警視庁ー
麻衣「梅ちゃん!情報は!!」
美波「い、いえ!」
七瀬「なんかないん?!」
怜奈「目撃情報あったよ!!!」
2‘
麻衣「どこで!!」
怜奈「坂道公園近くの倉庫です!」
麻衣「すぐに近くの警官を急行させて!私たちもすぐにいくわよ!」
全員「了解!」
3‘
〜〜〜〜〜
4‘
ー???ー
⚪︎「くっ!縄が解けない」
さくら「こっちも無理だよ」
⚪︎「せめて、犯人の思考が感じられれば…」
5‘
さくら「…ねぇ」
⚪︎「どうしたんだい?」
さくら「こんな時にいうのも何ですけど…飛鳥さんのこと愛してますか?」
⚪︎「き、急だね?まぁ…愛してるよ」
6‘
さくら「飛鳥さんってさくと同じで、誘拐されていたんですよね?」
⚪︎「そうだね、彼女は15年間も監禁されていたんだ」
さくら「どうして飛鳥さんを?」
⚪︎「…惹かれたから」
7‘
さくら「…そっか」
⚪︎「今はここを出ることに集中しよう!」
さくら「はい…」
何とか縄を解いて、脱出しようとする2人。
8‘
〜〜〜〜〜
9‘
麻衣「どんな状況!!」
遥香「お疲れ様です!今は倉庫を包囲してます!」
麻衣「中には?」
遥香「今、捜査員が中に」
10‘
麻衣「それにしても静かね…」
美波「少し変ですね」
遥香「何か問題でも?」
七瀬「こんなわかりやすい場所なのに、少しの目撃情報しか出てへん」
11‘
“ドッカン!!!”
倉庫で爆発が起こる。
麻衣「なっ!梅ちゃん!すぐに消防隊に通報!賀喜ちゃんはすぐに近くの市民をここから遠ざけなさい!」
美波「了解!」
遥香「り、了解しました!!!」
12‘
麻衣「中に入った捜査員は!!」
七瀬「ダメや!爆発に巻き込まれたみたいや!」
怜奈「白石警視!〇〇くん達がのいる倉庫がわかりました!」
麻衣「どこ!!」
怜奈「ここから15分くらいの場所です!!」
13‘
麻衣「いくわよ!」
麻衣達は車に乗り込もうとする。
沙友理「麻衣ちゃ〜ん!!!」
麻衣「沙友理ちゃん?!』
14‘
沙友理「はぁはぁ!間に合った!」
麻衣「どうしたの?」
沙友理「これ!現場に向かう途中でええから見てや!」
麻衣「わかった!」
15‘
ー車中ー
美波「それは?」
麻衣「わからない」
中身を見る麻衣。
麻衣「…っ!?梅ちゃん!スピード上げて!!!」
美波「り、了解しました!!」
16‘
〜〜〜〜〜
17‘
⚪︎「くっ!はぁはぁ!」
さくら「……」
“ピーポピーポ!!”
⚪︎「っ!サイレンだ!ここだー!!ここにいるぞー!!」
18‘
“がらがら!!”
倉庫のシャッターが開く。
麻衣「〇〇!!」
⚪︎「姉さん!!」
麻衣達が入ってくる。
19‘
⚪︎「ここだ!さくらちゃん!助けが来たよ!」
麻衣「遠藤さくら!動くな!!」
拳銃をさくらに向ける麻衣。
⚪︎「なんでさくらちゃんに拳銃を向けてるんだ!!!」
20‘
麻衣「遠藤さくらは13歳の女の子じゃないわ!!!」
⚪︎「え?」
麻衣の言葉に驚く〇〇。
さくら「あーあ…バレちゃった」
21‘
⚪︎「さくら…ちゃん?」
さくら「そうですよ、私は13歳の少女ではありません」
さくらは縛られてる椅子から立ち上がると、
縄も一緒に解ける。
22‘
さくら「私の本当の年齢は21歳ですよ」
⚪︎「まさ…か…」
さくら「ふふ、ありえないって顔してますね?」
麻衣「この遠藤さくらは過去にも同じように13歳の少女と偽って、家族の中に入ってその家族仲を壊してるのよ!!」
23‘
さくら「そこまで知ってるんですね?」
⚪︎「どうして…」
さくら「はははは!いいですね!その顔!裏切られた時のその顔が!」
恍惚な表情をしながら笑っているさくら。
24‘
遥香「い、イカれてる…」
麻衣「逮捕するわ!!」
さくら「動かないでください!!」
さくらはポケットからカッターを取り出して、
縛られて椅子に座る〇〇の首にあてがう。
25‘
⚪︎「うっ…」
さくら「ふふふ、かわいいですねぇ」
麻衣「どうして、〇〇なの!?いつから〇〇が標的なの!!」
さくら「最初からですよ?」
⚪︎「え!?」
26‘
さくら「連続誘拐事件の時にネットで警察に捜査協力をしてる心理カウンセラーのことを知りました、それで気になって〇〇さんを見に行った時にこの人だ!って思ったんです」
美波「正気じゃない!」
さくら「正気じゃない?はははは!私は正気だよ?だってこんなにも満たされているんだから!!」
⚪︎「さくらちゃん…君は何がしたい?この状況では逃げ切れないぞ?」
27‘
さくら「ん〜、どうしましょうか?〇〇さんを殺して、私も死にます」
麻衣「それをさせるとでも?」
さくら「この手を横に引くだけです」
遥香「っ…」
麻衣「くっ!」
28‘
⚪︎「いいよ?」
さくら「え…?」
⚪︎「それでさくらちゃんが満足するなら俺を殺してくれ」
麻衣「〇〇!?何言ってるの!?」
⚪︎「ごめん、姉さん…飛鳥によろしく」
29‘
麻衣「ふざけないで!!」
さくら「本当ですよ、ふざけてるんですか?本当に殺しますよ?」
⚪︎「あぁ、いいぞ」
さくら「本当に言ってるんですか!?冗談じゃないですよ!!」
手に少し力を入れると、〇〇の首が少し切れる。
30‘
⚪︎「っ…もっと強く引かないと殺せないぞ」
さくら「どうして!怖がらない!どうして!そんな優しい顔をしてるんですか!!!」
⚪︎「さくらちゃん…君は俺の患者だ…」
さくら「それは13歳のさくらのでしょ?本当の私は21歳の犯罪者だよ?何人も殺してきました!!」
31‘
⚪︎「それでも君は俺の患者だ」
“カラン”
カッターを落とすさくら。
さくら「なんですか…それ…」
麻衣「確保ー!!!!」
32‘
さくらを拘束する。
七瀬「大丈夫?」
⚪︎「はい」
さくらに近づく〇〇。
33‘
さくら「…なんですか」
⚪︎「面会しに行くから」
さくら「来なくていいです…」
⚪︎「行くよ」
34‘
さくら「それも私が〇〇さんの患者だからですか?」
⚪︎「そうだよ」
さくら「…ふふ、わかりました、待ってますね」
麻衣「連れて行って」
美波「はい!」
35‘
連行されるさくら。
倉庫には〇〇と麻衣、数人の警察官が残っている。
麻衣「ばかっ!!」
⚪︎「ごめん」
麻衣「もうあんなこと言わないで!」
36‘
⚪︎「…うん」
麻衣「その間はなに!!」
⚪︎「な、なんでもないよ!」
麻衣「はぁ、帰るわよ」
37‘
〜〜〜〜〜
38‘
家に帰ると、目に涙を溜めた飛鳥に出迎えられる。
倉庫でのことを話したら、驚いた後に
涙を流して、さくらちゃんの名前を呟いていた。
さくらちゃんとの会話を言ったら、怒られた。
39‘
事件から数日
遠藤さくらの事情聴取をしたところ
彼女は〇〇に近付くために
警察に偽の情報を流して、誘拐されていた少女を演じた。
彼女が犯人だと言った人物はネットで知り合い、
彼女の口車に乗せて、犯人に仕立てたとのこと。
40‘
彼女は今回の事件以外にも数件、同様なことをしており
その数件で殺人をしたと自供した。
そんな彼女に出された判決は精神を病んでるとして、
10年、警察精神病院に収容されることになった。
41‘
〜〜〜〜〜
42‘
ー半年後ー
さくら「今日はお1人ですか?」
⚪︎「うん、やっと面会できることになったけど、飛鳥は仕事で」
さくら「そうですか…」
⚪︎「少し、痩せたかい?」
43‘
さくら「そうですか?」
⚪︎「うん」
さくら「ならそうかもしれません…早くも飛鳥さんのご飯が食べたいです」
⚪︎「ふふ、飛鳥のご飯は美味しいからね」
さくら「そうですね」
44‘
ー1時間後ー
⚪︎「そろそろ面会終わるから帰るよ」
さくら「…はい」
⚪︎「またくるよ、だって」
45‘
さくら「俺の患者だからですか?」
下を向くさくら。
⚪︎「俺と飛鳥の娘だからね」
さくら「っ!」
〇〇を見るさくら。
46‘
⚪︎「さくらちゃんがよければだけどね?」
さくら「どうし…て…」
⚪︎「飛鳥と話し合って決めたんだ…君が出ていた時は31歳だけど、それでも君を娘として養子にしたいって」
さくら「っ…グスッ…本当…あなた達は…お人好しですね…グスッ」
47‘
⚪︎「書類は職員さんに渡しておいたから」
さくら「グスッ」
⚪︎「またくるよ、さくら」
面会室を出ようとする〇〇。
さくら「待ってるね!お父さん!」
⚪︎「…ああ!」
48‘
END
49‘
この作品はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品内での表現・行動なので実際に行っても、
一切の責任は取りかねますのでご了承ください。
ありがとう!