陰キャに恋しました
1‘
累「おい!〇〇〜!」
〇「どうした?林〜」
累「今度隣の女子高の女子誘って遊びに行かねぇ?」
〇「んぅ〜、パス!」
2‘
累「またかよ〜!!」
遥雄「どうした?」
累「あ、かっき〜!〇〇がまた来ないってよ!!」
遥雄「またかよ!」
3‘
〇「悪いな」
累「最近付き合い悪いぜ〜」
しょうがないだろ…
好きな人ができちゃったんだから
4‘
好きな子は陰キャだ…
と言っても、別に見た目が地味ってわけでもないし
可愛くないわけでもない、むしろ可愛い。
でもなぜだか誰も彼女を気にしないし、振り向きもしない。
5‘
まぁ個人的には好都合だけど
でも接点が同じクラスってなだけだから
話しかけることができずに半年が経った。
はぁ…ヘタレだな…
6‘
でも今日こそは!と思い、みんなが帰った後に
彼女に話しかけた。
〇「あ、あの!」
美緒「……」
7‘
あれ?聞こえなかった?
〇「あの!!」
美緒「っ、は、はい」ビクッ
〇「か、帰らないの?」
8‘
美緒「あ、はい」
〇「……」
美緒「……」
気まず!!
なんだよ!帰らないの?って!
9‘
もっとあっただろ!
ほら、矢久保さんも困ってるよ!!
何かないかと考えてると、
矢久保さんが読んでいた本に目がいく。
10‘
〇「な、なんの小説を読んでるの?」
美緒「あ、これ?これはダヴィンチコードだよ」
〇「ダヴィンチコードってあの薄くて難しいやつ?」
美緒「うん」
11‘
〇「俺も読もうとしたいけど、難しくてやめちゃった」
美緒「遠藤くんも本、読むの?」
名前知っててくれたんだ…
感激…
12‘
〇「う、うん!(心:そんなに読まないけど…)」
美緒「じ、じゃあさ!本の感想を言い合わない?」
〇「感想?」
美緒「2人で同じ本を読んで、それの感想を言い合うの!」
13‘
〇「…う、うん!!そうしよう!(心:やった!)」
美緒「よかった!じゃあ、これ…」
鞄から一冊の本を取り出す。
〇「これは…“俺はお前を誘拐した”?」
14‘
美緒「1週間後、これの感想を言い合おう?」
〇「わかった!それまでに読むね!」
美緒「場所は…今は使われてない読書部でいいかな?」
〇「旧校舎のところね!わかったよ!」
15‘
こうして、俺と矢久保さんの2人だけの感想会が始まった。
どうやら矢久保さんは感動系が好きならしく
おすすめされた本は全部、それ系
『俺はお前を誘拐した』『脇役の僕は主人公にはなれない』
16‘
でも最近は恋愛物だったりする。
今回は『あなたを好きになってしまったんだけど、責任とってください』という本を読んだ。
主人公の女の子は特に気にしていなかった同級生に話しかけられて
話してるうちに気になり出して、好きになるという話。
17‘
美緒「お待たせ!」
〇「待ってないよ!」
美緒「早速だけど、どうだった?」
〇「うん、すごくよかったよ!なんか歯痒くなるシーンもあったし、主人公の女の子の気持ちも伝わってきたし!」
18‘
美緒「後は?」
〇「あと?」
美緒「なんかないの?」
〇「?」
美緒「はぁ…」
19‘
〇「矢久保さん?」
美緒「〇〇くんは私のこと好き?」
〇「ふぇっ!?」
美緒「私は〇〇くんが好き…」
20‘
俯く美緒。
〇「お、俺は!矢久保美緒さんが好きだ!」
美緒「っ!」
〇「話しかけたのだって、好きだから話しかけた!本当は本なんてあまり読まない!だけど矢久保さんが!提案してくれたから読むようになった!」
美緒「そうだったんだ…」
21‘
〇「矢久保美緒さん!俺と付き合ってください!」
美緒「はい!」
〇「っ!やった!!!」
美緒「その代わり条件があるの」
〇「条件?」
美緒「それは…」
22‘
〜〜〜〜〜
23‘
〜2週間後〜
累「〇〇!今日こそはいくよな?」
〇「行かないって〜」
累「またかよ!!!!」
遥雄「どうして行かないんだよ?」
24‘
〇「彼女に悪いから」
累「はっ?!彼女?!」
遥雄「誰だよ!!」
〇「美緒ー!!」
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美緒「ん?どうしたの?」
〇「俺の彼女」
美緒「ふふ、〇〇くんの彼女です」
累「はぇ…」
遥雄「ふぁっ…」
26‘
“その代わり条件があるの”
“条件?”
“それは…私をちゃんと紹介してね?”
“もちろん!”
27‘
この作品はフィクションです。
実際の人物や団体とは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品としてなので、実際に行っても、
責任は取りかねますのでご了承ください。
ありがとう!