WOOD
1‘
木材…といえば何を思い浮かべますか?
普通は木ですよね?
僕もそう思い浮かべる。
でも彼女は違うらしい
2‘
どうやら彼女はこの木材を心に例えるらしい
その木材は1本では折れてしまうかもしれない
でも何十本も束ねることで強く折れにくくする。
人の心も1本だけでは人の悪意に押しつぶされて折れてしまう。
3‘
何本も棒を束ねることで耐えられるのだという
正直、意味がわからない。
だって、例えようは他にもあっただろ?
なんでこんなにも例えるのが、
伝えるのが難しい言葉を選んだのか…
4‘
〜〜〜〜〜
5‘
彼女は自殺した…
大学の屋上から飛び降りた。
原因は大学内でのいじめ…
どうやら蓮加を妬んだ女子達がいじめてたらしい。
6‘
どうして…蓮加は俺に相談してくれなかったんだ…
どうして!!!!
俺はどん底になって、勤めてた会社を辞めた。
それから酒浸りになり、飲んでは吐いて
7‘
吐いては、飲んでを繰り返してたある日
家に蓮加の知人を名乗る女性がやってきた。
〇「こんなものしかないいですが…」
水を出す。
8‘
?「いえ、ありがとうございます」
〇「それで、梅澤さんでしたっけ?」
美波「はい!」
〇「蓮加とはどういった知り合いで?」
9‘
美波「えっと、バイト先で一緒で!」
〇「そうなんですね、それでご用件は?」
美波「今日はこれをお渡しに来ました」
一通の手紙をテーブルに置く美波。
〇「これは?」
10‘
美波「蓮加さんからです」
〇「蓮加から?」
美波「中身はもちろん見てません、私に何かあればこれを渡してほしいと言われました」
〇「…」
11‘
美波「これを渡したので私は帰りますね?」
立ち上がる美波。
〇「ありがとうございます」
美波「それでは」
12‘
部屋を出る、美波。
美波「あの人…大丈夫でしょうか?」
送り人「まぁ大丈夫でしょう、さてともう一仕事です」
美波「はい!」
13‘
〜〜〜〜〜
14‘
〇〇、これを読んでるってことは
私は耐えられなかったんだね?
まずはごめんなさい
何も相談しないで
15‘
何回も相談しようと思ったんだよ?
でもね?〇〇の顔を見るといえなかった…
…木材の話、覚えてる?
あれさ、私なりに伝えてみたんだ
まぁ伝わらないよね?
16‘
私には〇〇って木材しかなかった…
でもね、それだけじゃ足りなかったみたい。
決して〇〇が悪いわけじゃないんだよ
私の土台が悪かっただけ、
土台が悪いのにそこに木材を柱にしたって折れちゃう
17‘
ごめんね、本当にごめんね!
もっと〇〇と一緒にいたかった…
もっともっと〇〇と色々な場所に行きたかった!
〇〇のお嫁さんになりたかったよ!
18‘
途中から涙で手紙がぼやける。
〇〇…愛してる…
そこで手紙は終わっていた。
〇「れんかぁ…れんかぁぁあああ!!!!」
19‘
〜〜〜〜〜
20‘
手紙を読んでから1週間、蓮加をいじめてた女子達が
集団飛び降り自殺をしたらしい。
正直そんなことはどうでもいい
蓮加がいないこの世界に俺が生きてる意味なんて…
21‘
この作品はフィクションです。
実際の人物や団体とは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品としてなので、実際に行っても、
責任は取りかねますのでご了承ください。
ありがとう!