思い出は面白いものばかりで愛おしいものばかり
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今日は突然だけど
僕と彼女との思い出を振り返ってみよう。
まずは最初に出会った時の話。
あれは雪は降る、冷え込んだ日だった。
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僕が20歳で、彼女が24歳
就職する為に北海道から上京してから1年が過ぎ
同僚に連れられて、初めてダンスバーにきた。
僕はそんな所に行ったことがなくて、
周りには際どい格好をした女性が多く、目のやり場に困っていた。
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〇「あいつ、どこ行ったんだ?」
誘っといて、僕を1人にするなし…
端っこで飲んでよ…
僕は誘われた友人においてぼりにされて
端で飲んでいるとお店のスタッフさんに話しかけられる。
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?「お一人ですか?」
〇「ぁ、いや、友人と来てます(心:綺麗な人…)」
?「そのご友人は?」
〇「どっかいってしまって、あはは」
奈々未「私、ここのスタッフの奈々未って言います」
5‘
〇「奈々未さん」
奈々未「お客様のお名前をお聞きしても?」
〇「ま、〇〇です!!」
奈々未「〇〇さんですね、お暇でしたら私と飲みませんか?」
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〇「ぇ、でもお仕事中じゃ?」
奈々未「私は今さっき踊ってきたのであがりです」
〇「じゃあ…お願いします」
奈々未「じゃあ、あそこに座って飲みましょう」
7‘
これが彼女、奈々未さんとの出会い。
同郷だったらしく、意気投合した。
後から聞いた話だと、どうやらこれは偶然ではないらしく
友人が以前お店にきた際に僕の写真を見せたところ
一目惚れして、友人に頼んでこうなったらしい。
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そんなことも面白い思い出。
でも、何も知らないふりして
話しかけてくるなんて、
可愛らしくて、愛らしいよね。
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それから何回かデートをして、
1年が過ぎ、暖かな春の日差しが差し込む日曜日。
僕は奈々未さんに告白した。
〇「奈々未さん…僕と付き合ってください!」
奈々未「私でいいの?」
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〇「奈々未さんが“いいんです”」
奈々未「よろしくお願いします」
告白が成功した時は嬉しかったな…
すごく緊張した、だって女性に告白するのが初めてだったから
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そんな僕を可愛らしくて、好きって言ってくれる。
付き合って、同居してから分かったこともたくさんある。
意外にも朝起きるのが苦手な奈々未さん。
朝食を食べている時でも半分寝ている。
体が悪く、入院したこともある。
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奈々未「ごめんね?デートだったのに」
〇「デートはいつでもできますから」
奈々未「でも…」
〇「…なら家に帰ったら奈々未さんと初めてがしたいです」
この時の僕はなに言ってんだろうって思う。
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奈々未「ふふ、いいよ」
〇「…///」
奈々未「恥ずかしいなら言わなきゃいいのに、でもありがとうね」
クスクスと笑いながら僕の頭を撫でてくれる。
そんな奈々未さんが愛おしい。
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それから奈々未さんが退院をして、数日が経った
夏の始まりが顔を出し始めた頃。
奈々未「〇〇くん」
〇「はい?」
奈々未「シよっか?」
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〇「え…!」
目を見つめると少し恥ずかしそうに揺れていた。
僕に可愛らしい八重歯を見せながら微笑んでくれる。
〇「はい!」
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まずはキスをして…おっっと!
どうしたの、奈々未さん
そんなことまで日記に書かなくていい?
でも初めてのことだから…はい…やめておきます
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さぁ気を取り直して、次は食欲がお盛んな時期
初めて、奈々未さんのご両親とお会いした。
すごく緊張したけど、優しいご両親で安心した。
ただ孫はいつ見れるのか聞かれた時はむせてしまったけど。
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僕も奈々未さんもなりゆきに任せてって感じ
なので避妊はしてない。。
いたぁっ!ちょ!なんで叩くんですか!
え?そんなことも書かなくていい?
すみません…
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ごほん…最後は肌を刺すような寒さを感じる何気ない土曜日。
僕は奈々未さんのご両親に2度目のご挨拶に来ていた。
奈々未さんが妊娠したのだ。
そのご報告とあともう一つ。
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〇「娘さんと共に人生を歩かせてください!」
奈々未父「うん、君なら良いと思う」
奈々未母「ですね」
〇「っ!ありがとうございます!!」
21‘
そして、今日…
〇「準備できましたか?」
奈々未「うん」
〇「とてもお綺麗です、お腹は目立ちませんね?」
奈々未「まだ3ヶ月だしね」
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〇「では行きましょうか?」
奈々未「緊張し過ぎないでよ?」
〇「はい!」
奈々未「自信満々ね?」
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〇「隣に奈々未さんがいますから!」
奈々未「じゃあ、エスコートお願いね?」
〇「はい!」
最愛の妻が生まれてきてくれた日に
僕達は夫婦になりました。
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この作品はフィクションです。
実際の団体とは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品としてなので、実際に行っても、
責任は取りかねますのでご了承ください。
ありがとう!