幸せを切り取る1枚絵(リメイク)
1‘
僕は君に思い出の瞬間を贈るする
君だけに送る贈り物
奈々未「〇〇、今日もそのカメラ持ってきたんだ?」
○「当たり前だよ、僕は奈々未の仕草や表情を残したいんだから」
奈々未「私を撮っても何もないでしょ(笑)」
2‘
○「僕にはあるんだよ、君との思い出が残るんだから」
奈々未「〇〇らしいね」
○「そう?」
奈々未「うん、でも1つ訂正して欲しいな」
○「ん?なにを?」
3‘
奈々未「○○には思い出が残っても私には残ってないよ」
○「どうして?僕が思い出を撮ってるんだよ?」
奈々未「私との写真が1枚もないじゃん」
○「??」
奈々未「私は○○と2人で写ってる思い出が欲しいの」
4‘
○「でも僕は撮られるのは苦手で…」
奈々未「そうは言っても1枚もないのは寂しいわ」
○「そうだけど…」
奈々未「今までで1枚でもあった?」
○「1枚もない…」
5‘
奈々未「だから今日から○○も思い出に残そ?」
そう言って、僕にフィルムカメラを渡す君。
奈々未「君と私の思い出をこの専用のカメラで!」
○「そうだね!撮ろう!」
新しく受け取ったカメラを君と僕で埋め尽くす。
6‘
そんな日々が続く、思った以上に君と共に撮ると
苦手な写真も撮られるのに抵抗はなくなった。
奈々未「見てみて〜」
僕に一枚の写真を見せてくる。
○「これって…!」
7‘
奈々未「うん、エコー写真」
○「こ、こ、」
奈々未「落ち着いて?私と〇〇の子供だよ?」
自身のお腹をさする奈々未。
8‘
○「ここに僕達の子が…」
僕は奈々未の前に膝をつき、お腹に頬を当てる。
奈々未「ふふっ…まだ、動かないよ?」
○「わかってるよ…わかってる」
9‘
君と僕の思い出が箱いっぱいに貯まる頃には
君と僕の思い出だけではなくて
君と僕ともう1人になっている。
僕はそれが待ち遠しい…
10‘
_____
11‘
ー4年後ー
○「可愛いねぇ〜」
飛鳥「ぱぁぱ」
奈々未「あまり、甘やかさないでよ?」
12‘
○「でも可愛いから…」
奈々未「最近、わがままになってるから」
○「でも…」
奈々未「でもじゃない」
飛鳥「ななみぃー」
13‘
奈々未「それと、飛鳥の前では名前じゃなくて、ママって呼んで!最近、奈々未って呼ぶんだから」
○「う…すみません」
飛鳥「ななみぃ!」
奈々未「飛鳥、奈々未じゃなくてママだよ?」
飛鳥「ななみー」
14‘
○「あ、飛鳥?奈々未じゃなくて、ママって呼ぶんだよ?」
飛鳥「ま、ま?」
○「そうだよー!」
飛鳥「にしし(笑)」
○「可愛いぞ!」
15‘
奈々未「はぁ…本当に甘いんだから」
呆れ顔の奈々未。
○「よし!写真撮ろう!」
夫婦の寝室に走っていく〇〇。
奈々未「あ、ちょ!もう…急なんだから…」
16‘
飛鳥「ママ、パパはどうちぃたの?」
奈々未「多分、カメラをとりにいったのよ」
“バタバタ”
すぐに戻ってくる〇〇。
17‘
○「ほら!撮るよ!」
〇〇が持ってきたのはいつの日かに
奈々未から渡されたフィルムカメラ
3人で撮る時は必ずこのカメラを使う。
18‘
奈々未「飛鳥、おいで」
飛鳥「あいっ!」
○「はい!チーズ!」
“パシャ!”
これからもどんどん増えていく思い出
いつか、飛鳥に大切な人ができたら
このカメラを渡そう…
19‘
Fin…
桜花爛漫さんの作品をリメイクさせていただきました。
許可を得てます。