どうして…君を…
1’
僕は君に騙されていたんだね
君は僕を愛してなんかいなかった…
出会ったのは桜が満開の4月頃だった。
2‘
○「久保〇〇です」
美月「山下美月です!」
美月は会社の後輩で僕は研修担当だった。
最初のうちはただの後輩って感じだったんだけど
3‘
いつからかな…美月を好きになったのは
辛いのに笑顔で頑張る、君に惹かれたんだと思う。
○「山下さん!好きです!付き合ってください!」
美月「っ…はい!お願いします!!」
4‘
君は涙を流しながら告白を受けてくれた。
僕は嬉しくてその場で美月を抱きしめていた。
君は恥ずかしそうに笑っていた。
○「幸せにします」
美月「幸せにされます」
5‘
美月との交際は順調にいっていった。
それから交際してから2年が経ち
結婚も考えていた。
僕は美月の誕生日にプロポーズすると決めていた。
6‘
お金を稼ぐ為に仕事を頑張った。
そうして定番の給料3ヶ月分の指輪を用意して
美月にいざプロポーズの日になった。
今日の夜、美月を誘おうと探していると会議室に入る美月を見つけた。
7‘
○「美月?」
会議室から声が聞こえてくる。
1人ではないようだ…
?「〇〇には言った…?」
美月「…言ってないです」
?「バレるのは時間の問題だぞ?」
8‘
美月「そうですけど…」
?「美月だけの問題じゃないんだし」
美月「でも…」
?「美月…」
美月「ミナトさん…」
9‘
俺は頭の中が真っ白になった。
美月は浮気をしていたのだ。
しかも僕の同期のミナトと…
俺はその場から離れて会社を早退した。
10‘
その日の夜に美月からメールがきていた。
『早退したって聞いたんですけど大丈夫ですか?』
『看病しに行きましょうか?』
君のこのメッセージに僕はどう反応すればいいかわからなかった
11‘
次の日、僕は会社を休んだ…
美月には別れようってメールをして
“ピンポン!”
俺は出なかった。
12‘
するとメールがきた。
『どうしてですか?』『なんで別れるなんて…』
どうして?なんでそんなことが言えるんだ…
君が…君が浮気しているから…なんで…
13‘
次の日も休むわけにはいかず仕方なく出社した。
なるべく美月とは会わないようにした。
そして程なくして美月が会社を退職した。
14‘
僕は気になりミナトを呼び出した。
ミナト「〇〇、どうした?」
○「どうして美月がやめたか知ってるか?」
ミナト「聞いてないのか?」
15‘
○「何が?」
ミナト「お腹に子供がいるんだよ…」
○「…はっ?」
ミナトの言葉が理解できなかった。
16‘
そのあとミナトが色々言っていたが殆ど頭に入ってこなかった。
とりあえず僕は美月の家に向かった。
“プルプル”
頼む!出てくれ!
17‘
美月『はい…』
○『美月…今から会えないか?』
美月『どうしてですか?』
○『確かめたいことがあるんだ』
美月『…わかりました』
○『家の前にいるから開けてくれ』
18‘
少しすると家の扉が開いた。
美月「〇〇さん…」
○「中に入っていいか?」
美月「どうぞ…」
19‘
中に通される。
僕は美月が座るのを見て、対面に座る。
美月のお腹は大きかった。
○「早速だけど…そのお腹の子は?」
美月「っ…」
20‘
○「ミナトの子か?」
美月「違います!」
○「なら…僕の?」
美月「はいっ…」
そうか…あれは僕の勘違いだったんだな…
21‘
○「この事を言わなかったのは僕が別れるって言ったから?」
美月「それもありますけど…」
○「言ってくれ…」
美月「怖かったんです…言ったら別れられるんじゃないかって…」
22‘
○「ごめん…僕の勘違いで君を傷つけてしまったね」
美月「いえ…私も悪かったんです…ミナトさんに相談するんじゃなくて〇〇さんに伝えるべきでした」
○「…聞いてほしいことがあるんだ」
美月「え…?」
23‘
僕はポケットから小さな箱を出す。
○「山下美月さん…僕と結婚してください!」
美月「っ…いいんですか…(涙)」
○「それはこっちのセリフだよ…僕で良ければ死が僕達を別つまで一緒にいてほしい」
美月「喜んでっ!(涙)」
24‘
こうして僕達は結婚した。
それから数ヶ月が経ち、娘が生まれた。
名前は遥香と名付けた。
これからは3人で暮らしていく。
25‘
辛いこともあると思うけど3人でなら大丈夫だと思う。
だって僕の勘違いだったけど一度は別れてしまった僕達が
こうして結婚してるんだから
26‘
To be continued
ありがとう!