まだ俺/私は、君/あなたが好き
1‘
“ざわざわ”
ミナト「〇〇はどうすんの?」
⚪︎「何が?」
ミナト「話聞いてなかったのかよ、今度の日曜に女子達を誘って横浜中華街に行かねぇ?」
2‘
⚪︎「誰誘うの?」
ミナト「3年の飛鳥先輩と1年の遠藤さん、あとは…隣のクラスのやま」
⚪︎「…いかねぇ」
ミナト「なんでだよ!」
3‘
⚪︎「お前の魂胆は見え見えなんだよ」
ミナト「な、なんのことだよ」
⚪︎「どうせ俺と“山下“さんを引き合わせる為だろ?」
ミナト「なっ!?」
⚪︎「あっちは俺がくること知ってんのかよ」
4‘
ミナト「…知らない」
⚪︎「なら尚更行かねーよ」
ミナト「あのな?やまだって…お前のk」
⚪︎「もう終わったことなんだよ」
ミナト「だけどよ!」
5‘
教室で言い合ってる2人。
シオ「はい、2人共!終了!ここ教室だよ」
同じクラスの久保シオが2人を止める。
⚪︎「わりぃ」
ミナト「ごめん…」
6‘
シオ「参加表明は今週の金曜日までだから、それまで考えてみて?」
落ち着いた口調で喋るシオ。
⚪︎「…わかった」
シオ「うん、次の授業に行こう?」
7‘
〜〜〜〜〜
8‘
どうして、俺が行きたくないか…
それは隣のクラスの山下美月が関係してる。
俺と山下さん…美月と付き合っていた。
告白は俺からで、一目惚れだった。
9‘
仲良しだった…
でも、浮気されたんだ…
俺が部活で忙しくて、なかなか会えなくなって
それで…
しょうがないって思った…
寂しい思いをさせるならって…
10‘
俺から別れをきりだした…
それからクラスが変わって、
話さなくなった。
それなのにどんな顔して、
会えばいいってんだ…
11‘
〜〜〜〜〜
12‘
⚪︎「はぁ…」
シオ「どうしたんだい?そんなため息ついて」
⚪︎「なんで俺は連れて来られた…断ったはずだけど」
シオ「まぁまぁ」
13‘
⚪︎「はぁ…」
飛鳥「ため息ついて、どうした?」
⚪︎「なんでもないですよ」
ミナト「食べ歩きするぞ〜!」
14‘
さくら「ぉー!」
美月「……」
シオ「どこから行こっか?」
食べ歩きが始まる。
15‘
〜〜〜〜〜
16‘
ミナト「うめぇー!」
飛鳥「梅の割にいい店選ぶじゃん」
シオ「遠藤さん、美味しいかい?」
さくら「はい!」
17‘
美月「…」
⚪︎「…」
6人は食べ歩きしながら、楽しく会話をしている。
食べ歩きをしてから5時間。
18‘
人が混んで来て、ぶつかりながら前を進んでいく。
ミナト「人が多いな〜!」
シオ「遠藤さん達、大丈夫ですか?」
さくら「大丈夫です!」
飛鳥「私は大丈夫だけど、やまは…あれ?やまがいない!」
19‘
⚪︎「はぐれたのか!」
ミナト「あっ!おい!〇〇!」
シオ「先輩達はそこのカフェで待っててください!ミナト!いくよ!」
ミナト「お、おう!!」
20‘
〜〜〜〜〜
21‘
みんなとはぐれちゃった…
どうしよう…
スマホの充電も切れちゃったし…
公園を見つけたからベンチに座る。
22‘
美月「はぁ…」
なんで来ちゃったかな…
〇〇くんが来るのわかってたのに…
相手にされないってわかってるのに
もう一度、私をみて欲しくて
23‘
私が悪いのにね…
寂しかった…そんなの言い訳にはならないけど
魔が刺してしまった…
あぁ…やばい…
涙が出てきちゃった…
24‘
“み…っ…き”
美月「うぅっ…」
こんな時まで〇〇くんの声が聞こえる…
⚪︎「美月!」
美月「えっ…」
25‘
⚪︎「はぁはぁ…やっと見つけた…」
美月「どうして…」
〇〇くんはスマホを出して、電話をする。
⚪︎「あ、ミナト?見つけたよ、うん…うん…わかった、そっちに向かうよ」
26‘
⚪︎「ミナト達が待ってるから行こう」
〇〇くんが私も手を握って、歩き出す。
⚪︎「また離れたら困るから」
美月「うん…」
無言のまま歩いてる。
27‘
⚪︎「美月…」
美月「な、なに…」
⚪︎「少し遠回りしよう…」
美月「え…」
道を逸れて歩き始める〇〇くん。
28‘
⚪︎「美月…何も言わずに、俺の話を聞いてくれ…」
美月「……」
何を言われるのだろうか…
⚪︎「俺はさ…あの時のこと怒ってないんだ…」
美月「っ…」
29‘
⚪︎「ただ申し訳なかったなって…美月には寂しい思いをさせてたなって…」
今日、初めての笑顔を見せる〇〇くん。
だけど、その笑顔は悲しそう。
⚪︎「俺はさ…美月がまだ好きなんだ…」
っ…私…
30‘
⚪︎「美月とはぐれて、探してる時に何故だか美月との思い出がたくさん溢れ出して、さらに美月が愛おしく思えた…だからさ?また俺と付き合ってくれないかな?」
美月「っ…うん!うん!私もまだ〇〇くんのことが好きっ!」
⚪︎「よかった…」
美月を抱きしめる〇〇。
31‘
美月「ごめんなさい…」
⚪︎「もういいんだ…好きだよ」
美月「私も…」
“ちゅっ“
32‘
この作品はフィクションです。
実際の人物や団体とは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品としてなので、実際に行っても、
責任は取りかねますのでご了承ください。
ありがとう!