妊娠中に麻酔科専門医を取得した話
もう2年ほど前なのですが、長女が生後半年、次女を妊娠中に専門医試験を受けました。
またその1年後、長女が1歳、次女が10ヶ月の時に美術検定1級を受けて合格しています。
社会人、育児中ともあれば学生時代のように1日8時間なんてまとまった時間は勉強にはあてられません。1時間をまとめて勉強にとることもなかなか困難です。
そんな中でどうやって合格まで辿り着いたのかを記録します。
合格率
麻酔科専門医の合格率は75%なので4人に3人は受かりますが、医学部受験から医師国家試験を経ての麻酔科専門医試験の合格率であり、それなりの試験を潜り抜けたうちの4人に1人は落ちますのでしっかり勉強しないと受かりません。
医師は非常に勉強が好きな人が多いです。他の社会人経験はないので比較はできませんが、ずっと勉強をしてきたので勉強が苦じゃない、勉強をしてないことが苦、みたいな人が結構います。
期間を長く設定する
1回の勉強時間が取れないので、回数を増やすことになります。
回数を増やすので期間を長く設定しました。
専門医試験は10月が試験日なので、7月から本格的に勉強する人が多いです。なので3月から勉強を始めました。
1日に15分〜30分かけて問題集を見開き1ページやると決めていました。時間は朝の時間、仕事中の昼休憩、出勤中の取れる時間にやりました。
集中力がなくて文字が読めない
時系列としては12月に長女を産んで3月から勉強を開始し、6月に次女を妊娠しています。
妊娠中、産後は俗にいうマミーブレインで最初は大袈裟でなく5文字以上の文字が読めませんでした。もともと本が大好きで1日中読んでいたのですが長女を妊娠中の時に全く読めなくなったのでこれは妊娠のせいだと確信しました。ただ変わらず本は大好きなので、長女を出産後から少しずつ本を読み始めており、勉強を始める3月にはなんとか一度に1ページを読んで理解するまでには回復しました。
初めはかろうじて1ページしか読めなかったので苦戦しましたが、1ページ読めると前述のように見開き1ページの勉強ができるので、まずは文字を追って読めるように訓練しました。
集中力をつけるために
長くは勉強時間が取れないため、すぐに集中することが必要でした。
睡眠の質を高めることと、瞑想を朝と昼休憩に行いました。
どうしても夜泣きはあったので勉強を始めた頃は全く眠れませんでした。生後3ヶ月頃からまとまって寝るようになったので本来は眠れるはずでしたが、アドレナリンが出ているのかなかなか寝付けなかったり中途覚醒をすることがありました。
アプリとApple Watchで睡眠を管理しました。
寝つきが悪いでsleep soundなどの入眠の音を出してくれるアプリを聞いてから入眠するようにしました。
また一回5分の呼吸瞑想法を行い、だんだんと集中力を高めていきました。
美術検定
それまで美術検定3級、長女妊娠中に2級を取得していたため、専門医取得後は1級を受けようと決めていました。
無事に専門医試験をパスしたので、今度は1年計画で同じように美術検定を勉強しました。
美術検定1級の合格率は19.3%、2級を合格していないと受験資格がないのでこちらも勉強しないと合格できないので勉強しました。
12月が試験なので12月から勉強を始めました。
とはいえこちらは趣味資格なので、趣味としての読書の延長として有用とされる本を読んでいました。
美術検定1級は小論文形式の問題がありますが、仕事で論文を書くことがあるので論文対策は特にしていませんでした。
#わたしの勉強法 として
自身でもこれら二つの資格取得の経験からして、常に勉強することが勉強法です。
就学してからありがたいことに勉強をすると褒められる環境にいるので、存分に勉強してきました。大学合格後も勉強していないと卒業ができない、卒業ができても国家試験を受からないと働けない。医師になっても専門医をとらないと給料があがらない、働ける場所が制限される。専門医を取ったら今度はサブスペシャリティ（というさらに詳しい領域の専門医）、学会発表もしたい、子供が生まれたら教えたいこと、また新たしく知りたいこと、学びたいことが出てくる……そんな状態です。
そして何歳からでもその習慣はつけられる。
1日に1ページ本を読むでもいい、Xで140字の文章を紡ぐでもいい。ずっと続けることが勉強であると考えます。
最後に
わたしの好きで、また私を呪う言葉として、ナイチンゲールの「進歩し続けなければ退歩しているということ」があります。
この言葉の通りに毎日を過ごし、妊娠中から出産直後のおそらくなにもできなかったと自覚した時期に泣きました。今考えると子供を産んで育てているんだからとても立派なのに、外貨を稼げず、知識も増えないからそう思ってしまっていました。
わたしはこの言葉が大好きです。なのでこれからも毎日ひとつは進歩したいと掲げて生きています。
これが #わたしの勉強法 です。