ふたりきりの約束
お腹に赤ちゃんがいると知ってから
道を歩いているだけで
なんだか楽しかった。
ひとりでいるのに、
いつも2人。
なんだか2人分
強くなれたみたいだった。
あたたかくて、頼もしい
お腹の中の赤ちゃん。
ある日、私はダンナとケンカをした。
夜遅く、布団の中で
ひとり涙を流していた。
だけれど、すぐにハッとする。
“ 赤ちゃんに見られてしまった“ と。
急に恥ずかしくなり、
いそいで涙をぬぐう。
もう、泣くのはやめよう。
お母さんになるのだから。
そう、決意した。
赤ちゃんとふたりきりの夜。