元バレリーナオードリーのMoon Riverは天使の歌声/映画『ティファニーで朝食を』『オールウエイズ』
バレエを習っている知人から8月の発表会のチケットをもらった。
その夜、調べている最中のヘボンHepburn博士(ローマ字や日本最古の和英辞書を作った)が、実はオードリー・ヘップバーンAudrey Hepburnと同じ姓と知り、たまたまオードリーについて検索したら、意外にも元はバレリーナだったことがわかった。
『ローマの休日』(1953年)は何度も観ていて、可憐な王女様の姿の印象が強かったけれど。
1.ティファニーで朝食を(1961年)
オードリー・ヘップバーンで検索すると、映画『ティファニーで朝食を』の中で弾き語りする『Moon River』の歌声にハッとし、映画『麗しのサブリナ』ではバレエ姿で踊る動画が目に留まった。
戦争に巻き込まれ、栄養不良と長期間レッスンができなかったことで、バレエの夢は閉ざされ、お金を稼ぐために女優の道を進んだオードリー。
バレリーナではないけれど、踊る映像を観るとうっとりする。
夢破れても、少女時代から磨き続けてきた芸は消えず、情感たっぷりの踊りは、観る者を癒してくれる。
弾き語りも初めて聴いた。
アルトの低音が心に染みたと同時に、
「これ、私が歌うべき歌だ!」と、直感的にそう思った。
映画を最後まで観て、Two Drifters(二人のさすらい人)とは、ホリー(オードリー)と相手役の男性、二人のことなんだなあと気づいた。
お互いを愛しく思うのに、経済的地位を優先し大富豪との愛無き結婚を決めてしまうホリー。
最終的には大富豪と破談となり、さすらい人達は結ばれる、原作とは違うハッピーエンドで良かった。
2.オールウェイズ(1989年)
(天使ハップ役でオードリー出演・最後の作品/スピルバーグ監督兼制作)
オードリーの映画は、『ローマの休日』しか観ていないと思っていたけど、作品リストを見て最後の作品『オールウエイズ』を観ていたと気付いた。
当時、容色の衰えた姿を世に晒すのをためらいもあっただろうけれど、
死んだ主人公を導く天使としてオードリーが登場した。
観た当時は70代位だろうと思っていたけれど、調べたら、50代後半の年頃だった。亡くなったのが63歳、そんなに短い人生だったの…
映画の主人公(50代位の?おじ様)は森林火災のパイロットで、消火活動中火災現場で命を落としたが、すぐに天に召されず現実社会を見られることとなった。
残した恋人の嘆く姿を見つつ、彼女に心を寄せる若い男性パイロットの耳元で操縦技術などを導き、取り持つような辛い役回り。
その主人公に死後のおきてをアドバイスするのが天使ハップ(オードリー)。広大な枯草の草原に、白い衣装で舞い降りた…天使
昔のような絶世の美女ではもうないけれど…
その映画の出演料を全額ユニセフに寄付したとも聞いた。
自分が戦時中受けた恩恵を返しただけだと言い残して。
心根も美しい素晴らしい女性だったと改めて知った。
この映画は1989年に映画館で観た。
『ゴースト/ニューヨークの幻』などスピリチュアル系の映画やシャーリーマクレーンの本等がもてはやされていた頃。
こういう世界ってあるのではと、当時から思っていた。
自分がもらったインスピレーションは、耳元で死者がアドバイスしてくれた賜物だという…
本人は自分が思いついたと感じるのだと…
この映画は原作があり、スピルバーグがこよなく愛した『ジョーと呼ばれた男』のリメイク版であることを初めて知った。
多くの作品を生み出したスピルバーグも、何処からかくる閃きやインスピレーションの恩恵を受けていたから、この映画を作りたかったのでは?
3.二本の映画が自宅にあった偶然⇒二本立てで映画鑑賞ができた♬
金曜から土曜日オードリーやスピルバーグ作品について調べ続け、
二本とも映画を観たいと心から思っていたら、だいぶ前に主人が友人から大量のDVDをもらったことを思い出した。
深夜確かめたらあったのだ、二本とも我が家に!
そして映画鑑賞。何かにとり憑かれるように過ごした密度の濃い金土日。
そしてバレエの発表会を観た一週間後、友人との共通の知人、元同僚が病気で危ないと土曜日知らせを受け、何故か『今歌わなくちゃ!』と日曜日に『Moon River 』の歌を録音…
残念ながら火曜日ご逝去されたとの訃報が届き、既読にならないとわかっている彼女のlineに歌を送った。
一昨年同じ病気で亡くなった親しい友人がいて、
亡くなった数日後に歌を聴きに来てくれたような不思議な出来事があり、
魂は天国に行くまで、まだ間があるような気がしたから…