芹沢央さん小説「貘の耳たぶ」装画の話
こんにちは。
今日は、今年描いた小説の装画の話を少ししようと思います。
「貘の耳たぶ」文庫本・芹沢央さん著(幻冬舎より)です。
ブックデザインはbookwall↓↓
物語のあらすじはこちら↓↓
いわゆる赤子取り違えならぬ、取り替え事件のお話です。
同じような年頃の子どもを育てている最中にこの物語と出会えたことは本当に幸運でした。
「どこまで逃げれば、この子を失わずにすむんだろう」
初めて原稿を拝読したとき、人物の表情や色彩のイメージを深く探るために
何度も読み返した時、そして今…何度読み返しても涙が出てくる大好きなシーン。
新生児の時に取り替え事件が発生した後、なんと4年後に取り違え事件として発覚…
すなわち4歳まで育てて、本当の親に返し、その後二度と会わないことができるのか?
そして取り替え発覚後の展開が息をつく暇もない。
こんなに壮絶な擬似体験をしたことがなく、胸を詰まらせながら読み味わいました。
そんなことはありえない、これは物語なのだから。
と言ってしまうのはいとも簡単ですが、そう簡単には思わせない素晴らしい洞察と描写が、宝物のように詰まっている小説です。
すでに物語を読んだ方も大勢いらっしゃるかと思いますが、ぜひもっともっと多くの方に読んでもらいたいお話です。
ところで、装画を描くにあたり…
繭子と郁絵の2人の関係性をどのように表すか、が大きなテーマとして打ち合わせの中でも熱く語られました。
ラフアイデアを何パターンか描いたのですが
作者の芹沢さんから、完全にすれ違いの2人ではなく、次の瞬間に目が合うような雰囲気を醸し出して欲しい、とのご要望が。
それを描くのにとても苦心しました。
ラフアイデア画とともに、その話はまた近日中に書こうと思います。
書ききれなかった…!笑
ではではまた。
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