汚い色で描く、という課題
私は26〜27歳頃に勤めていた会社を辞めた後
イラストを描く仕事をするため【青山塾】というイラストレーションのスクールに通いました。
恩師のひとりである井筒啓之先生の授業の中で
興味深かった課題のひとつに「う○こ色で描く」というものがありました笑。
う○こ…
衝撃的なテーマでしたが、すなわち汚い色で描いてみよう、ということです。
最初はあまり意図が分からなかったものの、素直にできるだけ汚い色だけを作って描くことにしました。
描いているうちに一つの気づきが訪れます。
そうか…「綺麗な色」というものが存在するのではない。
色同士の響あいによって、隣あう色によって、色はいくらでも美しくなるのだという事実。
(?! 文とイラストがあんまり合ってなくてスミマセン汗)
例えばなんとなく地味で目立たない、色があるとしましょう。
それは全体から見ると、その色があるからこそ全体が成り立っている場合がある。
それって人間も同じではないでしょうか。
いくら自分が普通とか地味とかであってもそれはそれで大きな意味がある。
…そんな気がします。
それまでの私は綺麗な(と思われる)色と色を組み合わせて
どこか薄っぺらい印象の絵ばかり描いていました。
色は使い手によっていくらでも美しくなる。
おそらく、メイクやファッションもそうでしょう。
難しい色を素晴らしく使いこなしている人を街で見かけます。
全体が地味な色なのに垢抜けた印象でお洒落に着こなしている人もいます。
何が違うのか?
それは色や形を俯瞰的にみることができている、ということです。
視野が広いんですね。
ふと絵の指南書をひらけば
ものの形をとるときは、筆先を見て描くのではなく、画面全体を見て描きなさい、ということが描いてある。
そうすれば形も構図もバランスがとりやすい、と。
色も同じですね。視野を広く保ち、同時に隣あう色達の対話にも心を研ぎ澄ます。
とまあ…
えらそうに理屈で言うことはいくらでもできるんだけどね笑…!
そして絵の勉強をしたことがある人ならば知っている知識の一つなのかもしれません。
ただ…私は高校生の時に受験用の美術予備校に数年通い、技術的なことを学んだりしましたが、色に関する本質的なことはあまり聞かなかったように思います。
こういうことは自分での足で学び拾うしかないんですね。
そして拾いそびれたものがまだまだあることは確かです。
終わりなき道はまだまだ続く…
これからも一歩一歩、拾いそびれたものを拾っていこうと思う昨今なのでした。
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