逃げる。
とにかく考えないようにひたすら寝て、ひたすら面白げなことで頭いっぱいにして、日常をまわして、下駄箱にニス塗って、これからご飯にしようと思う。
私が生まれた記憶を思い出したこととか、私が誰であるとか。
そうはいっても、この人生のほとんど、私がまわしてきたこと。
これは間違いない気がするし、相変わらず紫苑は私のことを好きで居てくれてるし、マリーさんは相変わらず爆裂してるし。
ああ、書いてるうちにも瓦解しそうになるけども、だけども私は私でいることをやめたくない。
たとえ、逃げると言うことが私の役割だったとしても。
私は私を放棄したくない。
統合ってなんだろうかと思う。
今の私にとっては恐怖でしかないことだけど。
区別することで安定を図ってるつもりが、一瞬で持っていかれた。
それほど彼女の存在は大きい。
全部ね、切り分けて、そうだな、嫌な言い方をすれば押し付けておいて、それはないだろうって、この怒りは紫苑かな、壁に肘鉄してキレてたし。
私もそう思ってるのかな。
それでも「護るべき対象」なのだ。
この心がそう言っている。
ああもう、泣きたい。
なんだかわからない。
アオイくんが彼女を探しだしたのは、この人生を考えて、そのための最善と考えての事なのだと思う。
こちらをただただじっと観てる。
なにかを問われてるかのように感じて困惑する。
まるで、私じゃ駄目なのだと、突き付けられているようで、苦しい。
恐怖心が纏わりつく。
ここにいる。
周りをみんなが静観して囲む。
負った記憶は強かさとして越えていけるものと信じてみたい。
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