混在、同居。

私があなたになる時、この手は大きく力強いものになる。
この身体が、一個の身体が、細いながらも男の人特有のがっしりとした私じゃないものに代わる。

この感覚はなんだろう。

頬杖をついて笑う顔も、余裕と慈しみを持つ。
心は鎮まり、愛で詰め込まれる。

泣きたくなるほどに。

*

爆ぜる想いもそのままに。
このまま溶け込んでしまえたらどんなにか幸せかと。

いや、それはもったいないか。
こうして相対すること叶わなくとも居られることが愛おしい。

俺はそんな男じゃない。
優しくもない。

知られたら終わりだと隠し通したことが明るみに出た今。
それでもこうしていられることに神聖さすら感じる。

何故、自分が、笑うことを赦されているのか。
それがどれほどのことか。
きっと君はわからないだろうね。

その無自覚さにどれだけ救われているか。
無垢な心に触れられることの歓びを、どれだけのことをすれば返せると言うのか。

いつか彼女に感じた気持ちを、その景色を、今は君を通して見ている。

ハツハル

*

私たちはこの身体で共生している。

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