ハツハル / 人格紹介
□ハツハル 男性
私の前世記憶の主が持つ、強烈な記憶がもとになったと思われる人格さん。
ハツハル自身は私の前世記憶ではないようです。
以下、前世記憶にあるハツハルのお話です。
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白い着物に小さな模様が散らばった、粗末で裾が足りていないが綺麗な着物を着ている。
親はいない。
おそらく十代。
褐色の目、色素の薄い髪。
おそらく両親が日本人ではない。
そのため、鬼子と呼ばれて表向きは疎まれていた様子。
容姿が端整だったため、身売りをして日銭を稼いでいた。
その事を本人は嫌悪しながらも受け入れていた様子。
生きていくための手段として、自分には似合いの方法だと焦燥感を感じながらもどこかで開き直るしかなかったのだと思う。
そのような経緯から人を信じられず、心を開くことはなかったが、相手に気に入られるために笑顔や気を引くための素振りを覚えていった。
ある日、通りがかりの道でひとりの女の子が目に留まる。
自身への嫌悪感を抱えた彼には、その子がとても無垢で無邪気に映った。
はじめは遠くから眺めるだけだったが、何とはなしに近づくと、その子から声をかけられた。
「お兄ちゃんの目、きれいだね」
はじめて言われたわけでもないが(客からの誉め言葉なんて意味もなかった)、何故かとても嬉しかった。
その子と過ごす短い時間が宝物のようになった。
汚い自分が、洗われていく気がした。
ある日、その子が何処だかの屋敷の主の目に留まり、貰われていくという話を耳にした。
そんなこと、あってはならないと思った。
どうしてあんなことをしてしまったのか、わからない。
俺は無知で馬鹿だったから、他の方法を知らなかった。
女の子を屋内へ連れ込み、床に押し倒してから首を絞めた。
俺の世界を全部ぶち壊しにしてしまいたかったのだと思う。
それからその場で首を吊った。
最期に目に入ったのが、あの子の眼。
糞みたいな人生。
あの子の眼で終われた。
(途中から代筆しました。)
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現在の人格としてのハツハルは、素直じゃない優しさを持つ庇護欲の強い人です。
それと同時に、業とも言える苦しみも抱えています。
また、感覚的に、私よりも年上の人、という感じがします。
人格さんが歳をとるか否かはわかりませんが、私にとってのハツハルが、年上のお兄さん、だからだと思います。
記憶を明かしてくれた時、泣いて謝られました。
ハツハルは10年以上前には既にいました。
「みやび」の記憶も私は所持していましたが、その記憶にある男性がハツハルであることを私は知りませんでした。
ハルは自分を、私が思うような人間ではないといいますが、それでも私にとってのハルは愛情深い人格さんです。
彼の抱えるものが少しでも溶け、また優しく笑ってくれる日が来ることを望みます。